2012年4月1日
『世界で勝負する仕事術』竹内健・著 Vol.2811
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【世界で勝てるマインドとは?】
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本日の一冊は、早くからフラッシュメモリの開発に携わり、同製品を東芝の主力製品に押し上げた立役者、竹内健さんによる一冊。
もともとはノーベル賞を取れるような独創的な研究をしたいと考え、東大の大学院で物理工学を専攻していた著者ですが、当時、東芝の研究所の所長だった舛岡富士雄さんとの出会いにより、同社への入社を決めました。
入ってみたら、まったくの不採算部署で、「話が全然違った」わけですが、それでも著者は不平を言わず、最初の半年はボタンを押すだけの単調な作業を甘んじて受けます。
にもかかわらず、入社3年目で研究所は閉鎖。尊敬していた舛岡さんも、東芝を辞め、東北大学の教授に転身します。
普通なら、ここで腐ってしまうものですが、ここからが著者の違うところ。
残された著者は、「会社が認めないなら、世界で認めさせてやる」とばかりに、学会で論文を発表。
その後、著者がMBA留学をしている間に、iPodが登場し、フラッシュメモリは、一躍東芝の花形事業に成長します。
帰国後、著者は、数千億円をかけて作る半導体の設計・仕様を決定できる立場になり、まさにタイトル通り「世界で勝負する」ことになるわけです。
マイクロソフト、インテル、アップルとわたりあううちに著者が悟ったこと、世界で戦うために、ビジネスマンが身に付けなければならないスキル・マインド。
著者の仕事を追体験しながら、グローバル競争に必要な心構えが学べる、じつに読み応えのある一冊です。
ぜひ読んでみてください。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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「その後、DRAM、CPUが開発され、次がいよいよフラッシュメモリなんだ」と、舛岡さんの話は止まりません。そして「それをやれるのは自分以外にいない、オレがそれをやる」と、すごい迫力で言い切るのです。世界はオレについてこいと言わんばかりでした。私はその勢いに圧倒され、完全に魅了されてしまいました。さっぱり分からない世界なのに、「あ、自分が行くのはこっちだ」「この人だ」と思ってしまったのです
就職活動をする学生はよく「朝陽を見ないで夕陽を見る」と言われます。就職活動をしているときに好調な産業は実は夕陽、その先落ちていくしかないことが多いのです。他方、これから成長していく朝陽のような産業は、まだ日の出前、真っ暗闇です
雑用からはい上がるには、有効なアイディアを提案する以外にありません。とにかく必死で考え、「これで1回やらせてください」と提案し続けました
あえて「もしその常識が嘘だったら何が起こるか」と考えてみる
「東芝が認めないなら、世界で認めさせてやる」と、意地と執念で研究を続け、多値フラッシュメモリについての論文を、毎年国際学会で発表しました
誰も注目していない分野、歴史の浅い分野をねらう
東芝という会社には、生意気というか自己主張が強い人間にチャンスをくれるという寛容な文化があります
MBAを無事取って東芝に帰任したあと、古山さんにお礼にうかがったら、「君は私に恩返しはできないよ。これを君に続く次の世代に返してあげなさい」と言われました
優れた技術を開発しておけば誰かが使い道を考えてくれます。大事なことは新市場への起爆剤となる技術やアイディアを考える人に、半導体はいつまでも進化していくんだという将来像を示すことだ、というのが小林さんの考えでした
技術の世界は1位だからこそ資金や情報が集まってきますし、
顧客も信頼してくれます
「ルールを守ってさえいれば、形なんか不細工でもいいでしょ」と言う人もいます。確かに、レイアウトの形は消費者には見えないので、どんなに不細工なレイアウトでも、動きさえすればいいように思えます。でも、実際に製品開発の現場にいた経験からすると、対称性にこだわるなど、見た目が美しい、細部まで工夫したレイアウトほど、不良が少ないのです
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『世界で勝負する仕事術』竹内健・著 幻冬舎
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◆目次◆
第1章 配属先はお荷物部門
第2章 エンジニアがなぜMBA?
第3章 半導体ビジネスの最前線で
第4章 ふたたびゼロからの出発
第5章 なぜ世界一でなくてはダメなのか
第6章 挑戦しないことが最大のリスク
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