2016年3月13日

『課長1年目の教科書』平康慶浩・著 vol.4254

【人事コンサルタントが教えるキャリア戦略】
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セガ時代に2回、アマゾン時代に3回、上司が変わりました。

その都度、対応が必要で、それなりにうまくやったつもりではいますが、もし自分が組織のなかで出世しようと思ったら、どうしたら正解だったのだろう、と今でも思うことがあります。

人事制度は複雑で、多くの場合、組織内できちんとした出世のルールは説明されません。

恐ろしいことに、日本の大企業には、「3年で出世が決まる」という厳然としたルールをご存じない方までいらっしゃるのです。

しかし、黙って努力していれば出世・昇給がついてきた昔と違って、現在は、役職が付かないと給料も上がらない時代になりつつあります。

そこで学んでおきたいのが、企業における出世・昇給のルール。

マネジャーになるため、役員になるために何が必要なのか、しっかりと基礎を叩き込んでくれるのが、本日ご紹介する『課長1年目の教科書』です。

最近の人事のトレンドもきっちり書き込まれており、じつに勉強になりました。

自分が今もサラリーマンだったら、間違いなく読んで実践している内容です。

さっそく、そのエッセンスを見て行きましょう。

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現在、多くの企業はレンジシートを前提として、年齢もイメージしながら昇給の仕組みを運用しています。具体的に言うと、「42歳くらいまでは基本的に昇給させるけど、課長になれない限り、給与はレンジシートの天井より上には増えませんよ」ということです。そして、このレンジシートの上限に達する年齢は、今後は30代へ下がっていきます

秩序を保ち、課を引っ張るためには、課長がある程度の権威を見せる必要があります。ですから、先に部下と飲みに行くのではなく、会議という堅苦しい場を設け、オフィシャルな議論を取り仕切ることです。そして、そこで出てきた意見に対してきちんと受け止め、課としてのゴールを定めていくこと。その際、特に重要なのは会議で発言をした一人ひとりに対して、リアクションすることです

一方、課長になったとき、最初に外へ誘うべきなのは部下ではなく、上司です。もし、あなたがお酒好きだったらちょうどいい。管理職になった時点で、上司に声をかけて飲みに行きましょう。誘い文句は「おごってください」でもいいですし、「僕が昇進したのは◯◯さんのおかげなんで、おごらせてください」でもかまいません

◆人事に「管理職の適性あり」と印象付けられる5つの行動評価
1.リーダーシップ:率先して組織を率いることができているか
2.顧客満足:顧客満足度を高めるための行動ができているか
3.組織専門力向上:結果の成否を問わず、組織の業績を自己の問題としているか
4.事務管理:部下に適切な指示を出し、業務を遂行できているか
5.人材育成:部下の行動特性に合わせた指導を行えているか

主語を「私が」ではなく、「私たちが」で話すこと

会社のお金を自分のお金だと思って大切に使えるようになる

◆課長に求められる4つの力
「魅せる」(ゴールへの共感を生む)
「認める」(正しい方向性を示す)
「楽しむ」(行動を生み出す)
「怒る」(間違った方向性を正す)

同族型の上司を超えるには、相手の持っていない力を伸ばしていくこと

相反型の上司とは補完関係を目指す

相反型の上司を超えるためにはあなたの支持者を増やしていくこと

上司があなたの得意とする分野でより優れた力を発揮している以上、前に出ようとしてはいけません

劣化型の上司の下では名より実をとる(年長者への敬意を持って接する)

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なかでも興味深かったのは、「上司のタイプに応じた心構えと行動」と見出しが立っている部分で、自分と上司の関係によって使いこなす態度・対応が明確に書かれている点が参考になりました。

ほかにも、「課長に求められる4つの力」、「『管理職の適性あり』と思わせるための行動」など、興味深い内容がたくさんありました。

これはぜひチェックしてみてください。

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『課長1年目の教科書』平康慶浩・著 かんき出版
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◆目次◆

課長からが出世の本番だ──はじめに
I部 現状分析・戦略編
第1章 課長というキャリアステップの意味
第2章 課長からの出世はこう変わる
第3章 課長からのキャリア戦略
II部 キャリア実践編
第4章 課長の心構えと部下へのリーダーシップ
第5章 上司を攻略するための4つの視点
第6章 経験を増やすための行動
おわりに

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