『ケチャップの謎』マルコム・グラッドウェル・著 vol.2182


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【M・グラッドウェルの歴史的名コラム×6】
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本日の一冊は、『The Tipping Point』『Blink』『Outliers』などの著書で知られる名コラムニスト、マルコム・グラッドウェルによる注目の新刊。

あの勝間和代さんが、翻訳を担当しています。

雑誌「ニューヨーカー」に掲載された歴史的名コラムを計6本、紹介したもので、内容は、「マイナーな世界の天才たち」の物語。

テレビ通販の歴史を変えたロン・ポピールや、アメリカのケチャップ市場を支配したハインツ、ヘアカラー商品の歴史を変えた2人の女性天才コピーライターなど、他では絶対に読めない話がいくつか入っています。

ビジネスの気づきとしては、いくつか使える洞察がある程度ですが、個性的なビジネスマンの物語としては、十分楽しめます。

書き手の目線からは、これだけ込み入った話を、短く、シンプルにまとめつつ、読ませてしまうグラッドウェルの手腕にも、注目したいところです。

この手の切り口の本は、日本版が出てもいいかもしれませんね。

ちょっと日本のビジネス書にはない切り口で、とても斬新でした。

ぜひ読んでみてください。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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アイデアを見つける秘訣は、たとえ相手が誰であろうと、たとえ何であっても「語られるに値する」物語がある、と自分に思い込ませることにある

アイデアを見つけるもうひとつの秘訣は、権力と知識の違いを理解することだ

優れた文章かどうかは、読む者を引きずりこみ、何かを考えさせ、誰かの頭の中を“垣間見せる”力によって決まる

五〇人の観客のうち、商品を買おうと二五人が前に出てきたら、優れた実演販売人は、まず二〇人にだけ売る。そして残りの五人にはこう言うのだ。「ちょっと待って! ほかにも見せたいものがあるんですよ!」そして、多少の変化をつけて再び実演をはじめる。すると残った五人が次の見物客の中心となり、その周りに再び人が集まる。その五人が早くお金を払おうとして近づいてくるのにつられて、もう一度、商品が飛ぶように売れはじめるというわけだ

「やつらは『なぜだ? あんたはスライサーの使い方だってよく知らなかったのに』と言うんだ。『でも、私は君たちよりずっとよく知ってることがあるよ』と言うと、『それはなんだ?』と訊いてきた。だから言ってやったよ。『お金の払わせ方だ』って。それこそがすべての商売の秘訣だよ」

「商品を主役に仕立て上げる」。それは、ロンが決して忘れたことのない教訓だ

人間には五種類の基本的な味覚がある。甘味、酸味、塩味、苦味、旨味である(中略)ハインツがつくり出したのは、その五つの原始的なボタンを押す調味料だった

「白い白鳥をどれほど多く見たとしても、すべての白鳥が白いという結論は導けない。だが、たった一羽の黒い白鳥(ブラックスワン)を見れば、その結論の誤りを証明するには充分である」

マッキャン社でロレアルの担当だったマイケル・セノットが言う。「そのグループの中には、実際に生活の変化を経験している女性もいた。つまり、“離婚”経験者だ。クレイロール社よりも、ロレアル社の商品を使っている女性のほうがずっと離婚率が高かったんだ。子どもがすでに成長し、変化を体験し、女性たちは絶えず自分をつくり変えていた」

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『ケチャップの謎』講談社 マルコム・グラッドウェル・著
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◆目次◆

第1章 TVショッピングの王様
第2章 ケチャップの謎
第3章 ブローイング・アップ(吹っ飛び)の経済学
第4章 本当の髪の色
第5章 ジョン・ロックの誤解
第6章 犬は何を見たのか?

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