2014年11月24日

『デザインコンサルタントの仕事術』ルーク・ウィリアムス・編 vol.3779

【frog流、常識を破るノウハウとは?】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4862761925

本日の一冊は、IDEOと肩を並べる世界的デザインファームであり、アップル、ディズニーをクライアントに持つことでも知られる、frogのノウハウをまとめた実践書。

著者がfrog時代に開発した研修プログラムをベースに、アイデア発想法、ソリューションの作り方、プレゼン術までをまとめた内容で、画期的イノベーション、製品を生み出す方法がうまくまとめられています。

著者は本書の冒頭で、「差別化」の時代の終焉を宣言し、こう述べています。

<「差別化か、死か」とは古くからの常套句だが、もはやそれは意味を失った。私に言わせてもらうなら、現代では差別化が行きすぎている>

マーケティングを学んでいる方なら、これがジャック・トラウトの名著を指しているのはご存じでしょうが、本書のなかで著者は、差別化に代わる概念として、「破壊的仮説」を持ってきています。

著者によると、破壊的仮説とは<考え方を変えるため、あえて非合理的に立てられた仮説>のこと。

「充電すれば携帯が使えるようになる」と合理的な予測を立てるのではなく、代わりに「そもそも携帯電話に電池が要らなかったらどうだろう?」と非合理的な考えを生み出す。

本書では、この破壊的仮説に始まり、破壊的チャンスを見つける方法、破壊的アイデアを生み出す方法、破壊的ソリューションを仕上げる方法、破壊的プレゼンで売り込む方法が書かれており、クリエイティブな仕事をしている方、イノベーションを生み出したい方には、良いヒントになると思います。

個人的には、<「常識」を探るための3つのフィルター>としてまとめられている以下のポイントが役に立ちました。

◆「常識」を探るための3つのフィルター
・製品の常識──常識となっている機能やアピールポイントは何だろうか?
・取引の常識──顧客が製品やサービスを購入・消費する際に踏むステップのなかにはどのような常識があるだろうか?
・価格の常識──典型的な商品・サービスの価格決定や代金の請求方法は何だろうか?

<すべては突飛な疑問から始まる>とは、著者の弁。

本書は、この「突飛な質問」を考えつくのに役立つ、思考の本です。

ぜひチェックしてみてください。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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『モノクル』という新手のライフスタイルマガジンが刊行され、従来の定期購読割引モデルではなく、定期購読プレミアム(割増)モデルを導入した。「年間購読をすると売店で買うより50パーセント高くなる」のは破壊的だろう

人々は触りたいと思うものに対して滅多に怖れを抱かない

目立って痛むところを探すより、もっとわかりづらい、問題とみなすには小さすぎるような「テンションポイント」、つまりイライラが溜まっている点を探す──そして改善する──ことに時間を割くべきだ

私たちが真っ先に手をつけたことの1つは、ディズニーキャラクターの解体だった。有名なディズニー映画の本を手に入れ、登場するキャラクター全部の目や腕や頭、身体を切りぬいた。さらに細かく分析していくため、ディズニーのアニメーターとも協力し、彼らが円や線をどのように使って、キャラクターに個性や動きを与えているのかも注意深く観察した。(中略)やがて世界で毎年5億ドルを売り上げる製品シリーズが生み出されることとなった。最初に開発された2種類の製品、コードレスフォンとトランシーバーは、どちらもディズニーのキャラクターを露骨に描き出すことなしに、それでいて本質を捉えたものだった。たとえば、コードレスフォンの送話口は笑みのかたちに似せられ、小さいくちびるをかたどっていた

アップルの答えはiMacの箱を開けたとき、まずそれが見えるよう、取っ手をつけることだった。コンピューターの取っ手を握らせれば、人に自分がそれを支配しているという感覚を与えられるのである

「今日トイレに座っていたのだけれど、そのとき陶器の浴槽の真っ白な光沢や洗面台についているクロムの蛇口の反射が目に入って、ふと気がついたんだ! 皆がiPodを『清潔』だと思うのは、バスルームにあるものを思い起こすからだってね!」何秒かの沈黙のあと……すぐに爆笑が起こった。いや、トイレに座って思いついたことだからではない。私たちが笑ったのは、iPodをデザインしたジョナサン・アイブはアップルに入る前、ロンドンのデザインコンサルタント会社で便器のデザインを手がけていたと知っていたからだ

元MGMの取締役でありコンサルタントのステファニー・パルマーはクライアントにこんな質問を投げかけたことがある。「『3000ドル』というタイトルの映画がどんな話か、どんなジャンルか想像できますか?」彼女によれば、これは映画『プリティ・ウーマン』のもともとのタイトルであったらしい

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『デザインコンサルタントの仕事術』ルーク・ウィリアムス・著 英治出版
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4862761925

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◆目次◆

デザインコンサルタントは何を考えているのか
第1部 仮説、チャンス、アイデア
破壊的仮説を立てる
破壊的チャンスを見つける
破壊的アイデアを生み出す
第2部 ソリューションとプレゼン
第4章 破壊的ソリューションを仕上げる
第5章 破壊的プレゼンで売り込む
変化への本能

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