【フランスの修道院に学ぶ究極の生き方とは?】
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フランスに来てから、毎日のように「豊かさ」について考えさせられています。
昨日ご紹介したような、住宅や食、人間関係の豊かさもそうですが、土井が一番大事にしたいのは、「精神」の豊かさです。
※参考:『フランス流お金をかけずに豊かに暮らす方法』
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人は精神の豊かさを、宗教や学問、読書、サービスなどさまざまなものに求めるわけですが、外から与えられると思っているうちは、それはかなわない気がします。
精神の豊かさというのは、おそらく一人の時に、内面から湧き出てくるもの。そう考えると、思索にふけるだけの生活というのも悪くなさそうです。
そこでご紹介したいのが、本日の一冊『沈黙すればするほど人は豊かになる──ラ・グランド・シャルトルーズ修道院の奇跡』です。
ヨーロッパで同修道院の謎に迫る『大いなる沈黙へ──グランド・シャルトルーズ修道院』という記録映画が公開されるや否や、大反響となった修道院の生き方を、現地を訪れたこともある著者が、まとめたものです。
著者の杉崎泰一郎さんは、中央大学文学部教授で、修道院関連の著作を複数持つ方です。
さっそく、本書のエッセンスをご紹介しましょう。
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私有財産を持たず(清貧)、異性との関わりを避け(貞潔)、キリストに倣い上司に従って生きる(従順)という誓いを立てて、キリストのように生活のすべてを神と隣人愛に捧げるということは、ラ・グランド・シャルトルーズをはじめ修道院に共通している掟
古い時代から修道士たちは、聖書に描かれた、キリストと使徒(弟子)たちが共同生活を営んで神の言葉を聞き隣人に奉仕した姿、キリストの死後に使徒たちが財産も心も所有して生きたことなどを、その模範としてきました。聖書の『使徒言行録』第四章の「金は必要に応じて、おのおのに分配された」という言葉は、修道士たちが何度も引用してきました。これは東洋思想の「足るを知る」という考え方にも通じているように思われます
アントニオスと仲間の修道士たちは、一緒に住むのではなく、いわば一人暮らしをする者の集まりという形をとっていた
※アントニウスは最初の修道士として古くから尊敬されている
有力者の中には晩年になって修道院に入り、修道士として埋葬されることを願った領主もいましたし、修道院内の墓地への埋葬を願って寄進した人も少なくありません
ラ・グランド・シャルトルーズ修道院の大きな特徴は、ベネディクトの『戒律』が定めた定住型の共同生活の中に、個室を導入して孤独の空間と時間を確保したことにありました。それぞれの修道士は居間、寝台、作業場を備えた個室を割り当てれ、一日の大半を孤独のうちに祈り、手作業、読書のうちに過ごし、平日は室内で自ら調理して独りで食事をとります。一方で朝と晩の二回は聖堂に集まって全員で祈り、日曜や祝祭日には食事をみなでとり、集会を開くなど、共同生活も行いました。修道士たちの間で会話が交わされるのは、原則として日曜祝祭日の集会と散策の時間のみです
修道院長についても例外ではなく「彼が用いる椅子と衣服は、ほかの修道士と異なるような高価に見えるもの、あるいは贅沢なものであってはならない。院長であることがわかるようなものを身につけてはならない」
物を捨てるということは作った者の心を捨てることだ
あなたがたは旧約聖書や、とくに新約聖書において、神の僕たちに対して最も崇高かつ深遠な神秘のほとんどすべてが、騒々しい群衆の中にあるときではなく、一人でいるときに啓示されたことを知っている
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希少な情報ですし、確かに沈黙や孤独の大切さを教えてくれますが、もうちょっと深い突っ込みを期待していただけに、残念でした。
正直、材料不足の感が否めないと思います。
ただ、興味深い素材ではあるので、ぜひ今後取材を重ねて、より読み応えのある本にしていただければと思っています。
修道院の生活に興味のある方、生き方について考えたい方は、ぜひチェックしてみてください。
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『沈黙すればするほど人は豊かになる』杉崎泰一郎・著 幻冬舎
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◆目次◆
第一章 修道院とはどのようなところか
第二章 ヨーロッパの修道院の歴史
第三章 ラ・グランド・シャルトルーズ修道院のあゆみ
第四章 孤独と沈黙の生活
第五章 共同生活と修道院の管理運営
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