『アマチュア論。』


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【】
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昨日、テレビを見ていたら、小笠原の漁業を救った男性の話が紹介されていました。

彼はもともと電機メーカーに勤めていたサラリーマンで、30歳の時に釣好きが高じて漁師に弟子入り。その後、漁師となって捕鯨禁止で大打撃を受けた小笠原の漁業を、カジキ漁で救った伝説の人物です。

今や、小笠原のカジキ漁は年間2億円ほどのビジネスとなっているのですが、本来深海に潜んでいるはずのカジキをどうやって釣ったのか。そこには彼のアマチュア発想がありました。

つまり彼は、エサをおもりで沈めることで、深海のカジキ漁を可能
にしたのです。まさにプロの漁師には思いつかない発想でした。

本日ご紹介する一冊は、まさにこの「アマチュア思考」に関する一冊。

『まれに見るバカ』で一躍話題となった作家の勢古浩爾さんが、大
前研一さんのプロフェッショナル論をはじめ、世間一般で言われる
「プロ」観をバッサリ斬っています。

※参考:『まれに見るバカ』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4862480012/

いわく、「一流の『プロ』はかならず見事な『アマチュア精神』を
持っている」。逆に言えば、どんなにそれで報酬を得ていようと、
使命感や責任感や向上心のために挺身する「アマチュア精神」がな
ければ本当のプロとは言えないということです。

最近はとかくプロフェッショナル論が盛んですので、本書はそうい
う意味で刺激的な批判本になると思います。

プロとなってなおアマチュア精神を持ち続けられるか。仕事人とし
ての課題をズバリ突きつけてくれる、ありがたい本です。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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怠惰で軽率で無責任な「プロ」に欠けているのは、「プロ意識」で
も「プロ根性」でもない。「アマチュア精神」である

こんな安月給でやってられるか、オレは給料分しか働かないんだ、
というのは「プロ」の風上にも置けない。かれに欠けているのは
「プロ意識」ではない。金のためではなく、使命感や責任感や向上
心のために挺身する「アマチュア精神」である

一流の「プロ」はかならず見事な「アマチュア精神」を持っている

「プロフェッショナルの仕事の本分は公益への寄与であり、自らの
収益を追求することではない」「間違ってもその案件によって自分
がどれくらい儲けられるのかという観点を判断基準にしてはならな
い」(波頭亮)

「仕事というのは、あぜ道の草を抜いたり、まだ荒れているところ
を耕したり、すぐにはお金にならないことをやること、つまり先の
ことのために働くこと。結局、いい仕事をしている人というのは、
生業ではなく、仕事をしていた人だと思う」(リリー・フランキー)

われわれ俗人は基本的に人間としては素人である。よくてアマチュ
アである。そのアマチュアからより良きアマチュアになれるかどう
かが人生の課題なのである

人間が絡んでくる場面での論理的思考とその実行は、人間の利害損
得や思惑のすべてを捨てなければ成立しない

シンキングばかりが大切なのではない。もっと大切なことは、「何
とかなる」という耐久力である。いざ実行という段になると、尻ご
みするのは小賢しいプロである。泥臭くやるのがアマチュアである

プロはひとから評価されてはじめてプロである

ある分野ではどんなに優れたプロでも、「自分」に執着したり、自
分に酔いしれて「自分」の利害や感情をすべての頂点に置くような
者は、人間としてはズブの素人であるといわなければならない

テレビも雑誌もあなたと同程度の、しかも赤の他人が作っている。
信用するなら自分の責任で

ホンモノの思考などない。自らの生き方をかけた覚悟の思考がある
だけである

「ならぬものはならぬ」を納得しあわないかぎり人間社会は成立しない

自分を生きるには自分から離れなければならない

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『アマチュア論。』
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┃▼目次▼
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┃ はじめに
┃ 1.みんな「プロ」になりたい?
┃ 2.生きる方法としてのアマチュア
┃ 3.こんな「プロ」はいらない
┃ 4.こんな素人もいらない
┃ 5.こんなアマチュアになりたい
┃ 6.これが負けないアマチュア的思考
┃ 7.アマチュアは人間のゼネラリストである
┃ おわりに
┃ アマチュア論。格言26
┃ 
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