2020年10月8日

『DIE WITH ZERO ゼロで死ね。』 ビル・パーキンス・著 児島修・訳 vol.5613

【これぞ理想の生き方。】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478109680

著書にも書きましたが、土井の祖父が亡くなった時、預金通帳に残っていたのはわずか300円足らずでした。(300万円ではありません。300円です)

子ども心にそれを見て、「おじいちゃん、カッコいい」と思った記憶があります。

お金持ちになるのは素晴らしいことですが、それを使わずに死ぬのは、決して良いことではありません。

使っていれば景気は良くなったし、救える命もあったからです。未来を創る若者に投資することだってできたかもしれません。

人は、すべからく死ぬ時「ゼロ」を目指すのが良い。

こう説いたのが、本日ご紹介する一冊、『DIE WITH ZERO ゼロで死ね。』です。

著者は、アメリカ領ヴァージン諸島を拠点とするコンサルティング会社「BrisaMaxホールディングス」のCEOであり、かつてウォールストリートのトレーダーとして成功したビル・パーキンス氏。

現在は、1億2000万ドルの資産を抱えるヘッジファンドのマネージャーでありながら、ハリウッド映画のプロデューサー、ポーカープレーヤーの顔も持つ人物で、これが処女作となります。

著者は本書の前半で、われわれが人生の喜びを先送りしすぎている事実を嘆き、こう警鐘を鳴らしています。

<残念なことに、私たちは喜びを先送りしすぎている。手遅れになるまでやりたいことを我慢し、ただただ金を節約する。人生が無限に続くかのような気持ちで>

では、どんな生き方をすればいいのか。

著者は、こう説いています。

<人生の充実度を高めるのは、“そのときどきに相応しい経験”なのだ。時間と金という限りある資源を、いつ、何に使うか──。この重要な決断を下すことで、私たちは豊かな人生を送れるのである>

ウォールストリート出身の著者だけあって、人生の残り時間に必要なお金の計算方法から、資産をいつどのように切り崩すか、寄付・相続はいつがいいかまで、具体的に述べています。

後悔しない豊かな人生を送るために、すべての方におすすめしたい内容です。

さっそく、本文の中から気になったポイントを赤ペンチェックして行きましょう。

—————————-

人生で一番大切な仕事は「思い出づくり」

金を稼ぐことだけに費やした年月は二度と返ってこない

金の価値を最大化できる年齢は26~35歳

慈善事業が取り組んでいる問題は「今」起きているからだ。それを解決するのに相応しいのは将来ではない。今なのだ

貯蓄に回すべき割合は、20代、30代、40代、50代と年齢によって変えていく

まだ健康で体力があるうちに、金を使ったほうがいい

金ではなく、健康と時間を重視すること。それが人生の満足度を上げるコツ

中年期には、金で時間を買いなさい

◆死ぬ前に後悔することトップ2
「勇気を出して、もっと自分に忠実に生きればよかった」
「働きすぎなかったらよかった」

「死ぬまでにやりたいことリスト」に期間を設定すると見えてくるのは、物事にはそれを行うための相応しい時期がある、という事実だ

人生のある段階で、まだ経験から多くの楽しみを引き出せる体力があるうちに、純資産を取り崩していくべき

実際のところ、老後にどれくらいの資産を最低限用意すればいいのか。私は、「毎年の生活費×残りの年数」の70%ほどをすすめている

老後資金を必要以上に増やそうと働き続けると、何か(金)は得られても、それ以上に貴重なもの(時間と健康)を逃してしまうことになる

資産を減らすポイントは45~60歳

ピークの時期を迎えたら、稼いでいる以上の金を使わなければならない。そうしなければ資産が減らないからだ

年を取ると、失うものは増える。成功して得られるものも少なくなる

若くはない人でも大胆になるべきときがある。それは、苦労して稼いだ金をいつ使うかを判断するときだ

—————————-

日本人も本書の例に漏れず、資産を遺して死ぬケースが多いわけですが、それがいかに馬鹿げたことなのか、本書を読むと痛感すると思います。

なかなか仕事から降りられない問題についても、「でも、仕事が好きだから問題」と称して解決策を説いており、じつに痛快な内容です。

日本のお金持ちは、節税のために好きでもないシンガポールに住んだり、有名絵画を不当に高い値段で買ったり、よくわからないタイミングで寄付したり、残念な使い方をする人が多いのですが、そんなお金持ちにもおすすめの内容です。

ぜひ読んでみてください。

———————————————–

『DIE WITH ZERO ゼロで死ね。』
ビル・パーキンス・著 児島修・訳 ダイヤモンド社

<Amazon.co.jpで購入する>
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478109680/

<Kindleで購入する>
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B08K88Z2XR/

———————————————–
◆目次◆

ルール1 「今しかできないこと」に投資する
ルール2 一刻も早く経験に金を使う
ルール3 ゼロで死ぬ
ルール4 人生最後の日を意識する
ルール5 子どもには死ぬ「前」に与える
ルール6 年齢にあわせて「金、健康、時間」を最適化する
ルール7 やりたいことの「賞味期限」を意識する
ルール8 45~60歳に資産を取り崩し始める
ルール9 大胆にリスクを取る

この書評に関連度が高い書評

この書籍に関するTwitterでのコメント

同じカテゴリーで売れている書籍(Amazon.co.jp)

NEWS

RSS

お知らせはまだありません。

過去のアーカイブ

カレンダー