2009年11月20日
『スノーボール(上)(下)』 アリス・シュローダー・著 vol.1950
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【注目!ウォーレン・バフェット初公認の伝記】
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偉人たちが得た人生の教訓をわずか数千円で得られる。
──じつに素晴らしいことですね。
ただ、実際にその教訓を受け止め、活用するためには、どんな人生の文脈でその教訓が生まれたのかを知る必要があります。
本日ご紹介する一冊は、世界一の大投資家でありながら、自著が一冊も出ていないという謎めいた人物、ウォーレン・バフェットの、初公認の伝記。
決して自伝を書かないと公言してきたバフェットが、ただ一人心を許した著者、アリス・シュローダー。
本書は、そのシュローダーが、何とバフェット本人に計300時間のインタビューをし、さらに家族・友人など関係者250名以上に取材して作ったという、まさにバフェット伝の決定版です。
完成までに5年を費やしたというだけに、上下巻トータルで約1400ページと、ボリュームも半端じゃない。
土井も、丸一日かけて読んで、もうヘトヘトです。
しかしながら、天才バフェットがどのようにして作られていったかという細かな過程は、本書でしか得られません。
これまで断片的にしか知られていなかったバフェットの真実がついに明るみに出たということで、本書は全米でもベストセラーランキング1位に輝いています。
名言家として知られるバフェットの名ゼリフや、目から鱗の考え方、そして個性あふれる言動に、思わず引き込まれてしまう、そんな一冊です。
投資の哲学や実践ノウハウを期待する向きにはややまだるっこしい内容ですが、これまで謎のベールに包まれていたバフェットの真実を知るには、最適の一冊。
この冬休みにでも気合い入れて読んでみましょう。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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【上巻】
「投資とは、消費を延期することです。いまお金を出して、あとでもっと大きなお金になって戻ってくるわけです。ほんとうに大事な問題はふたつだけです。ひとつは、どれだけ戻ってくるか、もうひとつは、いつ戻ってくるか」
アメリカの馬の頭数
一九〇〇年 一七〇〇万頭
一九九八年 五〇〇万頭
「正直いって、この期間ずっとバフェット家が馬を空売りしてこなかったのは無念でなりません。敗者というのは、いつの世もいるものですなあ」
「人がどうふるまうかを大きく左右するのは、内なるスコアカードがあるか、それとも外のスコアカードがあるかということなんだ。内なるスコアカードで納得がいけば、それが拠り所になる」
王冠集めに、ウォーレンは取り憑かれていた。無料の情報が手つかずで転がっている──だれもそれを取ろうとしない! すごいと思った。夕食のあと、居間に敷きつめた古新聞の上に王冠をならべて、分類し、数えた。王冠を勘定すると、どの飲み物がいちばん人気があるかがわかった
二番手になって真似をするという人生を送るのは簡単だが、一番手が間違った音を吹いたらそれはだいなしになる
<三つの信条>
1.味方は不可欠である
2.めったなことで誓約などしてはならない
3.人目を惹く派手な行為でなにかを成就できることはまれである
バフェット、マンガー、ゲリンは、お金についてあらゆる状況を逆の立場から見ることができた。どこかで交換スタンプを渡されたら、それをひっくりかえして考える。「そうか、交換スタンプをもらうよりも、交換スタンプ会社を所有したほうが得に違いない」
【下巻】
「インフレの局面では、規制さえされていなければ、有料の橋を所有するのはすばらしい」
「名声は繊細な磁器のようなものだ──買うときは高いが、簡単に壊れる」
「ピラミッド建設用に石を運ぶ人々に雇用をあたえるのはすばらしいことだと考える人々もいます。その連中は間違いを犯しています。それは生産的ではない。そういう人々は、投入するものだけを考え、生み出されるものについて考えていません」
ふたり(バフェットとマンガー)の定義では、リスクとは損をすることではなかった。ふたりにとってのリスクとは、「資産を保有する時間枠と切り離せないもの」であった。何年間も資産を持っているつもりであれば、ボラティリティなど無視できる。しかし、レバレッジを利用するとそんな余裕はない。レバレッジにはコストがかかるからだ。それに、資金の貸し手(借り手ではなく)の時間枠がローンの期間を決定する。だから、レバレッジには選択肢を奪われるというリスクがある
「会社のために働いて損害を出すのは理解できます。しかし、会社の評判をすこしでも損ねたら容赦しません」
「自分は一生に二〇回しかパンチを入れてもらえないカードだと考える。財務的な決定一回につき一度のパンチだ。小さなものにちょこちょこ手を出すのは控えるようになる」
バフェットは、安いからといって他人がほしがっているものを買ったことはほとんどない。そうではなく、他人がほしがらないもの、手放したほうがましだと思われているものを買ってきた
「どういうところで働けばいいでしょうかとよくきかれますが、いちばん尊敬している人のところで働くべきだと、いつも助言します」時間も人生も無駄にしてはいけない、と説いた。「履歴書を飾り立てるためにつなぎの仕事をするのは馬鹿げています。それは齢とったときのためにセックスの回数を温存するようなものです。自分の大好きなことをやり、もっとも尊敬している人のところで働きなさい。そうすれば、人生で最高のチャンスを得ることができます」(ジョージア大学テリー・カレッジ・オブ・ビジネスでの講演)
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『スノーボール(上)(下)』日本経済新聞出版社 アリス・シュローダー・著
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◆目次◆
【以下、上巻】
第1部 バブル
第1章 格好悪いほうの話
第2章 サン・バレー
第3章 習慣の生き物
第4章 ウォーレン、どうしたんだ?
第1部 内なるスコアカード
第5章 説教癖
第6章 バスタブ障害物競走
第7章 休戦記念日
第8章 一〇〇〇の方法
第9章 インクに染まった指
第10章 犯罪実話
第11章 彼女はずんぐり【パッジイ】じゃない
第12章 <サイレント・セールス>
第13章 競馬場の原則【ルール】
第14章 象
第15章 面接
第16章 ワン・ストライク
第17章 エベレスト山
第18章 ミス・ネブラスカ
第19章 舞台負け
第3部 競馬場
第20章 グレアム‐ニューマン
第21章 どちらの側に立つか
第22章 隠れた輝き
第23章 オマハ・クラブ
第24章 機関車
第25章 風車戦争
第26章 黄金の干草の山
第27章 愚挙
第28章 乾いた火口
第29章 梳毛とはなにか
第30章 ジェット・ジャック
第31章 絞首台が未来を揺らす
第32章 楽で、安全で、儲かって、楽しい物事
第33章 店じまい
第4部 歌うスージー
第34章 キャンディー・ハリー
第35章 《オマハ・サン》
第36章 二匹の濡れネズミ
第37章 新聞屋
第38章 マカロニ・ウエスタン
第39章 巨人
【以下、下巻】
第40章 公立図書館を運営しているのではない
第41章 さあ、それで?
第42章 一等賞の青リボン
第5部 ウォール街の王様
第43章 ファラオ
第44章 ローズ
第45章 レッカー車を呼んでこい
第46章 ルビコン川
第47章 白夜【ホワイトナイト】
第48章 親指しゃぶりで頬がこける
第49章 怒れる神々
第50章 宝くじ
第51章 クマなんかどうでもいい
第52章 ニワトリの餌
第6部 預り証
第53章 精霊【ジン】
第54章 セミコロン
第55章 最後のケイ・パーティ
第56章 金持ちによる、金持ちのための
第57章 オマハの賢人
第58章 心乱れて
第59章 冬
第60章 フローズン・コーク
第61章 第七の炎
第62章 預り証
その後
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