『一流たちの修業時代』 嘉野地秩・著 vol.2231


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【一流たちの下積み時代とは?】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4334035744
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人を見るときには、結果よりもその人が生み出した原因を観るのがいい。

これは、土井が成功者を観察する時の基本的な態度です。

本日ご紹介する一冊は、ノンフィクション作家の野地秩嘉(のじつねよし)さんが、一流たちの修業時代を取材したもの。

もともとは「日経PC21」「Gainer」で連載していたものをまとめたものです。

かつてベストセラーとなった『プロ論。』に似たスタイルで、一流たちの信念や言葉がまとめられており、じつに読み応えがあります。

※参考:『プロ論。』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4198619611

一部、会社のブランドネームや個人の知名度が先行している方も見受けられますが、ファーストリテイリング会長の柳井正さん、日本画家の千住博さん、ビジネスコンサルタントの大久保政彦さん、イデアインターナショナル社長の橋本雅治さんなどは、言葉に力がありました。

一部赤ペンチェックで紹介しているので、ぜひご覧ください。

これらの方のインタビューが興味深いのは、彼らの成功の「原因」がきちんと書き込まれていること。

どんな態度で仕事に臨んだのか、成果が出る原因をどう特定したのか、結果を出すために何を鍛えたのか。

単なる根性論ではなく、結果に結びつく根性論であることが、おすすめする理由です。

ぜひ読んでみてください。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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◆柳井正(株式会社ファーストリテイリング会長兼社長)

「自分で判断してネクタイを外して仕事をしていたら、上司から『ネクタイをつけて仕事しろ』と怒鳴られて……。会社って堅苦しいもんだなと思った」

「商品のことを真剣に勉強しようと思いました。カッコつけるのをやめて、メーカーや問屋の人に教わりました」

「失敗は大切です。仮に成功していても、ひょっとしたら自分は失敗してるんじゃないかと思わなきゃいけない」

「だって、若い人って、まだ何もしていないんでしょう。あきらめることなんかない。まだ、何も始まっていないんですよ、あなた方は」

◆宗次徳二(壱番屋創業者特別顧問)

「高校1年の時、父親ががんで亡くなりました」

「人間に苦労は必要ですが、苦労をしている最中に不遇と思ってはいけない」

◆千住博(日本画家)

「人間はいくつになっても、仕事に取りかかるたびに、修業は続いていると自らを叱咤するべきです」

「なかには効率的に描いたことを自分の個性だと主張する人もいるでしょう。しかし、それは違う。逃げているにすぎない。そういう人は見ることを放棄している。『銀紙の上のオレンジを描け』という課題が出たら、その通りに描かなくてはならないのです。表現者にとって観察することは何にもまして大切です。私はあの時、見ることの重要性をつかむことができました」

「世に出るとは、打たれても打たれても舞台に立ち続けること。厳しい批評にさらされても、描くことを放棄せず、じっと耐えて、また絵に向かい合う。人はあまりに打たれ続けると、打たれることがつらくなってしまい、褒めてくれる人を探すようになります。そうして、自分で小さな舞台を作り、自分を理解してくれる少数の人の前だけで作品を発表するようになる。でも、それは本当の芸術行為ではない」

◆大久保政彦(ビジネスコンサルタント)

「私は思いました。一時期にたくさんの車を売るよりも、ずっと売れるセールスマンでいたい、と。そして、それが本来のセールスマンの姿ではないか、と」

「セールスマンは相手に決断させるシーンを作らなきゃいけません」

◆橋本雅治(イデアインターナショナル社長)

「私がやったことは、まず会社は回るけれど、商品を売り込むのではなく、その会社が使っていたコピー機やファクスの状況を知ることでした。導入したのはいつなのか、リース料金はいくらなのか、毎月、何枚くらいの書類をコピーしているのか……。そういったデータを集め、契約更新期の頃に訪ねていき、他社よりも条件のいい
提案書を出す」

「あの時、人間には味方がいることがわかった。どんなに苦しい時でも、誰かが必ず応援してくれます。私は今でもそういう人たちに感謝しています(中略)つらいことを乗り越えた自信よりも、他人に感謝できる自分を見つけたことのほうが大きかった。感謝の価値を知って、私の修業時代は終わりました」

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『一流たちの修業時代』、野地秩嘉・著、光文社
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◆目次◆

1.創業者の気骨
2.アーティストの世界
3.職人たちの魂
4.トップ営業マンの頭脳
5.異なる環境に飛び込んだ者たち

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