2005年1月14日

『EQマネージャー』

http://tinyurl.com/498h3

本日の一冊は、知能やEQの分野で活躍する心理学者2人が書いた、「リーダーに必要な4つの感情能力」について論じた一冊です。

感情が仕事の効率や記憶力などにどう影響をおよぼすのか、リーダーは部下の感情をいかにして認識し、対処すればいいのか、といった点が、詳しく書かれています。

おもしろいのは、単に感情をコントロールしろ、といっているのではなく、ありのままの感情を正しく認識し、それがポジティブであろうとネガティブであろうと賢く利用できる、と論じている点です。

これまでに確認されている、さまざまな研究の成果についても紹介されており、その点も読みどころと言えるでしょう。

では、具体的にどんなアイディアが示されているのか、さっそく見て行きましょう。
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■ 本日の赤ペンチェック ※本文より抜粋
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■リーダーが身につけるべき4つの感情能力
1.気持ちを読み取る:「感情の識別」
2.ふさわしい気持ちになる:「感情の利用」
3.気持ちから未来を予測する:「感情の理解」
4.気持ちをともなって実行する:「感情の調整・管理」

経営陣が感情から発生している見解が共有できており、感情面で前向きである会社はそうでない会社よりも一株あたりの収益が、四~六%高い

EQの高いチームはEQの低いチームよりも非常に早く円滑に行動した

■EQの6つの基本原則
1.感情は情報である
2.感情を無視しようとしてもうまくできない
3.人は自分が考えるほど、上手に感情を隠すことはできない
4.効果的な意思決定をするためには感情を組み入れる必要がある
5.感情は論理的な流れに従う
6.感情の普遍性が存在すると同時に、特有性も存在する

放射線医師での実験で、医師たちはちょっとした贈り物を受け取ると(気分が若干高まるのだろう)、診断がより早くかつ正確になる

社会心理学者はのロイ・ボーマイスターは、感情表現を積極的に抑えようとする人は、結局のところ多くの情報を「取りこぼしてしまう」ということを発見した。感情を抑圧すると、情報に耳を傾け、処理することに必要なエネルギーと注意力が奪われてしまう

■肯定的な感情の効用
・思考を広げる
・新しいアイディアを生み出すのに役立つ
・われわれを促してさまざまな可能性を検討させる

■否定的な感情の効用
・より明確な集中力を与える
・内容をより効果的に検討できる
・より効率的に誤りを調べる意欲を起こさせる

前向きな気分でいると、われわれは新しいマーケティングの企画を練るなどといった、新しく面白い考えを生み出すことができ、帰納的問題解決がうまくできる傾向がある。また、否定的な気分でいると、財務諸表の間違いをチェックするなどといった、細部に注目し、演繹的問題解決がうまくできる
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文字では表現できませんが、ほかにも本書には、人間の基本感情を表情から読み解くための、イラスト化された表情の一覧などがあり、なかなか楽しませてくれます。

ちょっと回りくどい記述があったり、実験がどのように行われたか不明確なところがあるのが残念ですが、それなりにアイディアをいただきました。

というわけで、本日の一冊は、

『EQマネージャー』
http://tinyurl.com/498h3

です。部下の管理で悩んでいる方にはおすすめの一冊です。

■目次■
第1章 職場における理性と感情
第2章 感情の青写真
第3章 気持ちを読み取る
第4章 ふさわしい気持ちになる
第5章 気持ちから未来を予測する
第6章 気持ちをともなって実行する
第7章 感情知能を測定する
第8章 気持ちを正しく読む
第9章 ふさわしい気持ちになる
第10章 気持ちから未来を正確に予測する
第11章 賢い気持ちを込めて
第12章 自分を管理する
第13章 他の人を管理する
第14章 感情に賢いマネージャーを育成する
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