2015年10月22日

『スタンフォードのストレスを力に変える教科書』ケリー・マクゴニガル・著 vol.4111

【強烈プッシュ】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4479794964

昔、医療に携わる方に、ストレスがいかに体に悪影響を与えるか、こんこんと説かれたことがありました。

最近は、職場においても、子育てにおいても、いかにストレスを与えずのびのび育てるか、みたいなことが話題になっています。

ただ、ここで考えなくてはならないのは、ストレスを与えずのびのび育てた結果、人は良くなったのか? 成果は出るようになったのか? 社会は良くなったのか? ということではないでしょうか。

アマゾンでバイヤーをやっていたときからかれこれ15年、流行りの子育て本をたくさん読んできましたが、そのほとんどは結果に基づく主張ではなく、単なる流行に根ざしたものでした。

今では過ちだったと大筋認められている「ゆとり教育」もそうですが、われわれは、子どもの未来を「単なる流行」や「口当たりの良い言葉」にゆだねてはいけない。

そこで読んでおきたいのが、本日の一冊『スタンフォードのストレスを力に変える教科書』です。

賢明な読者なら既にお気づきのように、本書は、あの60万部ベストセラー『スタンフォードの自分を変える教室』の著者、ケリー・マクゴニガルさんによる待望の新刊。

スタンフォード大学生涯教育プログラムの講座「ストレスの新しい科学」に基づいて編集された、じつに読み応えのある一冊です。

<「ストレスは健康に悪い」と思うと死亡リスクが高まる>
<妊娠中のストレスは胎児にプラスになることも>
<ストレスは人を利他的にする>
<ストレスの欠如は人を不幸にする>

など、気になる見出しがたくさん並んでおり、読めば読んだで目からウロコの内容がびっしり詰まっています。

伝えたいことは山ほどあるのですが、まずはその内容のエッセンス、見て行きましょう。

———————————————–

死亡リスクが高まったのは、強度のストレスを受けていた参加者のなかでも、「ストレスは健康に悪い」と考えていた人たちだけだった

警告表示は逆効果をもたらす場合が多いことが、研究によって明らかになっています。とくにショッキングな恐ろしい画像(病院のベッドで死にかけている肺がん患者の画像など)を見せられたりすると、喫煙者はかえって猛烈にタバコを吸いたくなってしまうのです。その理由とは? 画像を見て恐怖に襲われたからです

必ずと言っていいほど裏目に出る方法は、不健康な生活習慣のある人たちに恥をかかせることです

自分だけが周りから浮いていると思い込んでしまうと、「詐欺師症候群」(おれは実力のないペテン師だと、いつかみんなにバレてしまうにちがいない)や、典型的な強迫観念(みんな、わたしは失敗すると思ってる)や、セルフ・ハンディキャッピング(どうせ無理に決まってる)など、さまざまな否定的な心理状態を生み出します。そのような心理状態は、チャレンジを避ける、問題を隠す、フィードバックを無視する、支えとなる人間関係を築こうとしないなど、自己破壊的な行動につながる恐れがあります

ジョンズ・ホプキンス大学の研究では、妊娠中に大きなストレスを受けた女性が産んだ赤ちゃんたちは、脳の発達が優れており、心拍変動が高いことがわかりました。つまり、ストレスに対する体のレジリエンスが強いしるしです

パーカーは、子ザルを母親から引き離す実験を初めて行ったとき、幼児期のストレスは情緒不安定につながるだろうと予測していました。ところが、幼児期のストレスはレジリエンスにつながったのです。幼児期にストレスを経験した子ザルたちは、成長するにつれ、過保護に育てられた子ザルたちにくらべて、物怖じしない性格になりました

ストレスへの対処方法もそれぞれ異なります。「チャレンジ反応」が起こると、自信が強まり、進んで行動を起こし、経験から学ぼうとします。いっぽう「思いやり・絆反応」が起こると、勇気が強まり、進んで人の世話をし、社会的な関係を強化します

ストレス度指数の高い国ほど、繁栄度も高い

退屈は死亡リスクを高める

自分の持っている力や手段をしっかりと意識すると、「チャレンジ反応」が起こりやすくなります。そのためにもっとも効果的な方法は、自分の個人的な強みを認識することです

———————————————–

本書を読めば、「子どもにストレスのない生活を」と考えることや、「老後は南の島でのんびり」というのが、いかに愚かな思想か、よくわかります。

<ストレスを感じたときに、「勇気」や「人とのつながり」や「成長」という人間ならではの底力を、自分のなかに呼び覚ますこと>

これこそが、ストレス社会で健やかに、たくましく生きていくコツなのだと思います。

理論あり、教訓あり、感動ありの三拍子そろった一冊。

自らを大きく成長させたい方、部下の悩みに応えたいマネジャー、わが子をたくましく育てたい親に、ぜひ読んでいただきたい、強烈プッシュの一冊です。

———————————————–

『スタンフォードのストレスを力に変える教科書』ケリー・マクゴニガル・著 大和書房
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4479794964

————————————————-

◆目次◆

Introduction 「ストレスを力に変える教科書」へようこそ
Part1 ストレスを見直す
第1章 すべては思い込み
第2章 ストレス反応を最大の味方にする
第3章 ストレスの欠如は人を不幸にする
Part2 ストレスを力に変える
第4章 向き合う
第5章 つながる
第6章 成長する
第7章 おわりに
訳者あとがき

この書評に関連度が高い書評

この書籍に関するTwitterでのコメント

NEWS

RSS

お知らせはまだありません。

過去のアーカイブ

カレンダー