【成功者はいつ成功したか】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4198636486
本日の一冊は、東洋経済新報社、コンデナスト・ジャパンを経て独立し、新旧の経営者の情報に精通しているジャーナリスト、國貞文隆さんによる一冊。
正直、タイトルはピンと来ませんでしたが、中身は起業家たちがいつ、どのタイミングでチャンスを掴んだか、転換期を迎えたか、評伝などの資料をもとに論じた一冊。
ビル・ゲイツ、ウォーレン・バフェット、ジョージ・ソロス、小林一三、本田宗一郎、出光佐三、岩崎弥太郎といった、有名起業家・投資家を取り上げ、それぞれの仕事哲学、時間の使い方などを紹介しています。
興味深かったのは、成功者の多くが40代以降に成功していること。
大半の成功者が30代~40代に方向転換しているという記述も、新鮮でした。
ちなみにいくつか紹介しておくと、CSK(現・SCSK)の創業者である大川功氏が、同社の前身となるコンピュータサービス株式会社を始めたのが42歳。三菱財閥をつくった岩崎弥太郎が成功のきっかけをつかんだのが40歳前後、本田宗一郎が会社を売却して「人間休業」を宣言したのが39歳、同じく本田技研工業を設立したのが42歳…。
こうしてみると、成功者というのは意外と遅咲きなのだということがよくわかります。
では、スタートが遅れた成功者たちがうまく行った理由は何なのか。
それは、著者が言うように、<大勢の人がいない「場所」と「時間」を選んだから>にほかなりません。
成功者たちがどんなところに目をつけ、何を捨てて事業に集中したのか。具体的なエピソードが、読ませてくれる一冊です。
情報が多すぎて中だるみするのと、最近の経営者を論じた部分の資料がほぼビジネス書、ということで後半、既視感があるのが残念ですが、エッセンスをよくまとめています。
成功を志す人に、ぜひ読んでいただきたい一冊です。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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学歴や職歴も関係ない。必要なのはただ一つ、自分が目指すものを実行するのか、しないのか、それだけだ。そのうえで一番大事なのが、働く「時間」と「場所」とを選ぶことなのである
仕事とは本来、自分で面白くするものだ。自分しかできないことを目指して、時間をかけて努力してこそ報われる
「なぜ、その分野を選んだのですか」ほとんどの成功者はその問いに対し、拍子抜けするくらい同じ答えを返してくる。「皆があちら側にいくから、私は皆とは違うこちら側を選んだだけなんです」
仕事をしている時間はアウトプットの時間(新人にとってはインプットの時間でもある)、それ以外はインプットの時間だと考える
大勢と同じではない時間に動く
もし長時間仕事をしたり、不規則な仕事であれば、職場と住居を近付けることが一番の解決法だ
仕事で成功する気があるのならば、まずは職場に近い住居を探すこと
ゲイツが仕事で最も興が乗るのがなんと午前2時なのである。そこから36時間続けて仕事をして、倒れるように眠りに落ちて10時間ほど睡眠をとって、ピザを食べて、また深夜の午後3時から仕事を始めるという生活だった
チキンラーメンが発売された当時、百福は48歳だった。カップヌードルを開発し、発売までこぎつけたのは61歳のときのことだ
「いずれにしても、自分は出遅れている。いわば負け犬だ。その負け犬が勝ち犬になるためには参入障壁のない世界、いわゆる『のれん』のない未成熟の分野で勝負するしかない」(CSK創業者大川功氏)
大半の成功者は、ほぼ30~40代にかけて方向転換しているケースが多い
一流の人はオーラがある。凡人は、その不思議なオーラに惹きつけられる。そのオーラとは、仕事を一生懸命することでしか獲得できないのである
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『なぜあの人は「時間」を味方につけることができたのか』國貞文隆・著 徳間書店
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/ 4198636486
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◆目次◆
まえがき 成功する人は「時間」と「場所」を選んでいる
第1章 「時間」に哲学をもち、積極的に投資する
第2章 早熟型を目指すか、それとも大器晩成型か
第3章 成功するまでに必要な長い年月
第4章 他人と同じことをしない技術
第5章 成功するために、いかに毎日を過ごすべきか
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