2023年3月17日

『教養としてのテーブルマナー』小倉朋子・著 vol.6198

【これは必読。】
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本日ご紹介する一冊は、国際会議ディレクター、ホテル&フードコンサルタントを経て、現在、(株)トータルフード代表取締役、日本箸文化協会代表を務める著者が、グローバルで通じるテーブルマナーを紹介した一冊。

「フランス料理のカトラリーは外側から」みたいな常識は、いまどき誰でも知っていると思いますが、これが中国料理、韓国料理、インド料理、ハラルフードまで広がると、果たしてどれだけの人が「マナー」を知っているか…。

「世界人口が増えているから、これからは海外に売ればいい」というのは簡単ですが、海外でビジネスをするということはイコール、異文化の人々と付き合うということ。

付き合いには会食が付き物ですから、当然、グローバルビジネスで成功したいなら、食事マナーを学べ、ということになるわけです。

この『教養としてのテーブルマナー』が便利なのは、各国の食事マナーが学べるのはもちろんですが、その起源や歴史、周辺知識についても学べること。

和食のおしぼりは、食事の前に手を清めるためのもので、その後は使わないという話や、中国料理では魚の骨や肉の骨、甲殻類の殻をテーブルに置くという話など、あまり知られていない話が満載で、知っておくと転ばぬ先の杖となること間違いなしです。

あまり触れられることのない、中国料理や韓国料理、インド料理・ハラルフードにまで触れているので、グローバルで仕事をするビジネスパーソンには、ピッタリの一冊だと思います。

また、よくあるビュッフェ・立食パーティのマナーについても触れられており、機会が多い土井としては、大変勉強になりました。

どうすれば綺麗に食べられるのかという細かなテクニックについても触れているので、こちらも併せてチェックするといいでしょう。

さっそく本文のなかから、気になった部分を赤ペンチェックしてみましょう。

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まわりに配慮するには、「自分の心のベクトル」は外向きである必要があります。しかし、お箸やカトラリーは内向きでなくてはいけません。ナイフやフォーク、お箸の先端を相手に向けない

絶景の作者である料理人を尊重し、なるべく最後まで崩さないように食べましょうというのが、この「絶景キープ」の法則です。(中略)下から始まって上で終わっている場合は上から、奥から始まって手前で終わっている場合は手前から、という具合に、盛り付けの「終わり」を見極めれば、たいていは絶景を崩さずに食べ進めることができる

料理を表現する「語彙力」にマナーと教養が表れる

中国や韓国では、器を持ち上げるのはタブー

和食の料理人を「板前」と呼ぶと思っている人は多いようなのですが、「板前」の意味は「板の前にいる人」。つまり本来、「板前」とは、まな板の前でお造りを担当する最高位の料理人だけの呼称

おしぼりを使うのは自分の手を清めるときだけ、つまり「食事の前だけ」

■フランス料理
いついかなる場でももっとも気にかけるべきは、「女性を寂しくさせないこと」と「高齢の方を寒くさせないこと」

■中国料理
「取り箸を使わない」のは信頼の証

魚の骨、肉の骨、甲殻類の殻などを自分の取り皿に置くのは、中国料理では無作法とされています。残余物はテーブルに置き、「こんなにテーブルやクロスが汚れるほど、みなで楽しみました」と示すのが正式なマナーです

■イタリア料理
パスタは「山の頂上」ではなく「山の裾野」から食べ始める

■韓国料理
年長者の真正面を向いたままお酒を飲むのは失礼に当たるので、必ず顔を横に向け、さらに口元を左手で隠しながら飲みましょう

■インド料理
チャパティやナン、野菜などが大皿にまとめて盛られている場合、そこから自分の分を取るときは、むしろ左手を使うのがマナー

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韓国料理のテーブルで、年長者の前でお酒を飲む時のマナーや、インド料理における手の使い方、イスラム文化圏で食べ物を落とした時のマナーなど、知らないことが満載で、本当に勉強になりました。

とはいえ、ガチガチのマナー本ではなく、<「正しさ」よりも「敬意」>と説く著者らしい、おもてなし精神にあふれるマナー本です。

ビジネスパーソンが読むにはバランスの良い本なので、ぜひ、読んでみてください。

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『教養としてのテーブルマナー』小倉朋子・著 SBクリエイティブ

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◆目次◆

第一部 食べ方を整えることは、生き方を整えること
1章 美しい食べ方には法則がある
2章 教養としてのマナーを身につける
第二部 この知識と実践で、「一流の食べ方」は体得できる
1章 和食
2章 フランス料理
3章 中国料理
4章 イタリア料理
5章 韓国料理
6章 インド料理・ハラルフード
7章 ビュッフェ・立食パーティ
8章 ファストフード

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