2016年3月22日

『「人を動かす」広告デザインの心理術33』マルク・アンドルース、 マテイス・ファン・レイヴェン、リック・ファン・バーレン・著 vol.4263

【取扱注意の広告本。】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4802510187

インターネットの活用が進み、多くの企業・個人が無料で自社メディアを持つことができるようになりました。

ただ、無料で使えるというのは両刃の剣で、コンテンツマーケティングが流行れば流行るほど、コンテンツの「質」で差がつくようになります。

では、ここで言う「質」とは何か?

それはキレイなビジュアルでも、言葉巧みなコピーでもありません。

人の無意識に影響を与える@「心理術」なのです。

本日ご紹介する一冊は、この広告に使える@「心理術」を、デザイン心理学の専門家、「説得」の専門家、「行動変化」の専門家がまとめています。

実際の広告表現をカラー写真で見ながら、そこに織り込まれた最新の心理テクニックを学ぶことができます。

原理的には、多くが『影響力の武器』などで紹介されているものですが、実例をもとにここまで詳細にまとめられた本は初めてです。

「Zinc」と「Zinc24」では、「Zinc24」のほうが製品へのイメージがよくなる、「Magnalroxat」と「Hnegripitrom」では、後者のほうが危険な添加物だとみなされたなど、興味深い研究成果がたくさん紹介されています。

ジャパネットたかたでも使われている「ザッツ・ノット・オール・テクニック」や最近ネットで広がっている「アストロターフィング」、危険なものへの抵抗を減らす「ダブルスピーク」など、危険な広告テクニックも紹介されており、取り扱いにはぜひ注意していただきたい一冊です。

さっそく、気になった内容を見て行きましょう。

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要求を切り出す前に「あなたは嫌がるでしょうが、~」と相手の抵抗感を認める、あるいは要求を伝えた後に「でも、受けるか断るかはあなたの自由です」とつけ加えることで、要求に応じてもらえる可能性が高まる

「自由を認める」手法は、新手のものと言えるだろう。この手法を最初に研究論文で紹介したのはゲガンとパスカルで、2000年のこと。そして2013年に、この手法の有効性について42の実験を分析した研究論文が発表された。その論文によれば、要求を伝えた後に「決めるのはあなたの自由だ」と強調した場合は、要求を受け入れる確率が2倍になったという

調査によれば、「Magnalroxat」という発音しやすい名の食品添加物と、「Hnegripitrom」という発音しにくい名の添加物では、後者のほうが危険だとみなされたという

別の調査で遊園地のアトラクションを比較したところ、発音しにくいインディアン語のアトラクション(「Tsiischili」など)のほうが発音しやすいもの(「Chunta」など)より、スリルがあって面白そうだとみなされた

「Zinc」と「Zinc24」というネーミングを比較する調査を行ったところ、参加者たちは「Zinc24」のほうが製品へのイメージがよくなると答えたという

問いを読みにくいフォントにしたら、問いのトリックを見破る人が17%から41%に増えたという。つまり私たちは、文章が読みにくいほうが、文章の内容をじっくり考えるというわけだ

錠前だけの写真と錠前の前に鍵が添えられた写真では、鍵が添えられていたほうが、錠前が美しく見える

◆デンマークの乳製品メーカー「アーラ・フーズ」の広告
チョコレートミルクという従来は男らしさと無縁だった製品を男っぽい姿と組み合わせ、男性という新しい層にアピールしようとした

ハイネケンのロゴはよく知られている例。Heinekenの中の3つの「e」を少し傾けることで、「文字が笑っている」ように見せている。それによって、ロゴを「楽しく、フレンドリー」に見せ、親しみを生む効果をあげている

広告に性的表現を取り入れても、商品の売り上げが魔法のように伸びることはない

◆ダブルスピーク
「戦争は平和である!」「自由は服従である!」「無知は力である!」
(ジョージ・オーウェル)

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ここまで読んでおわかりだと思いますが、即「買い」の一冊です。

脳関連本で知られる、あの池谷裕二先生も思わず大絶賛の内容で、オビに推薦文が付いていました。

Instagramなどで影響力アップを狙う方も、写真表現の参考になると思いますので、ぜひ買って読んでみてください。

ひさびさに、読み応えのある広告本に出合いました。

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『「人を動かす」広告デザインの心理術33』マルク・アンドルース、マテイス・ファン・レイヴェン、リック・ファン・バーレン・著 BNN
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4802510187

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◆目次◆

01 抵抗感を認める
02 脳にやさしいメッセージを作る
03 フット・イン・ザ・ドア・テクニック
04 夢のような効果をうたう
05 自分で自分を説得してもらう
06 別の役をキャスティングする
07 「社会的証明」の力を利用する
08 「保証」をつける
09 魅力的な顔のモデルを起用する
10 ユーモアをきかせる
11 「希少性」の力を利用する
12 「一時的な好意」を引き出す
13 おとりの選択肢を用意する
14 ザッツ・ノット・オール・テクニック
15 「単純接触効果」を利用する
16 「アンカリング」を利用する
17 アストロターフィング
18 商品を人間のように見せる、擬人化
19 信頼できる顔のモデルを起用する
20 混乱に陥れ、リフレーミングする
21 メタファーを使う
22 実行プランを提案する
23 「返報性」の心理を利用する
24 言葉の力を利用する
25 性的表現を取り入れる
26 「権威」の力を利用する
27 「利益」のフレームと「損失」のフレームを使い分ける
28 「初頭効果」や「新近効果」を利用する
29 フィア・アピール・テクニック
30 ダブルスピークを使う
31 他人への「投影」を行う
32 ドア・イン・ザ・フェイス・テクニック
33 サブリミナル効果を狙う

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