【橘玲氏の億万長者入門】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/416660970X
本日の一冊は、ベストセラー『お金持ちになる黄金の羽根の拾い方』の著者、橘玲さんが、資産運用の具体的テクニックを述べた一冊。
※参考:『お金持ちになる黄金の羽根の拾い方』※Kindle版
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00DH87QSG/
もともとは『週刊文春』に2013年4月から14年1月まで連載した「臆病者のための資産運用入門」と、月刊『いきいき』に2012年1月号から13年8月号まで連載した「65歳からの投資家入門」をベースに加筆・修正したもので、株式投資から債券投資、不動産投資、保険まで、さまざまな金融商品を扱っています。
冒頭に、『となりの億万長者』のトマス・スタンリー、ウィリアム・ダンコが示した「期待資産額」の概念を紹介し、読者がいくらの資産を持っていれば「蓄財優等生」か、数式を示しています。
期待資産額=年齢×年収/10
これによると、読者の年齢が40歳で年収600万円の場合、期待資産額は2400万円。
読者がこれを上回っていれば「蓄財優等生」、下回っていれば「蓄財劣等生」です。
本書では、この概念が示された後、われわれが持っている資産(資本)を最大化するための考え方が示されているのですが、これがフレームワークとして役立ちます。
まず、総資本というのは人的資本+金融資本でできているのですが、人的資本を最大化したければ、自己投資するか長く働くのが正解。
また、金融資本というのは金融資産+不動産+年金資産+相続財産でできており、本書ではこれらの詳細についても解説しています。
「資産運用4つの原則」「生命保険の正しい買い方」など、さまざまな原理・原則が出てきますが、そのいずれもウィットに富んでいて、楽しみながら読み進められます。
◆資産運用の4つの原則
(1)確実に儲かる話はあなたのところには絶対に来ない
(2)誰も他人のお金のことを真剣に考えたりしない
(3)誰も本当のことを教えてはくれない
(4)自分の資産は自分で守るしかない
◆生命保険の正しい買い方
(1)もっとも経費率の低い生命保険に加入する
(2)保障は必要最低限にする
(3)保障が不要になったらすぐに解約する
金融関係者は、苦々しく思う内容だと思いますが、一般投資家にとっては、痛快な一冊です。
ぜひ読んでみてください。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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期待資産額=年齢×年収/10
◆人的資本からより大きな富を得る方法は2つある。
(1)人的資本への投資によって運用利回りを上げる
(2)人的資本の運用期間をできるだけ長くする
◆生命保険の正しい買い方
(1)もっとも経費率の低い生命保険に加入する
(2)保障は必要最低限にする
(3)保障が不要になったらすぐに解約する
株価=EPS÷金利
世界株ETFのなかで日本の個人投資家がもっとも購入しやすいのは、東証の「上場インデックスファンド世界株式」(1554)だろう。世界株ETFから日本株を除いたもので、すでに日本株を保有している日本の投資家に最適化したものだ
暴落のリスクを避けながら株式資産に投資するもっとも確実な方法は、株式市場が暴落してから分散投資を始めること
「賃貸よりマイホームが得だ」という“常識”は、「借金をして投資した方が得だ」という話を言い換えただけ
不動産価格=毎年の賃料÷金利
どうせ投資するならオープンマーケットの方がいい
家賃保証とは「空室でも賃料を払う」という契約で、金額を保証しているわけではないということだ。不動産業者はいつでも家賃の減額請求が可能なのだ
不動産投資のノウハウというのは、けっきょくのところ「いかにしてインサイダーになるか」ということに尽きるのだ
急なペースで金利が上がったときにもっとも確実に利益を得る方法は普通預金か短期の定期預金にお金を預けておくことだ(逆に長期の定期預金では、金利の上昇に追いつくことができずに損をしてしまう)
◆「国家破産対策」商品
・国債ベアファンド
・外貨預金
・物価連動国債
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『臆病者のための億万長者入門』橘玲・著 文藝春秋
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◆目次◆
はじめに 金融業界の不都合な真実をすべてのひとに
第1章 資産運用を始める前に知っておきたい大切なこと
第2章 「金融の常識」にダマされないために
第3章 臆病者のための株式投資法
第4章 為替の不思議を理解する
第5章 「マイホーム」という不動産投資
第6章 アベノミクスと日本の未来
終章 ゆっくり考えることのできるひとだけが資産運用に成功する
あとがき 金融リテラシーの不自由なひとに感謝を
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