2013年12月3日

『リーダーのための仕事論』丹羽宇一郎・著 vol.3423

【引き締まります。】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4022735333

本日の一冊は、伊藤忠商事の代表取締役社長として、4000億円あった不良資産を一括処理し、同社史上最高益(当時)を叩き出した丹羽宇一郎氏による、『リーダーのための仕事論』。

タイトルに偽りなく、まさにリーダーだからこそ必要な考え方、心構え、仕事の進め方をまとめており、じつに気の引き締まる、逆に言えば耳に痛い一冊です。

第一章のエピソードで紹介されていますが、著者は生前の城山三郎さんに、こんな言葉を教えてもらったそうです。

「君はアリになれるか、トンボになれるか、人間になれるか」

「アリ」とは入社してから10年くらいの間のこと、「トンボ」とは、仕事の何たるかがわかり、複眼的にモノを見るようになる段階のこと、そして最後、「人間」とは、温かい血が通うリーダーになること、を意味しています。

本書が扱うのは、主に2番目、3番目の「トンボ」「人間」の部分。なかでも、部下や周囲を慮るリーダーの心構えは、じつに心を打つ内容でした。

いくつか、教訓を抜き出してみましょう。

<本当に仕事ができる人、また素晴らしいリーダーだといわれるような人は、絶えず相手の立場を考えているものです。何か仕事でミスがあったときだって、公衆の面前で罵倒するようなことは決してしないでしょう。しかし他人に厳しいタイプは、「誰にだって間違いはある」と考える心の余裕がありません。まして「自分だってミスをしながら成長してきた」などとは考えも及ばない>

<愛されかつ恐れられるリーダーをつくる「心」とは何か? 私はそれを一言で言えば「仁」という言葉になるのではないかと思います(中略)「仁」とは何か。それは個人的な愛を超えた、広くあまねく社会や世界に対する愛であり、「自分のため」といった自己利益を超えた無私の愛です>

軽い気持ちで手に取った新書でしたが、思わずのめり込み、読み耽ってしまいました。

ぜひおすすめしたい一冊です。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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部下の「履歴」を頭に入れよ

利益の根源に迫る

部下に対しては、数値目標を達成させることより、「本当にやりたいことは何か」を問うようにしていました。そして単に「やりたい」というだけではなくて、それでどのくらい稼ぐつもりなのかを聞いていました

たとえプライベートであっても、身の周りにあるものすべて、会社の儲けと切り離して考えるべきではない

願望と実体を合致させようと努力を重ねるのは、「いい虚栄心」

漫画でもエロ本でも、反吐が出るまで徹底して読めばいいのです。そのうちに「なんだ、こんなもの、時間が惜しい」と思うようになるでしょう

本当に仕事ができる人、また素晴らしいリーダーだといわれるような人は、絶えず相手の立場を考えているものです。何か仕事でミスがあったときだって、公衆の面前で罵倒するようなことは決してしないでしょう。しかし他人に厳しいタイプは、「誰にだって間違いはある」と考える心の余裕がありません。まして「自分だってミスをしながら成長してきた」などとは考えも及ばない

数十年先を見据えた場合、私はライフサイエンス(生命科学)の分野が産業に大きく寄与するのではないかと思っています

やはりトップの言葉は「ファイナル・ワン」です。つまり訂正が利かないと思ったほうがいい

リーダーの逆境に対する強さこそ、闇を照らす一筋の光

愛されかつ恐れられるリーダーをつくる「心」とは何か? 私はそれを一言で言えば「仁」という言葉になるのではないかと思います

「仁」とは何か。それは個人的な愛を超えた、広くあまねく社会や世界に対する愛であり、「自分のため」といった自己利益を超えた無私の愛です

「国の富は国民の富の総和であり、国が栄えるとはその大小はあれ、国民一人ひとりが一定の生活水準を維持していくことが前提である」

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『リーダーのための仕事論』丹羽宇一郎・著 朝日新聞出版
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/ 4022735333

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◆目次◆

第一章 リーダーになったら、まず心すべきこと
第二章 部下を育てながら、結果を出す
第三章 リーダーに求められる「伝える力」
第四章 リーダーは決断力をどう養うか
第五章 リーダーは学び続けよ
第六章 今、日本に求められるリーダーシップ

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