【物流を学ぶ】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4761270403
本日の一冊は、物流・貿易研究所代表、通関士、JETRO認定貿易アドバイザーの著者が、ビジネスの基本である「物流」を解説した入門書。
勤めている業界、企業、部署によっては、物流とまったく縁のない方もいるかもしれませんが、ビジネスの基本が「需要を満たすこと」である以上、余っているところから不足しているところにモノを移動するのは、当然のプロセスです。
となると、そこには必然的に「物流」が発生してくる。
戦略の教科書にも、兵站(Logistics)は重要と書かれているわけですから、ぜひこの機会に学んでしまいましょう。
本書の冒頭に書かれているように、かつて物流は、このように言われていました。
「物流は利益を生まないコストセンターである」
しかし、近年では様子が変わり、コスト削減や効率化によって利益が生まれたり、お急ぎ便無料を謳う「Amazonプライム」のように、物流のスピーディーさが利益を生んだりしています。
本書では、そんな物流の基本(在庫管理、仕入れと発注、物流コストの4分類、物流センターの実際など)が効率良く学べるように書かれており、初心者には重宝する内容です。
※参考:物流コストの4分類
【保管】倉庫賃貸費用、自動倉庫管理費、棚、火災保険 など
【配送】チャーター車両費用、宅配便、自社トラック など
【人】物流担当者、作業員、パート、営業担当(物流会社) など
【システム】物流システム、受発注システム など
個人的な体験からも、物流を学ぶことはビジネスの視野を広げてくれると確信しておりますので、ぜひこの機会に読んでみてください。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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インターネットを中心とする通信販売企業の躍進により、物流の形態が「多頻度小口配送」へとシフトしています
在庫を削減して物流センターが小さくなれば、入出庫時の動線(歩く距離)が短くなるため、作業効率が上がります。すると、少ない人員で作業することができるようになります
ROA=経常利益÷総資産
在庫を減らせばそのぶん総資産も減るので、ROAが高くなる
◆在庫の減らし方
1.生産品目・取扱品目の縮小化
2.動きが鈍い品目の受注生産化
3.部品の共通化
4.在庫拠点の集約
5.仕入れと発注のコントロール
「ロケーション管理」とは物流センター内のどこに、何が何個置かれているかを管理することです。通常、すべての保管場所に番地を振ることで、何がどこに置いてあるかがすぐにわかるようになっています
欧米では「引取物流」が進んでいます。これは、買主が売主の物流センターに貨物を取りにいく方式です。引取物流による買主のメリットは、物流コストを明確化することができる点です
物流コスト比率がいちばん低い業種は、医薬品で1.29%、いちばん高い業種は通販で、12.09%という結果が出ています。医薬品メーカーの物流コスト比率が低い理由は、医薬品は小さく、軽く、高価であることと、販売先が医薬品卸売業者とドラッグストアというように限定されているため、ある程度の量をまとめて配送することができるからです
◆物流の6つの機能
「包装」「輸送」「保管」「荷役」「流通加工」「それらに関連する情報管理」
日本で登録されているトラックは、約757万台
在庫は部品で持つべし
棚卸をラクにする方法のひとつに、循環棚卸(サイクル・カウンティング)があります。これは、物流センター内にある商品をいくつかのブロックにわけて、ブロックごとに毎日順番に棚卸する方法です
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『2時間で丸わかり 物流の基本を学ぶ』木村徹・著 かんき出版
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4761270403
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◆目次◆
第1章 ロジスティクスは会社の利益に直結する重要な部門
第2章 物流にかかるお金の話
第3章 いまさら聞けない物流の基礎知識
第4章 物流現場では何が行われているのか?
第5章 先輩から一目置かれる、覚えておきたい知識
第6章 これからはロジスティクスとSCMの時代
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