2014年11月26日

『サントリー対キリン』永井隆・著 vol.3781

【今度はサントリーとキリン?】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4532319609

本日の一冊は、昨日に続き、日経さんの業界2強比較モノ。

昨日紹介した『ユニクロ対ZARA』のような戦略・戦術・戦力の比較を期待していたのですが、専門家が書いた『ユニクロ対ZARA』に対し、この『サントリー対キリン』は、どうやらジャーナリストの方が書いた取材モノのようで、真の意味で『サントリー対キリン』にはなっていません。

※参考:『ユニクロ対ZARA』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4532319617

サントリーがどういう会社なのか、キリンがどういう会社なのか、沿革や歴代の社長、ヒット商品、時代背景などをまとめながら書かれており、どちらかというと企業紹介のような内容でした。

社風や人事、双方の歴史に関しては記述が細かく、なかでも同社の裏エピソードは、読み応えがあります。

以下のキリンの営業のエピソードは、ものすごいですね↓

<綺麗事や協賛金、あるいは人間関係だけで、あらゆる営業が成功するわけではない。特殊部隊のひとりは、どうしても落とせない外食企業の社長を、何とか接待に持ち込む。「キリンさんとは取引しないよ」という社長を、食事の後、港が美しく見える公園に誘うと、「どうしても社長に会いたいという女性があちらにいます。ほら、バラの花束を持って立っている、髪の長い、あの子ですよ」。社長が歩を進めると、女性が誰なのか確認できた。「今日は社長のために、ここで待っていました」。外食の社長は、言葉が出なかった。彼女が、あまりに大物の芸能人であったから。霧笛が遠くで響き、花束を受けた。数日して、取引は開始される>

結論から言うと、昨日紹介した本とはまったくの別物。

企業分析のツールとしては物足りないですが、読み物としては、文章もこなれていて良いと思います。

ぜひチェックしてみてください。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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なぜ、サントリーはM&A、そして社長のヘッドハンティングをしてまで海外事業を強化していくのか。大きな理由は、国内の少子高齢化である。人は高齢になるほどに、とりわけ酒類を摂取しなくなっていく

サントリーの首脳たちは「失敗よりも、サントリーでは何もやらないことが罪になる」と口をそろえる

「企業はトップで決まる」とよくいわれるが、現在のキリンを含めどの時代のどの会社に対しても、当てはまることである。とくに、交代する人材(リリーフ)がいない会社は、凋落に歯止めがかからなくなっていく

6月、たこ焼き店「築地銀だこ」を展開するホットランド(佐瀬守男社長)が、新宿・歌舞伎町に立ち飲み業態の「築地銀だこ ハイボール酒場」を出店した。歌舞伎町は昔もいまも、若者が集まる街だ。口コミを中心にハイボールの評判が広がり、その人気は加速していった

綺麗事や協賛金、あるいは人間関係だけで、あらゆる営業が成功するわけではない。特殊部隊のひとりは、どうしても落とせない外食企業の社長を、何とか接待に持ち込む。「キリンさんとは取引しないよ」という社長を、食事の後、港が美しく見える公園に誘うと、「どうしても社長に会いたいという女性があちらにいます。ほら、バラの花束を持って立っている、髪の長い、あの子ですよ」。社長が歩を進めると、女性が誰なのか確認できた。「今日は社長のために、ここで待っていました」。外食の社長は、言葉が出なかった。彼女が、あまりに大物の芸能人であったから。霧笛が遠くで響き、花束を受けた。数日して、取引は開始される

失敗も出世につながるサントリーのチャレンジ風土

◆イチャック・アディゼスが提唱するビジネスパーソンの4類型
E──アントレプレナー(起業家)
P──プロデューサー(実務家)
A──アドミニストレーター(管理者)
I──インテグレーター(統合者)

サントリーにとってこれから重要になるのは、人事のグローバルシステムをどう構築して運用できるかです

プレモルの2013年の販売数量は1767万箱(前年比7%増)。04年はわずかに60万箱だったが、この04年から13年まで10年連続して前年を上回っているのだ

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『サントリー対キリン』永井隆・著 日本経済新聞出版社
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4532319609

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◆目次◆

第1章 21世紀のビール・飲料業界
第2章 サントリー
    ベンチャーから生まれた「やってみなはれ」精神と世界展開
第3章 キリン
    凋落した巨大企業、「組織力」による復活は
第4章 ビール・飲料会社の現場力
最終章 市場の勝敗を決めるものは何か?

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