2012年1月8日
『伊藤Pのモヤモヤ仕事術』伊藤隆行・著 Vol.2727
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【反骨のプロデュース論】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4087206076
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本日の一冊は、「愛の貧乏脱出大作戦」や「怒りオヤジ3」「モヤモヤさまぁ~ず2」「やりすぎコージー」などの番組を手掛けた、テレビ東京のプロデューサー、伊藤隆行氏による一冊。
昨年店頭で見かけて、ずっと気になりつつ読んでいなかった本ですが、読んでみて、これは今年の一冊!だと感じました。
なぜなら、著者の思想の根底には、いい意味での「あきらめ」と、「革新への意欲」があるから。
これは、どん底の経済状況でイノベーションを生み出さなければならない現在の日本企業と、かぶるものがあると思うのです。
局が誕生して以来、視聴率最下位キープ、他局と比べて予算10分の1というテレビ東京で、オリジナリティあふれる企画を繰り出し続ける著者。
2010年に初めて企画した映画「お墓に泊まろう!」では、「経営が傾いたテレ東を葬儀屋が買収する」という設定が登場し、さらにテレビ東京の社長が死んで棺桶に入るというシーンも企画されたとか。
著者が社長本人に出演してもらうため、直談判するシーンは、笑いを通り越してプロ根性を感じました。
基本的には、プロデュース論ですが、仕事に取り組む姿勢としても、見習うべき個所がいくつもあります。
「もし世間から求められるものが誕生して、それまでのルールにそぐわなかったら、ルールを変えていけばいい」
「課題を与えられた時、必ずしも真正面から取り組んで、相手の要求に満額回答する必要はありません。求められている核を探す。そしてその部分をはずさない」
「九九%は凡人でも一%は天才じゃないといけない」
内容の9割がテレビネタと笑い、残りの1割が仕事論というバランスに、テレビマンのプライドを感じます。
好き嫌いは分かれると思いますが、何かを創り出す仕事をしている人、人をまとめるポジションにいる人には、ぜひ読んでいただきたい一冊です。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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結局、人を動かすのは勝手な感謝なのかもしれません
プロデューサーの仕事は初期設定にある
大事なのは、真逆の環境に置いてあげることなんです
もし世間から求められるものが誕生して、それまでのルールにそぐ
わなかったら、ルールを変えていけばいいだけのこと。そうじゃな
いと革新は生まれません
課題を与えられた時、必ずしも真正面から取り組んで、相手の要求に満額回答する必要はありません。求められている核を探す。そしてその部分をはずさない
全ての企画には、「こうしたい」で始めた本分があると思います
嫌われることを恐れていては何も始まりません。そもそも組織の基本は「友達ではない集団」です。仕事でおつきあいする人は、友達じゃないんです
正直さに勝る説得力はない
この場を借りて世間の上司の皆さんに言いたいのは、若者に投資は必要、ということです。「ボンとやってこい!」でチャンスと資金を与えてダメだったら、しばらく冷や飯を食わせることでお灸を据えて、またチャンスを与えればいい
孤独な時、人は弱いからどうしてもつるむことで安心してしまう。でも中間管理職的な立場で苦しかったら、その孤独を受け入れてしまった方がいいんです。仲間と群れたところで何も解決しませんから。僕が今、それなりに他人のことを慮って、気持ち良く仕事してもらうことに気を遣うのは、あの孤独を経験したからだと思います
何かを目指すなら一回壊れることで、自分が本当に本気かどうかを確認できます
プロであることに誇りを持つことは決して悪いことではありません。でも届ける相手が一般人であるなら、最後にプロから目線を戻す一工程が必要になってきます
別に素人でいいじゃないですか。どうせもともと素人だったんだから
「結局、九九%は凡人でも一%は天才じゃないといけない。と言うのは、テレビ番組を作ってお金をいただいてるわけなんだから、『自分はこれができるんだ』という情熱とか取り柄とか、それを活かして仕事をしないと、人様に失礼だろ? お前に多くは求めない。でもおまえと俺は違う人間なんだから、おまえの一%はどこか天才なんだよ。それは信じきらないとダメだぞ」(20歳年上の大先輩・Yさん)
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『伊藤Pのモヤモヤ仕事術』伊藤隆行・著 集英社
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◆目次◆
第一章 最下位局・テレビ東京に育って
第二章 プロデューサーという仕事
第三章 企画の考え方
第四章 サラリーマンとしての仕事術─テクニック編─
第六章 テレビについて考えること─五番勝負─
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