2016年10月22日

『マーケティングのすゝめ』 フィリップ・コトラー、高岡浩三・著 vol.4476

【コトラーvsネスレ高岡氏】
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本日の一冊は、21世紀のマーケティングについて、「マーケティングの神様」フィリップ・コトラー氏と、ネスレ日本CEOの高岡浩三氏が論じた、注目の一冊。

既に「マーケティング3.0」という考え方を提示したコトラー氏が、「マーケティング4.0」の時代の到来を予言し、その好例として、ネスレ日本の「ネスカフェ アンバサダー」制度を挙げています。

自己実現欲求を叶えてくれるマーケティングとは何か。新たなマーケティングの時代を予感させる内容です。

なかでも、高岡氏が述べた以下の2つのコメントは、押さえておいて損はないでしょう。

<21世紀の顧客の問題は、そのほとんどがサービスでしか解決できなくなっている>(高岡)

<マーケティングの出発点になるのは「顧客の特定」と「顧客の問題の特定」>(高岡)

高岡氏いわく、<顧客の問題が突然変わり、それまでの問題と地続きではない問題が出てくるのが21世紀という時代>。

これからのマーケターは、この問題の変化を見破り、イノベーションを起こすことが使命となるでしょう。

さっそく、気になったポイントをチェックしてみます。

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ポイントは、これまではまとまった量でしか淹れることのできなかったコーヒーを、1杯ずつ淹れることができるようにしたことだ。つまり、コーヒーの淹れ方という「サービスによる問題解決」をしたということだ。新しいコーヒーマシンによってコーヒーをさらにおいしくしたという「モノによる問題解決」ではない(高岡)

21世紀の顧客の問題は、そのほとんどがサービスでしか解決できなくなっている(高岡)

マーケティングの出発点になるのは「顧客の特定」と「顧客の問題の特定」(高岡)

全般的に言えば、一般の人にマーケティングの真意が広く理解されていないという印象です。企業も、最適な方法でマーケティングを実践していない。そうなると「マーケティングのマーケティング」が必要になってくるかもしれません(コトラー)

企業はお金を持った人にモノやサービスを提供しますが、代金を払えない貧乏な人には何も提供しません(コトラー)

「デジタル化するか、さもなければ死か」
しかし、どのくらいの日本企業が30秒のテレビコマーシャルの信奉から逃れられているでしょうか。プロクター・アンド・ギャンブル社(P&G)は、すでに予算の35パーセントをデジタル・コミュニケーションに投じているといいます(コトラー)

アンバサダーの負担は意外と大きい。しかし、アンバサダーは当初の予想を上回るペースで増え続け、2016年8月現在で26万人まで膨れ上がった。その要因として考えられるのが、マーケティング4.0の基本思想となる自己実現なのである(コトラー)

トヨタ自動車社長の豊田章男さんは、車が売れなくなったことに対して、次のような趣旨の発言をされている。
「若者がほしがる車がなくなったから、若者が車を買わなくなった。それは、メーカーに問題がある」
私は車が売れなくなった最大の要因は、顧客の問題が変わってきたことだと思う(高岡)

結局、顧客の求めるものは、顧客の問題からしか生まれない(高岡)

コストコでの買い方は複数の人とシェアすることを前提にしている(高岡)

ひとり暮らしをしている高齢者で、人との関わりがなくて寂しいという人がいる。同じような境遇の人が「カフェ・イン・ショップ」に集まり、そこで開催されるイベントを通じて安らぎや楽しみを得るようなことを提案しなければならない。それこそが、顧客の問題解決なのである(高岡)

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ネスレ日本の例を中心に、読者に考えさせる内容になっているので、赤ペンチェックだけで満足せずに、ぜひじっくりと読んでみてください。

自社が直面しているマーケティングの問題が何なのか、きっとヒントが見つかるはずです。

USJ森岡さんの本をはじめ、今年は良いマーケティング本がいくつか出てきましたね。

本書もぜひチェックしてみてください!

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『マーケティングのすゝめ』
フィリップ・コトラー、高岡浩三・著 中央公論新社

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◆目次◆

プロローグ なぜ、21世紀のマーケティングが必要なのか 高岡浩三
第1章 21世紀のマーケティングとは何か
対談:フィリップ・コトラー×高岡浩三
第2章 マーケティングの変遷と進化 フィリップ・コトラー
第3章 「顧客」と「顧客の問題」とは何か 高岡浩三
第4章 イノベーションとリノベーション 高岡浩三
第5章 問題解決は「問題発見力」が出発点 高岡浩三
第6章 コトラー・ビジネス・プログラムの全貌 高岡浩三
エピローグ マーケティングのすすめ フィリップ・コトラー

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