『ソーシャル消費の時代』上條典夫・著 vol.1784


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【2015年の消費はどうなるか?】
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本日ご紹介する一冊は、電通ソーシャル・プランニング局長で、かつて「アムラー」などの流行語を編み出した流行文化分析のプロフェッショナル、上條典夫さんによる一冊です。

サブタイトルに「2015年のビジネス・パラダイム」とあるように、著者が2015年の消費トレンドを予測したもので、データに基づく分析、若者や団塊世代のニーズ、具体的なビジネス提案などが読ませてくれます。

「クール」よりも「グリーン」を目指す生き方、結婚に慎重になるあまり生まれる「仮婚」ブーム、40代以上向けの美容市場、マイクロビジネスブームが拓く「誰でも社長時代」…。

あまりに突飛過ぎて、これはどうかと思うアイデアもありますが、話が具体的な分だけ、こちらの発想を刺激してくれます。

気の利いた経営者、マーケターであれば、きっとここから6年後のビジネスアイデアを発想できるに違いありません。

個人的に、電通の方が「もともと、ケータイは『淋しさを助長するメディア』として発展してきた」などと言うのはどうかと思いますが、善悪を別にすれば、この現実的な分析こそが、本書の最大の読みどころです。

次なるビジネスのヒントとして、ぜひ読んでみてください。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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◆ソーシャル消費
環境に配慮しながら、古着でおしゃれをする。地産地消でおいしく食べ、地元の農業を支える。ネットでフェアトレードの商品を購入する。地域活動に積極参加することによって、健康を維持する……。

具体的には、このような消費である

内閣府の調査によれば、男子の半数以上、女子の6割以上が「1日に11通以上」のメールを発信している。そして女子では「1日に21回以上」が4割を超えている

従来の「アイデンティティ型自己モデル」ではなく、状況に応じてキャラを使い分ける「キャラ型自己モデル」が好まれている

2015年頃には、特に若者たちの間で、「クール」に代わって新たに「カッコよさ」「正しさ」を表す言葉が広く使われるようになっているだろう。その言葉とは「グリーン」だ。もともと「グリーン」は、環境に配慮した行動や信条、商品などをポジティブに形容する言葉だったが、その適用範囲が拡大し、エコロジーとは直接関係ないことについても“It’s green!”といわれるのが最大の賛辞になる

◆連想消費が飛躍的に活発になる
1.コンビネーション連想消費
2.類似カテゴリー連想消費
3.ストーリー連想消費

現在の男性20代は、前述の通り自宅志向が強く、遊び人的な要素が少ない。彼らに向けた商品やサービスも、インドア志向で、スモールワールド志向でなければならない

「仮婚→婚約→結婚」というステップが、愛する2人にとってのメインストリームとして定着する

2008年は、世界的にグレーやネイビー、パープルといった色がトレンドでした。これらの色は、古くは1930年代、70年代、そしてバブル崩壊直後にも流行しました。その後には、ほぼ必ずテロや紛争、経済危機など、文字通り世界を揺るがす大事件や歴史的変革が起こっています

2015年以降には団塊世代が70代に突入し、彼らを軸とした大きな市場が誕生する。次いで人口の多い団塊ジュニアも2015年には40代を迎え、ポスト団塊・新人類世代もそれぞれ60代、50代に近づいてい
く。人口構造の変化から見ても、40代以上向けの美容市場がさらに拡大することは間違いない

モノ余りの時代には、モノの価値は相対的に下がらざるをえない。そこでは、モノそのものより、モノがココロと結ばれるまでの「過程段階」や「波及効果」の価値が高まる

バブル期のように「価格が高いことがカッコいい=カネで買う非日常の重視」ではなく、「手足を動かしてやりたいことに熱中するのがカッコいい=自分で創る日常の重視」を基本スタンスとする人々

マイクロビジネスブームが拓く<誰でも社長時代>

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『ソーシャル消費の時代』講談社 上條典夫・著
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4062821079
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◆目次◆
はじめに
Part1 若者観測 ココロも人間関係もフラット化していく男女
Part2 シニア観測 細胞の代謝で延びてゆく青春時代
Part3 ファミリー観測 拡大する「食の絆」と「父親の家庭力」
Part4 情報社会観測 文化・技術の底力が市場をジャパンシフトさせる
Part5 コミュニティ観測 新しい信頼関係が人の心と身体を活性化させる
Part6 観光力観測 グローバル時代における、新しい日本の魅力
Part7 環境社会観測 「サステナブル消費の時代」を創造する
おわりに

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