『コークの味は国ごとに違うべきか』パンカジ・ゲマワット・著


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【HBS史上最年少教授による衝撃の結論!】
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本日の一冊は、史上最年少でハーバード・ビジネススクールの教授となった秀才、パンカジ・ゲマワットが、「フラット化しない世界」を論じた一冊。

グローバルビジネスで成功するには、著者いわく、「市場の規模やボーダレスな世界の錯覚に惑わされず、(中略)戦略の策定や評価にあたって国ごとに根強く残る差異を真剣に受け取るべきである」。

では、どんな差異が経営に影響を与えるのか。グローバル展開して成功している企業とそうでない企業にはどんな違いがあるのか。

本書で得られる知見は、グローバル企業に限らず、国内の他地域に進出しようとする企業にとっても参考になります。

なぜグーグルはロシアでライバルに91%ものシェアを奪われているのか、なぜウォルマートは海外で儲かっていないのか、なぜレゴは後発メーカーの追随を許したのか。

さまざまな企業の失敗例、成功例を読むことで、ビジネスを拡大する際の注意点とチャンスが見える、じつに刺激的な一冊です。

なかでも興味深かったのは、文化、制度、地理、経済がビジネスの成否に大きくかかわっていることを示したグラフ。

土井はこのグラフを見ただけで、かなり大きなビジネスのヒントをいただきました。

経営者であれば、これは買っておいて損はありません。

もちろん、学者が書いた本ですので、多少難解な部分はあります。しかし、それを考慮しても、本書には一読の価値があります。

ぜひ読んでみてください。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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市場の規模やボーダレスな世界の錯覚に惑わされず、国境をうまく越えたいと思うなら、経営者は戦略の策定や評価にあたって国ごとに根強く残る差異を真剣に受け取るべきである

グーグルの共同創設者セルゲイ・ブリンの祖国ロシアにおける同社のリーチは二〇〇六年で二八%にすぎず、検索サービス大手であるヤンデックスの六四%、ランブラーの五三%に大きく水をあけられている。これら二社は、ウェブ検索にリンクした広告でロシア市場の九一%を占める

経済という世界では、開放政策は逆行しないというサックスとワーナーの前提を覆す証拠を見つけるのはたやすい

なんらかの形で有利な点という防波堤を持っていなければ、海外に進出する標準的な企業はもっと大きな間違いを犯しかねないし、ましてやその後立ち直るのはさらに困難だろう

国際的な差異(文化、制度、地理、経済)のうち、自分の業界ではどれが重要かを見極め、「差の差」を測るべし

ウォルマートは、自社の基本的なビジネスモデルをアメリカから海外にも応用し、アメリカと差異の大きい国よりも、アメリカと類似した国々で成功した

視聴者はたとえ外国語が理解できても、選択肢があれば現地語のコンテンツを強く選好する

セメックスの主要各市場における営業利益とその市場の市場シェアには明らかに相関関係がある。そんな相関が現れるのは、事業の効率が高いおかげではなく、むしろ交渉力が高いおかげだ

コストの削減だけでなくコストの増加も考慮する

アメリカの製造業では、人件費が売上高の一七%だと下位四分の一で、二三%なら平均、三一%なら上位四分の一に入る

冷蔵庫で言えば、アメリカ人と比較してドイツ人は肉の収納スペースが大きい製品を好み、イタリア人は野菜専用室があるものを好み、インド人はベジタリアンもそうでない家庭も、においが混じらないような構造を望む
地理的範囲を意図的に制約すれば、自国の価値基準を少しだけ適応させればすむような国に焦点を絞ることができる

ベニハナは同社が「食の娯楽」と呼び、巷では似非日本食と称されるパフォーマンス付き鉄板焼を出しているが、世界中に一〇〇以上ある店舗のうち日本は一箇所だけで、ほとんどはアメリカにある

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『コークの味は国ごとに違うべきか』文藝春秋 パンカジ・ゲマワット・著
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4163713700
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◆目次◆
序文
はじめに
第一部 フラット化しない世界
第一章 コークの味は国ごとに違うべきか
第二章 ウォルマートは外国であまり儲けていない
第三章 ハーゲンダッツはヨーロッパの会社ではない
第二部 国ごとの違いを成功につなぐ
第四章 インドのマクドナルドには羊バーガーがある
第五章 トヨタの生産ネットワークはここがすごい
第六章 だからレゴは後発メーカーの追随を許した
第七章 IBMはなぜ新興国の社員を3倍にしたか
第八章 世界で成功するための5つのステップ
謝辞
注釈
訳者あとがき
参考文献
企業名索引

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