【GE、グーグル、インテルの研修で話題?】
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あまり話題にならなかったのですが、昨年出た本で、個人的にとてもインパクトを感じた本がありました。
楠木建さんの『「好き嫌い」と経営』という、経営者へのインタビュー集です。
※参考:『「好き嫌い」と経営』
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20万部突破のベストセラー著者が、日本を代表する経営者14人に「好き嫌い」を尋ねた、異色のインタビュー集ですが、これを読むことで、いかに「好き嫌い」が経営の一貫性に影響を与えているか、理解できました。
経営は基本、ビジョンから始まり、戦略、戦術と落とし込まれていくものですが、そのためにリーダーは自分の価値観を理解し、その価値観をフォロワーと共有できなければなりません。
自分自身にフォーカスし、「いま・ここ」の経営課題にフォーカスし、成果を挙げてくれる部下にフォーカスする。
最近の流行語で言えば、「マインドフルネス」が、経営においても求められているのです。
そこでご紹介したいのが、本日の一冊『マインドフル・リーダーシップ』。
著者は、世界最高のリーダー育成機関として知られるGEの「クロトンビル」で、日本人として唯一リーダーシップ研修を任された田口力さんです。
部下の話をきちんと聞けていない、思わず他者の話を遮ってしまう、周囲から「ブレる」「優柔不断」「決められない」と評価されてしまう人は、ぜひ読んで欲しい一冊です。
さっそく、いくつかポイントを見て行きましょう。
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◆“混じり気のない本物”のリーダーの特徴
・自らの確固たる信念や価値観に従い、行動・実践する
・目的を達成するために大いなる情熱を持っている
・他者に対する思いやりを持つと同時に、果敢な決断ができる
・謙虚さと自信に裏付けられた、幅広い人間関係を構築・維持できる
・品性と倫理観、厳しい自己統制力を持っている
メディアからの「ウェルチさん、あなたはなぜ二〇世紀最高の経営者と言われるようになれたのですか」という質問に対して、ウェルチ氏はたった一言、「Self-awareness」(自己に対する気付き)と答えたのです。他者に対して影響を与えてリーダーシップを発揮しようとするならば、その影響を与えようとしている自分が何者であるのかを十分に知った上で影響力を使わねばならない
コミュニケーションの本質は、単なる意思の疎通ではなく価値観を共有すること
◆マインドフル・リーダーに特徴的な行動や在り方
1.その瞬間に集中して物事に向き合い、状況や全体像を敏感にとらえる
2.自分らしさを生かし、価値観に従って行動する
3.他者に対してオープンな態度をとり、良い人間関係を構築する
4.不確実な状況下でも果敢な意思決定ができる
5.安定した心を持つ
マインドフルなリーダーは、他者と向き合っているときに、目の前にいるその人の現在に集中する習慣を身につけています。そうした外見を装うような「バイアス」は取り払って、人そのものを見極めようとします
グローバル化経済の中で活動するということは、地球の裏側で起こった出来事に無関心でいてはいけないということ
他者の評価を自分の評価軸にしてしまうと、他者からの欲求に無制限に応じてしまおうとする危険性があります
表面的な賞賛ではなく、真に相手に対して関心を寄せているということを示すためには、部下が行った行為に対して分析的に質問やフィードバックを与えたほうがよい
マインドフルになると「最高の褒め言葉」を出せる
褒めるためには、相手の価値観や気持ちをきちんと把握する必要があるのと同時に、認めるためにも、部下の日々の行動や言動に対してしっかりと向き合うことが求められる
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本書には、なぜリーダーが疲弊してしまうのか、なぜ部下の話を聞くことができないのか、そのヒントが書かれています。
反対に、ハイパフォーマンスを上げるリーダーがやっていることが体系的に示されており、自分をセルフチェックする上で、良いヒントとなりました。
著者がエグゼクティブ研修で使っているフレームワークも示されているので、マネジャー・研修講師は、要チェックの一冊です。
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『マインドフル・リーダーシップ』田口力・著 KADOKAWA
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◆目次◆
はじめに 古今東西「優れたリーダー」の答え──マインドフルネス
序章 すべてのリーダー論の「前提」と「根底」
1章 【心構え】トップリーダーが「強くなる」前にしていること
2章 【リーダーシップ】“今、目の前のことに集中する”という考え方
3章 【行動指針】自分の「限られた意識」を最大活用しなさい
4章 【部下育成】目の前の彼と「心を合わせて」いますか?
5章 【組織論】「成果を出せるチーム」はたった14%しかない
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