2015年10月2日

『本を読む人だけが手にするもの』藤原和博・著 vol.4091

【人生を豊かにする読書術】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4534053177

セミナーでたびたびお話していることですが、土井の実家には、高学歴の人間が一人もいません。

知識産業に携わる人も、親戚にはほぼいないと言っていいと思います。

では、なぜ自分が今のような仕事をしているかというと、幼い頃から親しんできた読書が原因です。

読書をすることで知識を得、行動を変え、その結果、人とのつながりが生まれ、人に導かれるようにして天職に出合いました。

スマホ全盛の時代ですが、読書は、本当に人生を変えるものと確信しています。

なぜスマホだけではダメかというと、スマホで読む文章のほとんどは「記事」だから。

これは土井の考えですが、記事というのは、リアルなものを扱うことが多い。今週末に行く旅行先に関する情報だったり、病気の解決法だったり、レシピだったり。

でも、それによって想像力・創造力を養われることはありません。人間は一人のときに、何の役にも立たない活動をして初めて、想像力・創造力を養えるのだと思います。

本日ご紹介する藤原和博さんの新刊『本を読む人だけが手にするもの』は、まさにそんな土井の思いを代弁してくれる本。

リクルートの東京営業統括部長として活躍し、メディアファクトリー(現・KADOKAWAグループ)を立ち上げ、東京都初の民間校長(義務教育)を務めた著者が、読書の意義と読書法、おすすめの50冊を紹介しています。

いわゆる読書術を期待して読むものではなく、読書がいかに人生を豊かにするか、チャンスを運んできてくれるか、その本質的な部分をエピソードを交えながら紹介しています。

いくつかエッセンスをご紹介しましょう。

———————————————–

これから先の日本では、身分や権力やお金による“階級社会”ではなく、「本を読む習慣のある人」と「本を読む習慣のない人」に二分される“階層社会”がやってくるだろう

日本人が普通に働いたときの時給は、フリーターの800円からマッキンゼーのシニアコンサルタントの8万円まで、100倍の範囲に収まってくる。1時間あたりの報酬が1万円を超えたところから、私は「エキスパート」と呼ぶことにしている。私の感覚でいえば、弁護士、コンサルタント、医師などのエキスパートでありながら本を読まない人に、これまで会ったことがない。なぜなら、知識はつねに入れ替わっていくもので、最新の情報を持っている人しか顧客の期待に応えることができないからだ

さまざまな分野で「一流」と呼ばれる人は、話すだけで1時間あたり100万円を稼ぐ。その根底にあるのは、聴衆を満足させるだけの知識だ。彼らは、その知識を得るために必ず本を読んでいる

21世紀型の成熟社会を生き抜くには、「上手に疑う技術」が必要になる。だから、情報に踊らされないためには、「個人的な体験」をする機会をできるだけ多く持つしかない

意識が高まると、「引き寄せる力」も強くなる

「20世紀型の成長社会」から「21世紀型の成熟社会」への移行をわかりやすくいうと、「ジグソーパズル型思考」から「レゴ型思考」への転換と言い換えることができる

成熟社会では、自らビジョン(図柄)を打ち出して道を切り拓いていかなければならない。なのに、まだジグソーパズルばかりをやっている。そこに日本人の不幸がある

本を読むことは、「みかた」(見方、味方)を増やすこと

人生の後半に山並みを重ねようと思ったら、前半や中盤から、仕事で登っている主峰とは違った裾野をつくっておく必要がある

◆情報編集力を高めるのに役立つ5つのリテラシー(読書で養える)
・コミュニケーションする力
・ロジックする力
・シミュレーションする力
・ロールプレイングする力
・プレゼンテーションする力

子どもにとって最高の教材は、いつも、大人の学ぶ姿なのである

———————————————–

著者が元々バリバリのビジネスマンであるということもあり、ビジネス視点で書かれているのが特徴です。読書リストにもビジネス書がズラリと並んでおり、これまでの読書を振り返るきっかけになりました。

著者の好き嫌いに関しては、いろいろと感じるところがあると思いますが(著者が批判している『車輪の下』は良い本だと思います)、それぐらいの姿勢で付き合わないと、読書は定着しないと思うので、良いと思いました。

リラックスしながら、読書の素晴らしさを体感できる一冊です。ぜひ読んでみてください。

———————————————–

『本を読む人だけが手にするもの』藤原和博・著 日本実業出版社
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4534053177

————————————————-

◆目次◆

序章 成熟社会では本を読まない人は生き残れない
第1章 本を読むと、何が得か?
第2章 読書とは「他人の脳のかけら」を自分の脳につなげること
第3章 読書は私の人生にこんなふうに役立った
第4章 正解のない時代を切り拓く読書
第5章 本嫌いの人でも読書習慣が身につく方法
付録 藤原和博の「これだけは読んでほしい」と思う本・50冊

この書評に関連度が高い書評

この書籍に関するTwitterでのコメント

同じカテゴリーで売れている書籍(Amazon.co.jp)

NEWS

RSS

お知らせはまだありません。

過去のアーカイブ

カレンダー