本日の一冊は、かつてリッツ・カールトン大阪の営業統括支配人を務め、現在、京都全日空ホテルの社長兼総支配人を務める著者が、人の心をとらえるサービスの極意を説いた一冊です。
著者が述べているように、「施設は、常に更新していかなければ感動してもらえません」。その点、「人的なサービスによる感動は、施設と違い絶えず新しいものをつくりだしていく必要はありません」。
これこそがまさに、私たちが一流のサービスに学ぶ理由なのだと思います。
本書の内容は主に、著者のリッツ・カールトン時代の経験・学びをもとに書かれています。一見、当たり前の教えもありますが、一冊読み通すと、その意味の深さに驚きます。
では、その教えとは一体何なのか。さっそく見て行きましょう。
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■ 本日の赤ペンチェック ※本文より抜粋
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人間関係とは相手の意向があって成り立つものだというご意見もあるでしょう。たしかにそれはそのとおりなのですが、実際のところ、こちらのあり方やかかわり方次第で、相手はいかようにも心を開き、信頼を寄せてくれるのです。
ドアマンは小さなイヤホンとレシーバーを装着していて、荷物に着いたタグなどでお客様の名前を把握し、お名前をお呼びして歓迎の意を表すのです。同時に、レシーバーでレセプションにお客様の到着を知らせ、レセプションはそれを受けてすぐにキーの用意にとりかかります――仕事はチームでやるもの
パーソナル・サービスによってお客様のハートをつかむことができれば、そのお客様は「ロイヤル・カスタマーに変わってくれます」
感動というのは相手の予期せぬことをしない限り生まれません。しかし、一度感動が生まれれば、それが印象として残り、口コミとなって広がっていくのです。
お客様を感動させたいと願うのなら、気くばりは最低限のマナーであり、それを超えた愛のある心くばりによって、深みのあるサービスを提供しなくてはいけません。
「クレド(信条・哲学)」に基づく経営
■リッツ・カールトンのクレド(一部)
「リッツ・カールトン・ホテルはお客様への心のこもったおもてなしと快適さを提供することをもっとも大切な使命とこころえています」
お客様のご要望にお応えすることが物理的に難しいこともあるでしょう。ただ、そのような場合でも、リクエストを叶えることと同様の快適さを実現できる代替の提案をすることが大切なのです。
■リッツ・カールトンが従業員を紳士・淑女として扱う理由
1.従業員が紳士・淑女としてもてなされていれば、お客様に対してもそのような気持ちでおもてなしをすることができる
2.紳士・淑女のことは紳士・淑女にしかわからない
挨拶は仕事の手を止めて、お客様と向かい合ってするものです。
ホテル内部は、近代的名要素を排しています。自動ドアはありませんし、エスカレーターやトイレは人目に触れにくくされていて、場所の表示はありません。これは、「もう一つのわが家」というコンセプトからプライベートな空間を演出する意味合いもあるのですが、スタッフとお客様が接する機会を増やすという戦略でもあるのです。
トラブルやミスへの対応の基本は「エンパワーメント」(中略)従業員一人一人には、自分で判断し行動する力が与えられています。
大切なことはスタッフ一人ひとりが、このホテルは、このレストランは、このバーは、私がオーナーなのだという気持ちをもっていることだと思います。そうすれば心くばりができると思うのです。
リッツ・カールトンでは、ミスやトラブルのことは「オポチュニティ」と呼ばれます。お客様との新たな関係性を図る「機会」と考えられてます。
人の欠点には目をつぶること、そして長所は目をいっぱいに広げて見てあげることです。このような姿勢がもてれば、つきあえない人は一人もいないはずです。これが人脈を広げ、おつきあいを長続きさせていくコツの一つです。
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いかがでしょうか? ビジネスパーソンとしての基本に立ち返らせてくれる、まさに新年にふさわしい一冊だと思います。土井もこの本を何度も紐解いて、気を引き締めていこうと思います。あさ出版のKさん、ご紹介ありがとうございました。
というわけで、今年最初の一冊は、
『リッツ・カールトンで学んだ仕事でいちばん大事なこと』
http://tinyurl.com/5827r
です。ビジネスパーソンとしてのスキルに触れた部分は蛇足のような気もしますが、全体としては、エピソードも豊富で、楽しく読める一冊です。ぜひ読んでみてください。
■目次■
第1章 ゲストが感動するホテル、ザ・リッツ・カールトンで学んだこと
第2章 なぜリッツ・マンはお客様の心をつかめるのか
第3章 心くばりのできる組織のつくり方
第4章 リッツ・マンに負けない魅力ある自分をつくる
第5章 ホテルマン流・人脈構築術
第6章 リーダーシップと目標があなたを魅力的にしてくれる
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