『ヒットの神様』内田耀一、コイケジュンコ・著 Vol.2818


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【昭和のカリスママーケター】
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「違いがわかる男のゴールドブレンド」
「がんこな汚れにザブ」
「ピンクの小粒、コーラック」

いずれも有名となった広告コピーですが、じつはこれらのコピーは、すべて同一人物によるもの。

本日フィーチャーする故・内田耀一氏は、これらのコピーのほかにも、シッカロールやジャルパック、チキンラーメン、マキロン、ヴィックスヴェポラッブなど、さまざまな商品をブレイクさせた、昭和のカリスママーケターです。

定性調査に基づく洞察から、それまでにない売り方を提案し、ありとあらゆる商品を売りまくったエピソードは、まさに驚愕。

正直、扱う人物の偉大さに比して、ライターの実力不足は否めませんが、それを差し引いても、読むべき内容です。

イメージカラー調査から、赤ちゃんのイメージにピッタリのパステルカラーのピンク・クリーム・ブルーを考案したり、「レミーマルタン」の販売促進に銀座高級クラブを活用したり、錠剤を「ピンクの小粒」にして「コーラック」を大ヒット商品にしたり…。

優れたアイデアの数々には、舌を巻くばかりです。

「モノが売れない時代」と言われて久しいですが、おそらくそのうちの大半は、努力不足によるもの。

試行錯誤する前に、調べる。投資する前に、顧客に聞く。

本書は、アイデアを生むのになぜ調査が大切か、その理由を示してくれています。

閉塞感を打破するために、ぜひ読んでおきたい一冊です。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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お母さんの赤ちゃんに対する様々な“行為”のイメージカラーは、すべてトーンが同じでした。「赤ちゃんに授乳しているときのイメージ」では、淡いピンクかクリーム色。「おむつを替えているときのイメージ」は、淡いブルーかクリーム色

「恥ずかしい」ものに、商品開発のチャンスあり

何とか無事に役目を果たして得た結果は、実に新鮮で興味深いものでした。当時の女性たちにとって、ブラジャーは「普段着」ではなく、「外出着」だったのです

「男性のもの」「女性のもの」という既成概念を取り払ってみると、ヒット商品になることが往々にしてある

◆チョコレートの調査設計
1.現在市販されているチョコレートがどんなふうに受けとられているのかを正確に知ること
2.広告・宣伝をすること
3.「美味しい」と実感できること、そしてその美味しさが「購買意欲を喚起する」ことにつながるかを確認すること

いっそのことチョコレートと洋酒を一緒にしたらどうか? と私は考えました(中略)こうして誕生したのが、「大人の男はチョコを食べない」という「常識を否定」したロッテの「バッカス」でした

一見、全く無関係に思えるものを結びつけること、つまり、誰も思いつかないようなものを結びつける発想力は、どんなビジネスにおいても重要です

マーケティング的には、客にレミーマルタンをボトルキープさせたら、ホステスさんにキャッシュバックをしてあげる。さらに、それが貯まると代理店からお店にもインセンティブとしてキャッシュバックされる、という仕組みにしたのです

◆コーラックのマーケティング
数種のピンクの小さな錠剤(ダミー)を用意して、女性たちの意見を聞くことにしました。なんと、ほとんど全員が、ピンクの小粒を見て、興奮気味に「かわいい」「食べちゃいたい」と、反応したのです(中略)
女性にとってプラスイメージの「サラダ」を入り口にして納得感を与える(中略)
「サラダを食べて、それでもだめなら、コーラックを」とうたえば、抵抗がなくなるのではないか、と考えたのです

火力の強いガスストーブが普及し始めていましたから、「ブルーフレーム」の店頭調査と合わせ、「将来は暖房器具の性能が向上し、さらに普及する」と、購買者の行動分析から予測を立てました。その結果、アイスクリームの将来性については、「暖房器具の普及につれて、冬場でも家庭でアイスクリームを食べるようになる」と報告したのです

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『ヒットの神様』内田耀一、コイケジュンコ・著 幻冬舎
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◆目次◆

第一章 1963(昭和38)年~
「マーケティング」という言葉がなかった時代の商品開発
第二章 1965(昭和40)年~
ベビーブーマーの受験戦争とサザエさん、カップラーメンの登場
第三章 1970(昭和45)年~
豊かさへの道を歩む日本と商品コンセプト概念の確立

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