『プロフェッショナルを演じる仕事術』若林計志・著 Vol.2649


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【成長する人の「教わる」力】
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以前読んだ、福岡伸一さんの『動的平衡』に、こんな記述がありました。

<美しい肌を作るのに必要なタンパク質を摂るのに何もコラーゲン
を食べる必要はないし、むしろ消化ということを考えた場合、コラ
ーゲンはあまり効率よく消化されないタンパク質>

※参考:『動的平衡』
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われわれは、健康に良い食材があれば、その栄養素がそのまま自分のものになる、という幻想にとらわれがちです。

これは、勉強でも仕事でも同じこと。

たとえ教師がどんなに優秀でも、教科書がどんなに優れていても、受け手に「受容する力」がなければ、吸収することは不可能です。

本日ご紹介する一冊は、そんな学び手の「受容する力」を高めてくれる一冊。

著者は、大前研一氏が主宰するビジネス・ブレークスルーボンド大学大学院ビジネススクールMBAプログラム(長い!)のリーダーを務める若林計志氏。

冒頭で、「同調圧力」や「ピグマリオン効果」など、人間の学びを妨げる、あるいは促進する心理原則を紹介し、その後、「行動フレームワーク」「思考フレームワーク」「精神フレームワーク」という3段階の学びのステップを説明。

さらにマクドナルドのスタッフ教育や、落語家の例を挙げながら、模倣することのすごさを説明しています。

本書にも再三、出てくる話ですが、できない人ほど素直さに欠け、嫉妬で人を引きずり降ろそうとする。

では、どうやったら凡人がプライドを捨て、優れた人の真似をすることができるのか。

本書には、その具体的な方法論が示されています。

これから自分を高めていこうという若い人には、ぜひ読んでいただきたい一冊です。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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人は日常生活で何かの役を与えられ、その役を演じているうちに、だんだんと感情移入していきます。そして最後には元々の自分の性格がどうであろうと、その役と本当の自分が同化していく事が実験によって証明されたのです

「人々を幸せにしたい」「もっと世の中を便利にしたい」というビジョン(ストーリー)をかかげた起業家のもとに、人々が集まってくるのは「この人の語る未来を自分も見てみたい」と思うからです。テレビドラマをかかさず見るように、主人公が困難に遭遇し、それをどう乗り越えるかという物語を見てみたい。ただ主人公(=起業家)が困難を乗り越えられずに挫折してしまうと、中途半端な所で“最終回”になってしまいます。そうならないためにも、周りの人が支援の手を差し伸べて応援するのです。それによって今度は主人公にピグマリオン効果が働きます

実験結果によれば、サクラが3名以上になると強い「同調圧力」(集団圧力)が働き、30%以上の被験者がサクラに引っぱられて誤った回答をしてしまう事、さらに80%近くが少なくとも一回は間違った回答をしてしまう事が分かっています

ビジネスの多くは新しい「役」を売る事で成り立っている

人気のある先生の授業に教科書から脱線したように見える余談やこぼれ話が多いのは、このように教科書から失われた物語を補っているからです

「学ぶとはそもそも何をしようとしている行為か」と考えると、優れた人が生み出した情報処理の「型」を習得する事に他なりません。脳科学的に言えば、一流と同じ脳神経(ニューロン)の回路を自分の頭の中に作る事です

(優れたスタッフの)ビデオを見たクルーの反応は意外なものでした。売上のよくないクルーほど「あのやり方は嫌い」という否定的な意見を持っていたのです

リピーターが多い事で知られる東京ディズニーランド(TDL)も、この「精神フレームワーク」をきっちり鍛えており、その成果は東日本大震災時にいかんなく発揮されました。地震発生直後に、園内ではすぐに的確なアナウンスが行われ、現場スタッフの迅速な指示により安全が確保されました。また園内では防災ずきんの代わりにぬいぐるみが配られたり、非常食として売り物のクッキーが配布されたりするなど、後に来園者(ゲスト)に絶賛されるような対応が各所で行われました。そして驚くべき事は、その対応の多くがマニュアルではなく、現場の判断で行われたという事です

達成動機は、自分の視点を「行動フレームワーク」から「思考フレームワーク」へ、そして「思考フレームワーク」から「精神フレームワーク」へと引き上げる力を持っています

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『プロフェッショナルを演じる仕事術』若林計志・著 PHP研究所
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◆目次◆

第1章 取調室でカツ丼を食べる謎
第2章 ストーリーはどこからやってくるか
第3章 プロフェッショナルのスゴさを「見える化」する
第4章 仕事をゲームに変える方法
第5章 「負ける技術」を身につける
第6章 トイレを磨くと儲かるか
第7章 プロフェッショナルからの正しい学び方

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