『「20円」で世界をつなぐ仕事』小暮真久・著


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【これからは農ビジネスで稼ぐ!】
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本日の一冊は、マッキンゼーの戦略コンサルタントから社会起業家へ転身を遂げた著者が、社会起業を成功に導くためのポイントを述べた、注目の一冊。

いわゆる無償奉仕ではなく、きちんと報酬を受け取って、ビジネスとして社会にいいことを実践する。

そのための仕組みづくりとNPO運営のヒントが述べられた、そんな一冊です。

著者が事務局長を務めているNPO法人「TABLE FOR TWO International」は、世界の「食の不均衡」是正を目指し、活動している団体。

発展途上国における飢餓の問題と、先進国における飽食、肥満、生活習慣病の問題をともに解決するべく活動している団体のようです。

土井は以前、ある社会起業系の著者のビジネスの実態を知って幻滅したことがあるので、特定の団体を支持するのには慎重ですが、本書で学んでほしいのは、仕事における選択肢の多様性と、どんな分野でもビジネスの基本スキルは役立つんだということ。

実際、元戦略コンサルタントの著者は、「5P」というフレームワークを使ってこの社会事業に挑み、これまでのところ、順調に成果を挙げています。

「ビジネスは人を幸せにするためにある」というのは土井の信条ですが、それを実際に行うには、やはりスキルが重要です。

自伝の部分が不必要に多かったり、内容が冗長だったりして、読み物としてはいまいちですが、人生の選択肢を増やす、という意味では読む価値のある一冊です。

社会起業に興味のある方は、ぜひ読んでみてください。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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就職先や転職先の選択肢として社会事業もある、ということはもっと広く認知されていい

アメリカなど社会事業が仕事として根付いている社会では、大規模なNPOで働くスタッフは一般の企業に勤める人と遜色ない収入を得ているのが普通です

◆「5P」のフレームワーク
1.Purpose(目的・達成目標)
2.Partnering(提携)
3.People(組織・人事)
4.Promotion(宣伝・広報)
5.Profit(利益・成果)

収入を確保するためには同業者よりも価値を発揮しなければ生き残れない、という面があるのはどこの世界も一緒です。ただし、僕は「他の団体と戦って勝つ」という競争の部分よりも、「他の団体がやっていないことを探す」「他の団体にはない活動の特徴を出す」といった差別化の部分が大切だと思っています

社会事業では、「いいことをやっているんだから」という気持ちが強くなり過ぎると、独善や独りよがりに陥る危険があります

トップ企業ほど「業界で最初に導入した」というフレーズを重視する

意思決定に迷ったとき、立ち返れるPurpose(目的・達成目標)を持っておくこと

僕はいつでも、事業の内容や仕事の中身よりも、誰と一緒に働くのかという人とのつながりの部分を一番大切にしている

メディアの露出や報道内容はまとめて担当者にフィードバックします。こうすることで担当者がTFTプログラムを実施することのメリットを社内に向けてアピールしやすくなるからです。こうした小さな配慮を積み重ねることが、さらなる企業との連携強化につながる

自分だけが満たされても、自分の働く会社だけが儲かっても、それは結局本当の幸せにはつながらない。組織、会社、国など、これまで多くの人を守り、かつ外界から遮断してきた「壁」は次第にその意義を失いつつあります。この壁を乗り越え、想いを同じくする人たちとつながる方法を、多くの人が模索しはじめているのです

「個人の発信力」ともうまく連携したいと思い、二〇〇八年の年末には、ブログに食糧問題についてのコメントを二回書くとアフリカに給食を一食届けられる、という「TASTY BLOGキャンペーン」を実施しました

人を動かし、参加してもらうためには理念だけではなく、「やってみよう」と思わせる無理のないしくみが、生活の一部になっていることが必要です

この社会には、人が喜んで、いいことをしたくなるしくみがまだまだ不足しています。だから、社会起業にはやることがいっぱいあるのです

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『「20円」で世界をつなぐ仕事』日本能率協会マネジメントセンター 小暮真久・著
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◆目次◆
はじめに
第1章 TFTのビジネスモデルと苦難の創業期
第2章 世界最高峰のコンサル会社からNPOへの転身
第3章 社会起業にビジネススキルをいかす
終 章 「しくみ」と「想い」が大きなつながりをつくる
おわりに

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