『マネー・ボール』マイケル・ルイス・著 Vol.2669


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【本日映画公開!】
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本日の一冊は、本日2011年11月11日公開の映画「マネー・ボール」の原作。

随分昔に読んだものが文庫化されていたので、改めて買って読んでみました。

著者のマイケル・ルイスは、自身のソロモン・ブラザーズでの体験をもとに書いた世界的ベストセラー『ライアーズ・ポーカー』で知られるアメリカの人気作家。

ちなみにこの『ライアーズ・ポーカー』は、マネックス証券の代表取締役社長CEO、松本大さんも愛読している一冊です。

※参考:『ライアーズ・ポーカー』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4775970623/

そんなマイケル・ルイスが目をつけたのが、米メジャーリーグの貧乏球団、オークランド・アスレチックス。

ニューヨーク・ヤンキースなどの金持ち球団に比べ、はるかに資金力で劣るアスレチックスが、なぜ2000年、2001年にトップレベルの勝利数を誇り、ヤンキースを追い詰めるに至ったのか。

本書は、その秘密に迫る、じつに刺激的な一冊です。

かつて将来を嘱望されながら、メジャーで活躍できなかったビリー・ビーンが、ゼネラルマネジャーとなって、球団を勝利に導く。

ワクワクする展開と、ビジネスにも応用できる科学的、ファイナンス的思考が魅力の一冊。

ぜひ映画と併せてチェックしてみてください。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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2000年から2002年までを平均すると、オークランド・アスレチックスは、約50万ドルで1勝できた計算になる。100万ドル未満で1勝したチームは、ほかにはミネソタ・ツインズ(67万5000ドル)しかない

スカウト業界にはポールの興味をそそる特徴がいくつかある。第一に、野球経験があるスカウトはつい、必要以上に自己経験と照らし合わせて考えようとする。(中略)第二に、スカウトは、選手の最近の成績ばかりを重視する傾向がある。(中略)第三に、目で見た内容、見たと信じ込んでいる内容には、じつは偏見が含まれている

ポールが、ケビン・ユーキリスという大学生選手を一度見ておいたほうがいい、と助言した際も、グレイディたちは取り合わなかった。太った三塁手だろ。足が遅いし、守備もスローイングも悪い。どうしてそんなやつを見に行かなきゃいけないんだ?(もし3ヵ月後に同じ質問を受けたら、ポールはこんなふうに説明できただろう。出塁率が全プロ野球選手のなかでバリー・ボンズに次ぐ2番目だからだ、と

「パワーは練習で補える」とビリーがすかさず言う。「いい打者がパワーをつけるのは難しくない。逆に、パワーヒッターが打率を上げようとすると難しいが……」

足の速さ、守備のうまさ、身体能力の高さは、とかく過大評価されがちだ

ストライクゾーンをコントロールできる能力こそが、じつは、将来成功する可能性と最もつながりが深い。そして、ストライクゾーンをあやつる術を身につけているかどうか、一番わかりやすい指標が四球の数なのだ

たとえば、得点力を評価する場合、チームの平均打率に注目するのがこれまでの常識だった。ところが、冷静に比較分析してみると、チームの総得点と平均打率は関連が薄い。むしろ、出塁率や長打率のほうが、総得点とはるかに密接なつながりを持っている

得点数=(安打数+四球数)×塁打数÷(打数+四球数)

他球団はほぼすべて同じような視点で市場を眺めている。20人の指名候補選手をリストアップして、3人つかまえられれば上出来とみ
なす。ところがアスレチックスは、7人も1位指名できたうえ、ゼネラルマネジャーが選手をまったく独自の物差しで評価する

アスレチックスのさまざまなマーケティング調査によれば、ファンが一番重視するのは、やはり勝ち星だ。無名選手を集めて勝利すれば、ファンが増え始め、やがて無名選手が有名選手になる

なんなら、平均よりちょっと上の実力を持つ投手にクローザーをまかせ、セーブポイントをたっぷり稼がせて、高く売り払うことだってできる

科学で武装した優秀な経営陣がいれば、きわめて安くて強いチームを作れる

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『マネー・ボール』マイケル・ルイス・著 武田ランダムハウスジャパン
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◆目次◆

第1章 才能という名の呪い
第2章 メジャーリーガーはどこにいる
第3章 悟り
第4章 フィールド・オブ・ナンセンス
第5章 ジェレミー・ブラウン狂騒曲
第6章 不公平に打ち克つ科学
第7章 ジオンビーの穴
第8章 ゴロさばき機械
第9章 トレードのからくり
第10章 サブマリナー誕生
第11章 人をあやつる糸
第12章 ひらめきを乗せた船

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