2010年5月14日
『はじめて語られる企画の「虎の巻」』増田宗昭・著vol.2123
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【CCC創業者の視点】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4620319821
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今から14年前の就職活動。土井が直接お会いしたなかで、もっともインパクトがあったのが、CCC(カルチュア・コンビニエンス・
クラブ)の増田社長でした。
レンタルビデオ屋をやって得たデータをもとに、あらゆる企画ビジネスを展開するという野望、これからの時代の見通し、そして働く上で大切な、5W1Hの前に「好きな」をつけて働くという発想…。
(好きな時に、好きな場所で、好きな人と…)
当時学生だった土井には、とても刺激的だったことを覚えています。
あれから14年。現在の土井は、仕事相手としてTSUTAYAさんとお話させていただくこともありますが、あの時の増田社長の展望通りビジネスが形成されているのを見て、再度感心しています。
増田社長のビジネスノウハウを学べる本がないものかと思って探しますが、今度復刊される『情報楽園会社』と本書ぐらいしか書籍では情報がない(共著はあります)。
※参考:『情報楽園会社』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/483544423X
いつか増田社長に質問を浴びせかけて、彼のビジネスノウハウのすべてを盛り込んだ本を作りたいと思ったりもしますが、なかなかチャンスがないので、まずはこの本を紹介しておきます。
本書の冒頭で書かれているように、これからは企画人間の時代。
『Me2.0』的にすべてがつながった社会では、人の価値は人脈力ではなく、「企画力」になるのです。
では、そんな時代において、企画人間として生きていくためには、どんな視点を持たなければならないか。
本書には、それがTSUTAYA、Tカードの実例入りで述べられています。
参考になったのは、
全ての商品はファッション商品となる
全ての産業はファッション産業となる
全てのビジネスはファッション・ビジネスでなければならない
といった浜野安宏さんの『ファッション化社会』の引用と、企画が自分の住む世界の「外」にあるということ。
書籍としては、抽象度が高く、文字数も少ないため、不満だらけの仕上がりですが、なぜわれわれが企画体質になれないのか、その本質がここに書かれていると感じました。
組織を企画体質に生まれ変わらせたい、そんな経営者にこそおすすめの一冊です。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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TSUTAYAが全国に1300店舗以上広がり、日本国民の4分の1以上の3400万人にTカードをもって頂けているのは、それらが新しい顧客価値を生み出すものであり、それこそが「企画」だったから
これからのビジネスパーソンは、お客様のために何ができるかを、主体的に考えてビジネスを創造できる「企画人」でなくてはならない
CCCは、TSUTAYAをやっている会社でもなく、Tポイントをやっている会社でもなく、あくまでも企画会社
全ての商品はファッション商品となる
全ての産業はファッション産業となる
全てのビジネスはファッション・ビジネスでなければならない。
(浜野安宏『ファッション化社会』より)
お客様のためにすべきことは、在庫がゼロになっている商品をリスティングして、それに対応することです。
そのためにはコンピュータシステムが必要だと考えたのです
従業員7人で1億円のコンピュータシステムを導入
全国の約3000万人分の会員データがCCCの本部データベースとして蓄積されるようになりました。
このデータベースをマーケティングに用いることで、CCCは新たな企画を生み出すことができる
会社は慣性の法則で成功が続くと規模は大きくなりますが、それにつれて固定費が大きくなってきます。
社員を雇い、給料を払い、事務所を借りなくてはならないからです。
その固定費を払うために仕事をとらなくてはならなくなります。
そうなると御用聞き的なマーケット・イン型の企画会社になってしまう
オーダーメイド採寸の洋服店で大きくなったところはあまりありません。
オーダーメイドの商品をバラバラにお客様に売るのでは効率が悪い。
一つの強力な企画を作り、それを「規格化」し、それを広範囲に広げるのが効率的です
CCCという会社は、本格的なデータベースマーケティングのプラットフォームをやっている会社なのです。
そのデータベースに、優秀な企画人間である「ヒト」というパーソナルのアイデアを掛け合わせ、他にはない独自の価値観から、独創的で斬新なアイデアや企画提案を生み出したいと考えています
企画会社の場合、オフィスは必要ないのです。これからの会社は、個人用の机もない人間がインスピレーションできるカフェのような環境を作ることが必要です
人は自分の住む世界の「外」をなかなか理解できないものです。
企画というのは、そういう人の理解を超えたところにあります
モノの時代は作ることと運ぶことが、ビジネスでした。でも今、モノ余りの時代に入り、企画がビジネスになりました
「心根」の良い人間こそ、世界一の企画人間になれる
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『はじめて語られる企画の「虎の巻」』毎日新聞社 増田宗昭・著
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4620319821
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◆目次◆
第一章 企画会社のコンセプト
第二章 企画の規格化
第三章 企画のポジショニング
第四章 Tポイントの5つの戦略
第五章 世界一の「企画人間」の条件
第六章 「企画」セオリー20カ条
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