『じゃ、やってみれば』阿部秀司・著 Vol.2758


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【「ALWAYS 三丁目の夕日」プロデューサーの哲学とは?】
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本日の一冊は、日本アカデミー賞最優秀作品賞を受賞した大ヒット映画「ALWAYS 三丁目の夕日」のプロデューサー、阿部秀司さんによる一冊。

映画業界の裏側、著者の人生、大ヒット映画の裏舞台、ヒットの法則、プロデュース哲学など、さまざまなトピックをざっくばらんに語った内容ですが、ところどころに、ヒットメイクのヒント、そして著者のクリエイティブにかける熱い思いが込められています。

なかでも興味深いのは、周囲に猛反対された「ALWAYS 三丁目の夕日」のエピソード。

「映画館に最も足を運ばない世代」といわれる団塊世代をターゲットにし、「マーケットがない」と周囲から反対された時、著者は、「マーケットがないなら、そこに自分でマーケットを創ればいいじゃないか」と考えたそうです。

<新しいことを試みようとするときには正解なんてない。でもそこで一番大切になってくるのが、自分の中にだけは“正解”と言えるものを持っているということ>

この言葉は、これから新しいマーケットに挑もうとするビジネスマンに、大きな勇気を与えてくれるに違いありません。

技術的な面でも、タイトルのつけ方やターゲット層の考え方、シナリオを判断する3つの基準など、参考になる部分が多くありました。

さらりとした読み物なので、読み応えという点ではまずまずですが、ヒットメイクのヒントという点では、要チェックの一冊です。

ぜひ読んでみてください。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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ブランドが一人歩きすれば、ブランドに仕事がついてくる

新しいことを試みようとするときには正解なんてない。でもそこで一番大切になってくるのが、自分の中にだけは“正解”と言えるものを持っているということ

僕が現場に行くもう一つの理由は、差し入れである。これは大袈裟なことではないのだが、上に立つ人間が現場にきちんと気づかいをしていることを示すうえでも、差し入れは大切な儀式だと考えている

偉いかどうかなんて、相手が決めることであって、自分で決めることじゃない

「こだわる基準」を設け、「手を抜いたらうるさいぞ」ということをしっかりと打ち出し、影響力は持たないといけない

そう、僕は「朝令暮改の先生」なのだ。「朝令暮改」という言葉はいい言葉だと思う。だいたいなんで朝と夜で意見が違っていてはいけないのか? 世の中は常に動いている。一度として、同じ日、同じ時間は訪れない。「前に言ったことより今言ったことがよければ、それでいいじゃないか」と僕は思っている

「THE」って付くような大きいイメージがあったほうがいい。タイトルはめちゃくちゃ大事だから

◆シナリオを判断する基準
1.読んだシナリオから自分の頭の中に具体的な絵が見えてくるか
2.台詞が自然なこと
3.ディテール

人を育てるうえで大切にしていることが二つある。どんな小さいことでも褒めてあげること。たとえ失敗をしても、それを分析することはあっても、責めないこと

自分の好き嫌いだけでなく、自分の向き不向きも知って、夢を追いかける

成功したら褒められ、失敗すれば怒られる──単純な話だ。だから、「勝てば官軍」。何でもやるからには成功しなければいけないと僕は思っている

僕自身、出る杭は打たれることも経験してきたし、ヒット作に関わったら関わったで、嫉妬ややっかみを受けることもある。でも、そこをうまく切り抜けるのに役立つのが、「まあ、あの人じゃあ、しょうがないなあ」なんて思われる「怒られない能力」だ

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『じゃ、やってみれば』阿部秀司・著 日本実業出版社
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◆目次◆

はじめに 人はみんな自分の人生を創造するプロデューサー
SCENE1 「強い意志」「素早い行動」「ちょっとしたチャンス」で道は開く
SCENE2 「ヒットの方程式」はないが、限りなく近づけることはできる
SCENE3 ものづくりは、すべてディテールからはじまる
SCENE4 思いは最善の手段によって、伝わる・広まる
SCENE5 「才能を見抜く」「人を育てる」正解はないが、基本はある
SCENE6 クリエイティブとビジネスの最大公約数を求める
おわりに 「一二年周期」で訪れる転機の先にあるもの

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