【ビジネスパーソンの教養として】
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昨日は、『「覇権」で読み解けば世界史がわかる』をご紹介しましたが、今日は地理の本をご紹介します。
※参考:『「覇権」で読み解けば世界史がわかる』
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思うに、ビジネスパーソンの教養には2種類あると思っています。
それは、変わらないもの(歴史や原理原則)と変わるもの(地理や社会情勢など)です。
本日ご紹介する一冊は、後者の「変わるもの」を扱った教養の書。
河合塾「東大地理」の講師、伊藤彰芳さんが、東大の入試問題を題材に、世界の地理や社会情勢を読む「視点」を提供してくれます。
話題の南シナ海問題や、エネルギー・環境問題、世界のインターネットと国際電話の利用者率からわかること、日本の輸出入の基本データなど、ビジネスパーソンなら押さえておきたい「常識」がびっしり詰まっています。
・日本の主要水産物の上位輸入国と輸入額
・アジアのパソコン生産台数ランキング
・アメリカ合衆国の主な州の人口、人口増加率
などは、知っておくと雑学・クイズのネタになること請け合いです。
ざっと、気になる部分だけ見て行きましょう。
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ヨーロッパのEU28か国のうち、英語を公用語としている国は、イギリス、アイルランド、マルタの3か国しかありません
インドは、サービス貿易の『通信・コンピュータ・情報サービス』分野では、受取額が世界1位、収支も世界1位です
東アジア地域で2000年代に入って航空貨物が急増したのは、付加価値の高い工業製品の生産が急増したため
国際電話が最も少ない(b)が日本、極端に多い(C)がシンガポール
たくさんの人口を抱えるためには、それなりの食料生産ができなければいけません。実際に、中国とインドは、米、小麦の生産では、世界1位・2位の国です。インドは面積が1/3程度なのに、中国に次ぐ食料生産ができる理由としては、中国よりも低緯度にあって気温にも恵まれ、季節風による降水が多いことが挙げられます
日本の主要水産物の上位輸入国と輸入額(2014年)
エビ 輸入額 計 2200億円
1位ベトナム 20.9% 2位インド 16.8% 3位インドネシア16.7%
さけ・ます 輸入額 計 1900億円
1位チリ 62.4% 2位ノルウェー21.5% 3位ロシア9.6%
マグロ 輸入額 計1870億円
1位台湾 21.1% 2位韓国 12.0% 3位中国 10.9%
中国の200海里経済水域の順位は、このデータによると、国土面積は第4位の国なのに、40位です
北極圏航路は、海氷の縮小で利用が可能となったことで、アジアとヨーロッパを結ぶ航路として、ロシアをはじめノルウェーやカナダなどの沿岸国によって検討され、実用化が進められています
◆アメリカ合衆国の主な州の人口、人口増加率
ニューヨーク 人口1975万人 人口増加率0.48
テキサス 人口2696万人 人口増加率1.92
カリフォルニア 人口3880万人 人口増加率1.23
日本には約6,800トンの金が地上に眠っていて、世界の現有埋蔵量42,000トンの約16%に匹敵するといわれます(都市鉱山)
10億ドルを超える輸入をした国は、アメリカ合衆国が8か国、中国は9か国と、ほぼ同数で、中国のアフリカでの存在感が強まっていることがわかります。ともに多かったのは、ナイジェリアやアンゴラ、南アフリカ共和国、コンゴ民主共和国など資源産出国です
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提示されているデータが、世界の変化を表現しており、じつに興味深く読むことができました。
ほとんどの社会人にとって、地理は高校卒業以来、アップデートされていない科目。
いまだにカカオ豆の生産世界一がガーナだと思い込んでいる方は、これを機にアップデートしておきましょう。
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『東大のクールな地理』
伊藤彰芳・著 青春出版社
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◆目次◆
1日目 国境をまたぐ人・モノ・カネ・情報
2日目 中国、東・東南アジア 世界のエンジンから「世界の市場」へ
3日目 アメリカ合衆国 姿を変える「唯一の超大国」のこれから
4日目 EU 国家連合の深化と拡大、そして…
5日目 途上国 モノカルチャー経済からの脱却・経済発展とその歪み
6日目 日本と世界 ニュースや新聞が伝えないグローバルな変化
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