【側近が書いた、稲盛和夫秘話】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/483792929X
昔、『本田宗一郎に一番叱られた男の本田語録』という本があって、大変興味深く読ませていただいた記憶があります。
※参考:『本田宗一郎に一番叱られた男の本田語録』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4837921957
側近の方や部下の方など、現場で直接薫陶を受けた方の本って、大体面白いんですよね。
本日ご紹介する一冊は、故・稲盛和夫氏の「側近中の側近」と言われた著者が書いた、稲盛語録。
もちろん、側近本のお約束として、現場でのマル秘エピソードも含まれています。
著者の大田嘉仁(おおた・よしひと)さんは、元京セラの常務秘書室長で、元日本航空会長補佐も務めた人物。
秘書になった時から稲盛氏の言葉をノートに書き留め、そのノートが50冊を超えたというから驚きです。
本書には、著者が京セラで稲盛氏から受けた薫陶、JAL再生の時の現場でのやり取りなど、興味深い言葉とエピソードが集められています。
稲盛氏は既に多くの書籍を残していますので、半分くらいは既出の内容ですが、それ以外は著者しか知らない言葉、エピソードが書かれていて、興味深く読ませていただきました。
七味唐辛子を渡さず怒られたエピソードや、JALの抵抗勢力を黙らせた話、稲盛氏が寂しそうに語ったエピソードなどは、本書以外ではなかなか読めないと思います。
構成としては、全部で15の言葉を、以下のような章立てて整理して伝えています。
・「人間性が磨かれる」4つの言葉
・「より良い仕事ができる」4つの言葉
・「正しく判断できる」2つの言葉
・「高い目標を成し遂げる」3つの言葉
・「創造性が高まる」2つの言葉
さっそく本文のなかから、気になった部分を赤ペンチェックしてみましょう。
—————————-
謙虚さは「魔除け」になるんだ
「謙虚さが本当に大事なんだ。少しぐらい仕事がうまくいっても、けっして自分の成果だと思ってはいけない。つねに周囲の人に気を配って、謙虚でいる。結局、そういう人に、人は集まってくるんだ」
楽観的に構想し、悲観的に計画し、楽観的に行動する
幸福になるには「人生を長期的な視点で見ること」
何を始めるにしても、まずは現状に感謝しなければならないんだ
「新規事業というのは、たとえ規模が小さくても、ワクワクして始めるものだ。しかし、肝心のリーダーが、うまくいかないかもしれないと、否定的な言葉を口にしていては、ワクワクするどころか、暗くなるだけだ。それではうまくいくものも、うまくいかなくなる」
リーダーは怖くても、怖いそぶりを見せたらダメなんだ
「JALの皆さんは、経営計画という約束を守れなかったのではありませんか? 人間として正しいこと、約束を守るということができなかった。だからこそ、JALは倒産したのではないのですか?」
「人から嫌われたくない人間では、部下を育てることも、強い組織を作ることもできない」
「たとえば、部下に新しい仕事を指示するとき、部署を代表して新たな可能性に挑戦してもらうわけだから、感謝の気持ちを持って話しているか、どうか--。また、部下を叱責するとき、部下に成長してほしいという、思いやりを持って話しているか、どうか--。結局、そういうことが大事なんだ」
完成品が見えてくるまで考える
—————————-
なかなか側近の立場では書けないと思いますが、もうちょっと稲盛氏の負の側面にも触れていたら、さらに良い本になったと思います。
ただ、それを差し引いても、経営において、仕事において、勉強になる言葉集だと思います。
ぜひ、読んでみてください。
———————————————–
『稲盛和夫 明日からすぐ役立つ15の言葉』大田嘉仁・著 三笠書房
<Amazon.co.jpで購入する>
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/483792929X
<Kindleで購入する>
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B0BQV5KGB1
———————————————–
◆目次◆
プロローグ 稲盛和夫さんの言葉には、「あなたを動かす力」があります
1章 稲盛和夫「人間性が磨かれる」4つの言葉
2章 稲盛和夫「より良い仕事ができる」4つの言葉
3章 稲盛和夫「正しく判断できる」2つの言葉
4章 稲盛和夫「高い目標を成し遂げる」3つの言葉
5章 稲盛和夫「創造性が高まる」2つの言葉
あとがき
参考文献
この書評に関連度が高い書評
この書籍に関するTwitterでのコメント
同じカテゴリーで売れている書籍(Amazon.co.jp)
お知らせはまだありません。