『価格、品質、広告で勝負していたら、お金がいくらあっても足りませんよ』 川上徹也・著 vol.1801


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【長い!】
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本日の一冊は、大不況かつ供給過多の時代に、どうやって自社を差別化するか、その手法を紹介した一冊。

著者は、大手広告代理店のクリエイティブ局を経て、ストーリーブランディングの分野で活躍するプロフェッショナル。

本書では、そんな著者のストーリーメソッドと、著者が注目するストーリーブランディングの最新事例を紹介し、中小企業に生き残りのヒントを提示しています。

いわゆるマーケティング本のジャンルに入ると思いますが、これはひさびさに事例豊富で楽しめた一冊。

台風の被害により、数多くの農家が意気消沈していた折、「落ちないリンゴ」を考案して受験生に売った農家、9割が指名来店、冬でも客足が途絶えないというかき氷専門店「埜庵(のあん)」、単なるよろず屋に過ぎなかった店を、ビーチサンダルに特化して大ブレイクさせたビーチサンダル専門店「げんべい」。

あえて大企業ではなく、中小企業に特化してユニークな試みを紹介しているあたりが秀逸。

経営を改善させたいと願う中小企業経営者は、必読の一冊です。

ストーリーブランディングのプロだけに、本書に書かれている事例自体が優れたストーリーになっており、ビジネス抜きでも雑学として楽しめます。

ぜひ読んでみてください。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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いくら90ドルの価値を持ったワインでも、10ドルで売ると10ドルの価値しか持たなくなり、5ドルのワインでも45ドルで売るとそれなりの価値を持つ

規模はたとえ小さくても、キラッと光る会社がリスペクトされモテる時代になってきています。人材も、そのような価値観を共有できる経営者の元で働きたいという志向が強くなっています

◆ハリウッド映画でも使われている、感動を呼ぶ3要素
1.何かが欠落しているまたは欠落させられた主人公が、
2.何としてもやり遂げようとする遠く険しい目標やゴールに向かって
3.数多くの葛藤、障害、敵対するものを乗り越えていく

◆平成3年の台風19号による被害の際にできたストーリー
ほとんどの農家は、落ちてしまったリンゴを見つめてただ呆然とするばかりでした。しかしその中に、ひとり諦めないでこのピンチを何とかできないかと考えた若手経営者がいました。彼は、リンゴ農家の経営者たちの集まりで、「落ちないリンゴ」というアイデアを提案しました

◆3本の矢の法則
「志のストーリー」「ブランド化のストーリー」「エピソードのストーリー」の3つのレベルのストーリーががっちりとリンクしてあって、生活者から見て納得のできるものになっていれば、3本の矢のようにちょっとやそっとでは折れない「最強のストーリー」ができあがります

◆鵠沼海岸にあるかき氷専門店「埜庵」(のあん)
「効率がいいということは無駄がないということ。でも無駄がないということは、伸びしろがない、とも言えます。無駄を無駄じゃないように変えていくところに、伸びしろが出てくる。冬に来てくれるお客さんを増やすということは、そんな可能性を大きくすることに繋がるんです」この時期に来てくれたお客さんだけにメンバーズカードを配ります。メンバーズカードを持っていることが、不定期に開かれる「夜埜庵」への参加条件になるという風に、コミュニティづくりを大切に考えているのです

◆ビーサン専門店げんべい
その当時、ユニクロのフリースが大ブームでした。特に色のバリエーションの多さを訴求するCMがテレビで流れていました。それを見た中島氏はひらめきました。色やサイズのバリエーションならば、うちのビーサンも負けてはいない。よし、ビーサンの色と種類の多さを全面的に訴求するホームページをつくろう

◆オンリーワンになるための3つのアプローチ
1.ギュッと絞り込もう
2.見せ方、魅せ方を変えよう
3.とにかく宣伝しちゃおう

いくらオンリーワンでも、わかりやすいタグがないと、なかなか人に伝わっていかない

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『価格、品質、広告で勝負していたら、お金がいくらあっても足りませんよ』クロスメディア・パブリッシング 川上徹也・著
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4844370669
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◆目次◆
はじめに
第1幕 なぜ、価格、品質、広告で 勝負してはいけないの?(理論篇)
第2幕 こんなストーリーが価値を生む(実例篇)
第3幕 心が動けば、商品・サービスは売れ続ける(実践篇)
おわりに

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