『つながらない生活』ウィリアム・パワーズ・著 Vol.2761


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【「ネット世間」と距離をとる】
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昨年は忙しすぎて行けませんでしたが、今年こそはギリシャに行こうと意気込んでいます。

これは、毎回決めていることですが、土井はギリシャに行く時、携帯電話もパソコンも持っていきません。旅行している間、1~2週間は社員や家族に連絡もしません。

「つながらない」ことによって、深い孤独と思考の時間を手に入れるためです。

本日ご紹介する一冊は、まさにこの「つながらない生活」を推奨する一冊。

つながりが増し、ネットの人間関係に忙殺されるわれわれに、新たな生き方の視点を提供してくれる、デジタル時代の生き方本です。

われわれはつい、つながりや体験の広さを重視してしまいがちですが、本書では、「深さ」の重要性を強調。

プラトンやセネカ、ベンジャミン・フランクリン、ソロー、マクルーハンなどの思想を引きながら、われわれがどうすれば幸福に生きられるか、どうテクノロジーと付き合っていけばいいかを示唆しており、じつに興味深い内容です。

ぜひチェックしてみてください。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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わたしたちはたとえ意識していなくても、ある価値観に沿って暮らしてきた。(1)スクリーンを介してつながるのは好ましく、(2)つながればつながるほど望ましい、という価値観である

何にもまして重要なものが一つある。「奥深さ」である。(中略)人生の一こまに心をとらわれたときの覚醒、情感、会得──それが奥深さの本質である

深みは素晴らしい人生に欠かせないものだし、これを手に入れる資質はことのほか大きな称賛を浴びる。偉大なる芸術家、思想家、リーダーは例外なく、何かのアイデアや使命に「魅入られる」という特異な力を備えていて、立ちはだかる壁をものともせずひたすらビジョンを追求するのである

結局のところ、人間の経験に関しては大多数の人がどうかではなく、一人ひとりの身にその時々で何が起こるかが肝心なのである

多くの人を観察すると、世の中の嗜好がどちらへ向かっているかとか、その時々で誰が何を買っているかは見えてくる。ただし、これは風向きを知るための抜け目なさであって、英知とはまったく異なる

「他人とのあいだにはそもそも距離がある」という事実を受け入れなくてはならない、というのがおおもとの主張だ(ベストセラー自己啓発書『ベスト・フレンド』より)。幸せとは、独りの状態を楽しむ術を知っていること

つながり度合いが増していくにつれて、わたしたちの考えは外界へ外界へと向いていく。自分や身のまわりといった「すぐそば」よりも、賑やかな「離れた世界」で何が起きているかに、しきりに気を取られる

いくつかの推定によると、集中力を回復するのにかかる時間は中断時間の一〇~二〇倍にもおよぶこともあるという。一分間の中断があったせいで回復に一五分もとられるかもしれないわけだ

コンピュータの電源を切りましょう。携帯電話の電源も切って、周囲に溢れる人間らしさを発見したいものです。孫が初めて歩けるようになったときに手を引いてやることは、これ以上ないほどの至福です(グーグル会長兼CEOエリック・シュミット)

プラトンの答えはこうだ。「物理的に距離を置くとよい」。市を取り囲む壁の外へ出て、何時間か人混みを離れよと。ところが奇妙にも、ソクラテスにはその言葉の意味がピンとこない。当時およそ六〇歳だったソクラテスは、長年の経験から、英知や幸せへのたしかな道すじは対話だけであり、相手は多ければ多いほど望ましいと信じ込んでいた

読み書き能力の高いエリート層は、情報の大いなるパラドクスに気づいていた。入手できる情報が増えるにつれて、真の聡明さを身につけるのはむずかしくなっていくのだ

フランクリンは人間の本質を理解し、儀式が効果を生むためには、当人たちがその威力を信じなくてはいけないと悟っていた

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『つながらない生活』ウィリアム・パワーズ・著 プレジデント社
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◆目次◆

プロローグ 巨大な部屋
I つながりに満ちた暮らしのミステリー
II 「適度につながらない」ための知恵
III 落ち着いた生活を取り戻す
エピローグ 再び巨大な部屋

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