2008年11月18日
『五〇〇億ドルでできること』ビョルン・ロンボルグ・著
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【経済学的思考で世界の問題を解決すると?】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4862381170
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最近は、問題解決本がブームですが、実際に問題を解決しようと思ったら、予算や費用対効果を考慮するのはもちろんのこと、どんな手段が有効かまで、詳しく論じる必要があります。
本書は、2004年に開催された国際会議「コペンハーゲン・コンセンサス」をもとに、経済学を使って世界全体の問題を解決する方法を説いた一冊。
地球温暖化や感染症の蔓延、内戦、教育格差、飢餓、水問題など、トピック自体はマクロの話ですが、問題解決のためのクリティカルな要因を見つけ、わずかなコストで劇的成果をあげるという視点は、民間のビジネスにもヒントを与えてくれるに違いありません。
公衆衛生の改善がGDPの成長につながるという話、戦争のリスクが、所得水準、所得の伸び率、および一次産品輸出への依存度で決まるという話、そして移住が資源利用の効率性を高め、生産を最大化するという話…。
われわれの社会では、一見、別の問題のように思える複数の問題が、実際には複雑に絡み合っていて、お互いに影響し合っている。
政策担当者に限らず、現実の問題を考える際に、大きなヒントになる話だと思います。
ビジネスパーソンの頭のトレーニングとして、また従来のミクロ視点を離れ、社会的な視野を手に入れるためのきっかけとして、ぜひ読んでおきたい一冊です。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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世界的な経済学者たちの委員会が全会一致で出した提言は、HIV/エイズ対策に二七〇億ドル、栄養失調と飢餓対策に一二〇億ドルを投資すること、費用のほとんどかからない、貿易障壁の削減を実行すること、マラリア対策に一〇〇億ドルを使うことだった
専門家たちが、気候変動問題が重要と認識していないわけではない。だが、気候変動によって悪影響を受けることになる世界最貧の数カ国にとっては、HIV/エイズや飢餓、マラリアといったことのほうがずっと差し迫った問題であり、解決できた場合の効果がより大きいのだ
資源に限りがあることを認めない人々は夢の世界に住んでいるのだ。無礼を承知で言うなら、世界が必要としているのは夢想家ではなく現実主義者だと私は思う
開発途上国の子供の死因は、上位一〇のうち七つが感染症で、感染症は子供の死因の約六〇パーセントを占め、年間六〇〇万人以上の死者を出している
さまざまな人口層の中で、最も豊かな国々のタバコを吸わない人々の死亡リスクが、どの年代においても最も低い
一九六五年から一九九〇年までの東アジアの年間経済成長率(同期間の世界のGDP成長の約半分)の一・七パーセントは、公衆衛生の大幅な改善によってもたらされた
一年間の内戦は、控えめに見積もっても一国の経済成長率を二・二パーセント低下させる。内戦は平均で七年間継続するため、終戦時の経済は、内戦が発生しなかった場合に比べて一五パーセント縮小しているだろう
戦争のリスクを決定する要因としては、国の政治的・社会的特徴は、経済的要因に比べれば重要度がはるかに低い。最も重要な三つの要因は、所得水準、所得の伸び率、および一次産品輸出への依存度である
教科書や筆記用具がひどく不足しているために学習が進んでいない場合には、教師の数を増やしてもほとんど意味がない
たいていの経済学者たちは、低賃金の国から高賃金の国への移住を歓迎する。移住は資源利用の効率性を高め、生産を最大化するからだ
世界には、全人類の需要を満たすために十分な水――家庭用、工業用および農業用水――が明らかに存在するが、その配分は偏っている。問題は水がないことではなく、水の供給を受けていない人々が、水を手に入れるための資本(金銭的または政治的)を入手できないことにあるのだ
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『五〇〇億ドルでできること』バジリコ ビョルン・ロンボルグ・著
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4862381170
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◆目次◆
序章 私たちは真っ先に何をするべきか?
第一章 地球温暖化対策
第二章 感染症対策
第三章 世界の内戦発生数を減らすための課題
第四章 教育の欠如への取り組み
第五章 統治と政治腐敗の問題
第六章 飢餓と栄養不良対策
第七章 人口と移住の問題
第八章 水問題
第九章 補助金と貿易障壁について
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