【もう仕事であくせくしない】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4799328824
本日ご紹介する一冊は、かつて話題となった仕事術本、『マニャーナの法則』の改訂版。
「マニャーナ」はスペイン語で「明日」の意味で、改訂版タイトルからは「先延ばしOK」の印象を受けますが、本当は忙しいだけの「今日の仕事」を見直し、生産的になるための「仕事システム」の見直しを提案した本です。
冒頭にまとめられた「18のキーワード」は、どれも有効なアイデアだと思いますが、なかでも「クローズ・リスト」「ファースト・タスク」「WILLDOリスト」「ダッシュ法」は、読者の仕事のやり方を劇的に変える可能性を秘めたコンセプトです。
ぜひ読んでみることをおすすめします。
著者いわく、<人間には“理性の脳”と“衝動の脳”という2つの脳があり>、もしもあなたが、衝動の脳に振り回されるだけで、<何に集中することもなく、ルーズな毎日を送っているだけなら、人生にもそれが反映されて、あなたは何者にもなれない>。
それを避けようとするなら、われわれは適切な対象に集中し、それを達成するための「システム」を作り上げる必要があるのです。
本書で書かれているのは、そんな仕事システムを構築するための手順と考え方。
やれば人生が激変するとわかっているのに、なかなか着手できないプロジェクトがある時どうすればいいか、無限に膨らむタスクを終えるにはどうすればいいか、心理的・論理的に明確な答えが示されており、じつに勉強になります。
さっそく本文のなかから、気になったところを赤ペンチェックして行きましょう。
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計画を実現する、すなわち“理性の脳”を活躍させるには、まずは自分自身を上手にダマして“衝動の脳”の反射的な抵抗感を抑える必要があります
まず「今すぐ、レポートを書くわけじゃない」と考えてみましょう。抵抗を感じている「レポートを書くこと」を“衝動の脳”の目の前から隠すのです。そして、レポートを書くための第1ステップ、例えば「書棚からファイルを出すことだけやろう」と考えてみてください。これなら“衝動の脳”が抱える抵抗感は消えるはずです
「集中」についての問題とは「集中できないこと」ではありません。(中略)問題はあれこれ集中の対象が変わってしまうことです
◆機能するシステム・7つの原則
1.「明確なビジョン」が存在する
2.「一事に集中」する
3.「少しずつ頻繁に」行う
4.「リミット」を設ける
5.「クローズ・リスト」を使う
6.突発の仕事を減らす
7.コミットメントと興味を区別する
「効率」=「創造力」×「整理」
すぐやると「忙しいだけの仕事」ばかりが進む
TO DOリストは「オープン・リスト」の典型です。仕事をしながら、別の仕事を追加することができます。追加の仕事に制限がないので、1日の仕事の終わりに、朝よりも「未完了の項目」が増えていることもあるでしょう。つまり、オープン・リストに頼っていると、いつまでたっても仕事が終わらないのです
手間のかかるタスクは、まずは分解して「第1段階」をつかみましょう
◆ファースト・タスクにすると良い仕事
1.仕事の「やり残し」を片づける
2.仕事のシステムを改善する
3.プロジェクトを進める
抵抗が一番大きい仕事からする
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本書の優れた点は、各章の終わりに置かれた「EXERCISE」で、今日やるべき仕事かそうでない仕事か、判断に迷うケースを具体的に分類してどう処理すべきかアドバイスしている点。
この「EXERCISE」を読むだけでも、降り掛かってくる仕事への判断力が鍛えられるでしょう。
「訳者あとがき」で、訳者の青木高夫さんが、こんなことを述べているのが印象的でした。
<情報化の「罪」とは何でしょうか? 私は、その最たるものが「人間を考えない存在にしていること」ではないかと思っています>
考えないで仕事をしていると、求めることを何一つ実現しないで人生が終わってしまいます。
本書は、そうならないための考え方と仕事術を述べた一冊です。
ぜひ読んでみてください。
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『明日できる仕事は今日やるな』マーク・フォースター・著
青木高夫・訳 ディスカヴァー・トゥエンティワン
<Amazon.co.jpで購入する>
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4799328824
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◆目次◆
第1部 タイム・マネジメントの基本的考え方
第2部 マニャーナの法則
第3部 さらに優れたシステムへ
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