【面白い。】
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本日ご紹介する一冊は、フジテレビ「全力!脱力タイムズ」でもおなじみの犯罪心理学者、出口保行さんによる一冊。
法務省に入省し、全国の少年鑑別所、刑務所、拘置所で犯罪者を心理学的に分析する資質鑑別に従事し、これまでに1万人以上の犯罪者の心理分析をこなしてきたという著者が、子育てにおけるタブーを論じた、絶対注目の内容です。
本書によると、「みんなと仲良く」や「早くしなさい」「頑張りなさい」「何度言ったらわかるの」「勉強しなさい」「気をつけて!」は、とても危険な言葉。
本書では、親の「よかれと思って」が、いかにして子どもへの呪いとなるか、そのメカニズムを解説しています。
人間はつい、相手を思い通りにしようと思い、命令してしまいがちですが、たとえ幼い子どもであっても、人間は、命令通りになる生き物ではありません。
本書には、どうすれば人が健全に育つのか、何が人間から意欲や自己肯定感、共感力を奪うのか、人を指導する立場にある人なら全員が知っておくべきことが書かれています。
なぜ犯罪など犯しそうにない子どもが、実際には悪に加担してしまうのか、なぜ優秀な親が子どもをダメにしてしまうのか、メカニズムを知ればわかることが、われわれにはなかなか理解できません。
読めば、悲劇を未然に防げる上に、きっと読者の人間観にプラスの影響があると思います。
さっそく本文のなかから、気になったところを赤ペンチェックして行きましょう。
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心理分析で重要なのは「主観的現実」
「普通の子がなぜそんな非行を」とまわりは驚いたのではないでしょうか。でも、自己主張することを許されずに、周囲の反応をうかがいながら生活している子は、自己決定する力が弱いのです
人を傷つけないためにつく嘘もあります。自分を守るためにつく嘘もあります。嘘は全部ダメだと言ってしまえば、実際に嘘をついてしまったときに困ることになります。一度ついた嘘を訂正することができず、嘘を重ねなければなりません
本人の性質・個性に基づく期待ならいいのです。「みんなの話を聞いてまとめるのが上手だから、リーダーとして頑張ってほしい」といった期待は、個性を伸ばすことにつながるでしょう。しかし「お兄ちゃんだから」「お姉ちゃんだから」といった言いまわしは個性をつぶします
子どもの意見を無視していれば、家が刑務所化する
犯罪者に欠けている事前予見能力
「学校まで歩いて15分かかるから、8時には出ないと朝の会に間に合わないよね」「8時に家を出るためには、どうしたらいいかな」というように、早くするべき理由を伝えて考えさせなければなりません
「頑張って」の言葉で意欲を持たせることはできない
学習性無力感は自由な環境でこそ起こります。結果が出ないことを繰り返したせいであきらめてしまうことです
ご褒美を渡すときには親自身も嬉しいことを伝えるのがいい
マイの祖母カズヨは、かわいい孫に「イヤな思いをさせたくない」「つらい気持ちになってほしくない」という気持ちが強く、何でも先回りして「気をつけて!」と言い続けてきました(中略)その結果、マイは危険を自分で察知して判断する能力が低く、危険なことにも簡単に手を出してしまうようになりました
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マネジメント書や自己啓発書で既に語られている内容も含まれていますが、原理原則とまずい行動がはっきりわかるので、一度読んでみることをおすすめします。
親や教師、上司にあたる人は、ぜひ読んでみてください。
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『犯罪心理学者が教える子どもを呪う言葉・救う言葉』出口保行・著 SBクリエイティブ
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◆目次◆
序 章 「よかれと思って」は親の自己満足
第1章 「みんなと仲良く」が個性を破壊する
第2章 「早くしなさい」が先を読む力を破壊する
第3章 「頑張りなさい」が意欲を破壊する
第4章 「何度言ったらわかるの」が自己肯定感を破壊する
第5章 「勉強しなさい」が信頼関係を破壊する
第6章 「気をつけて!」が共感性を破壊する
終 章 子どもを伸ばす親の愛情
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