『マネーと常識 投資信託で勝ち残る道』


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本日の一冊は、世界初のインデックスファンドを創設した、バンガード・グループの創業者、ジョン・ボーグルによる一冊。

著者の主張を知っている人には既知の内容が多いと思いますが、要はアクティブファンドの実績のふがいなさと、それに対するインデックスファンドの優位性を説いた内容です。

著者によれば、投資ゲームにおける確実な勝者は、「証券会社や投資銀行のスタッフ、ファンドマネジャー、マーケティング担当者、弁護士、会計士」であり、常に胴元が勝つ、という黄金原則が、ここでも適用されることを指摘しています。

結局、投資において大切なのは不要なコストを避けることであり、
どんなに優れたファンドマネジャーでも、インデックスファンドを
超える運用はできないようです。

インデックスファンドを買うべき、という主張以外にも、本書から
学べることは数多くあります。

欲望の奴隷となった人が騙されるということ、「膨れた財布は優れ
たリターンの敵である」(ウォーレン・バフェット)ということ、
そして、投資においては、干草のなかの針を見つけるよりも、干草
そのものを買う方が合理的であるということ…。

ギャンブルとしての投資の魅力は否定しませんが、それだと長期で
勝てないことも事実です。

自らの資産を長期にわたって着実に増やしたい方には、教養として
ぜひ読んで欲しい一冊です。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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真ん中にいて、金融システムの運営に携わっている人々――証券会
社や投資銀行のスタッフ、ファンドマネジャー、マーケティング担
当者、弁護士、会計士が、投資ゲームにおいて唯一の確かな勝者で
ある。常に金融の胴元が勝つのである。ギャンブルでは、常にカジ
ノが勝つ。競馬では、常に競馬場が勝つ。パワーボールでは、常に
州が勝つ。投資も同じことだ

頻繁に売買する投資家は失敗する運命にあり、ほとんど売買しない
投資家のほうがまだ、市場と同程度のリターンを手にする望みがある

ひとたび投資したらゲームから離脱し、不要なコストをまったく支
払わない投資家は、成功の可能性がとても高い

投資ビジネスに携わる者にとって、金持ちへの道は、「足を止めて
いるだけではだめだ。何かをしなくてはいけない」と顧客に納得さ
せることである。しかし、顧客全体にとっての金持ちへの道はその
反対で、「何もするな。足を止めていろ」である

投資家の感情の揺らぎを正確に予測することはできない。しかし、
投資の経済学に基づいた長期的な予測は、非常に高い確率で成功を
もたらす

最初のインデックスファンドに一九七六年時点で一万五〇〇〇ドル
投資していれば、その価値は二〇〇六年には四六万一七七一ドルに
なっている

非常に多くのコストが目に触れないように隠されている(銘柄入れ
替えの売買コスト、販売手数料の認識されない影響、実現益に課せ
られる税金)

大いなる楽観と欲望に燃え、投資信託業者の策略に乗せられた投資
家たちは、自分たちの貯蓄を強気相場のピークにおいて株式ファン
ドに注ぎ込んだ

アクティブ運用の投資信託は、驚くほど税効率が悪い

ウォーレン・バフェットが釘を刺しているように、「膨れた財布は
優れたリターンの敵である」

干草のなかの針を見つけるような無駄なことはするな。ただ干草を
買えばいい

普通のヘッジファンドだって高すぎるのだから、さらにコストがか
かるファンド・オブ・ファンズがどんなに割に合わないか、考えて
みてほしい

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『マネーと常識 投資信託で勝ち残る道』
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┃▼目次▼
┃ 
┃ 序 章 「勝者のゲーム」を「敗者のゲーム」にしてはいけない
┃ 第一章 寓話ゴットロックス家の物語
┃ 第二章 根拠ある熱狂 
┃ 第三章 企業と運命をともにする
┃ 第四章 なぜ「勝者のゲーム」を「敗者のゲーム」にしてしまうのか
┃ 第五章 大いなる幻想
┃ 第六章 税金もコストである
┃ 第七章 よき時代が続かないとするなら
┃ 第八章 長期の勝者を選択する
┃ 第九章 今日の勝者は明日の敗者
┃ 第一〇章 助言は必要ですか? 
┃ 第一一章 低コストのファンドに注目せよ
┃ 第一二章 単純であることのすばらしさ
┃ 第一三章 債券ファンドとマネーマーケット・ファンド
┃ 第一四章 市場に打ち勝つインデックスファンド
┃ 第一五章 上場投資信託(ETF)
┃ 第一六章 ベンジャミン・グラハムとインデックス運用
┃ 第一七章 復習 簡単な数字の冷徹なルール
┃ 第一八章 いま何をすべきか
┃ 謝辞
┃ 訳者あとがき
┃  
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