2016年9月4日

『「最高の上司」は嫌われる』 マルクス・ヨッツォ・著 長谷川圭・訳 vol.4428

【最強チームを作るリーダーの条件とは?】
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「優しいリーダーか、それとも厳しいリーダーか」

長いこと、ビジネス書を読んでいますが、この対立は昔からあるもの。

成功しているリーダーには、どちらのタイプも存在するため、なかなか難しい議論だと思います。

本日ご紹介する一冊は、どちらかと言えば後者を推奨する一冊。

とはいえ、昔ながらの「苛烈な上司」ではなく、部下の成果や成長を厳しく見守っていく、知的生産の時代にふさわしいマネジメントスタイルを提唱しています。

著者のマルクス・ヨッツォ氏は、ユニリーバで8年間管理職を務めた経験を活かし、「リーダーシップ・デベロップメント研究所」を設立した、リーダー育成の専門コーチ。現在はハンブルクに在住しているようです。

本書には、上司が優れた結果を得るためのステップや、部下への権限委譲の仕方、指導の仕方、チームの無駄をなくすための方法論などが示されています。

「ボーナスを報酬ではなく、慰謝料と見なす」
「チームボーナスを導入する」

という視点は、これまでなかったので、斬新でした。

大企業から小企業まで、幅広く応用できるアイデアが示されています。

さっそく中身をチェックして行きましょう。

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時折プライベートな質問をするだけでは不十分。本当の関心とは、答えをしっかりと聞き、覚えること、そして特徴、趣味、社外での活動などから、その人材の人となりを把握すること

自立を求めるあまり、仕事を与えたきり、部下の前から姿をくらますようではだめだ。上司であるあなたの姿が見えなくなると、部下は道しるべをなくし、責任ある仕事を与えられて生じた自信もすぐに失ってしまう

ボーナスを報酬ではなく、慰謝料と見なす

チームボーナスを導入する

大きな目標を達成するための五つのステップ
【ステップ1】天才的な発想、困難な挑戦を受け入れる。「何が現実的か」ではなく、「何が望ましいか」を考える
【ステップ2】一見したところ、不可能と思われるアイデアを可能にするための条件、フレームワークを整備する
【ステップ3】あなたの情熱を部下に共有させる
【ステップ4】困難に直面しても、あきらめないように部下を鼓舞する
【ステップ5】失敗した場合の代償を払う覚悟をする

リーダーはこう言うべきだ──「君たちが無理だと思っていることはわかった。では、うまくいくためには何が欠けているのか、意見を聞かせてくれ」。どんな問題も解決できる、と部下にはっきりと示すことが重要

チームのなかにひとり、フィードバックを得られず、そのため成長もできない人物が存在する。その人物は、自分の働きがどう評価されているのかわからない。だれも客観的で正直な意見を言わない。配達員や清掃員ではない。フィードバックをもらえない人物とはリーダー、そう、あなただ

あなたのチームのオフィスから「時間の無駄」を追いだす必要がある。そのために、チームが抱えるすべてのプロジェクトや案件を次の三つのグループに分類してみよう
・エネルギーの浪費
・食べるための仕事
・ドリームプロジェクト

リーダーとしての考え方を本当に身につけてもらうには、毎日手本を示し続けるしかない

「成長するのも仕事の一部」という意識を部下にもってもらう

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「小物は追わない。大きな獲物を狙う」という言葉に代表されるように、一貫して大きな成果を狙う姿勢の本であり、リーダーとしては大いに鼓舞される内容です。

と同時に、部下の心をケアする必要性にも触れられており、とてもバランスの良い本だと思いました。

ぜひチェックしてみてください。

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『「最高の上司」は嫌われる』
マルクス・ヨッツォ・著 長谷川圭・訳 CCCメディアハウス

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◆目次◆

第1章 情熱 与えられた以上の仕事をする部下を育てる方法
第2章 企業の代弁者 「最高の上司」が他人に厳しいわけ
第3章 翼を授ける チームを自立させる方法
第4章 ボーナス? それとも……
第5章 山を動かせ ハードルは高いほうがいい
第6章 垣根を取り払え 一丸となって目標よりも大きな成果を残す方法
第7章 ノーと言える部下 全力を尽くす部下はいらない
第8章 対戦相手 リーダーにもフィードバックが必要
第9章 夢をつかめ 小さなプロジェクトにサヨナラ
第10章 バックアップ 「最高の上司」は毎日がホリデー

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