【コンテンツビジネスはこう動く。】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/404080001X
本日、新生KADOKAWAが、新たにEPUB選書を創刊しました。
ご紹介する一冊は、株式会社KADOKAWA取締役会長、角川歴彦氏による『グーグル、アップルに負けない著作権法』です。
日本がITビジネスに後れを取ったことは周知の事実ですが、本書は、この間、デジタル世界で起こったことを整理し、ITのメインプレイヤーたちがどんなサービスを打ち出し、どう勢力図を塗り替えているのか、これからどこへ進むのか、現状と未来予想図を描き出しています。
音楽ビジネスで劇的勝利を収め、iCloudを中核に、全てが同期する世界を築こうとしているアップル、広告モデルなのをいいことに、あらゆるサービスを無料で提供し、マイクロソフトの牙城を崩したグーグル、そして巨大ネット小売であり、電子書籍で優位を持つアマゾン。これにフェイスブックを加えて、「ギャング4」と言うようですが、本書ではこのギャング4を中心に、コンテンツ業界に起こっている変化を、取引のある当事者の立場から書いています。
クラウドの理想ともいうべき「オープン」なデバイスフリーの実現、スマートテレビが持つ可能性、ギャング4が狙う、スマートイノベーションの全産業への拡張…。
仁義なき戦いが、一体どこで終結するのか、著者なりの意見が示されています。
最終章には、ドワンゴの川上会長、MITメディアラボの伊藤穣一氏はじめ、有識者との対談も収められており、なかなかお得感のある一冊です。
これからのコンテンツ産業、メディア産業の行方を教えてくれる、業界人必読の一冊です。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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クラウドの世界、時代になると、強者は物や権利を持っている人じゃないんだよね。YouTubeにしても。トラフィックとブランドを持っている人が強い(伊藤穣一氏)
巨大化した企業同士の壮大なバトルはいずれ決着すると考える。遠くない将来に、モバイルコンピューティングは互換性システムに向かって動き出し、クラウドの理想ともいうべき「オープン」なデバイスフリーが実現する
個人のメディア接触時間は1日平均4時間24分(264分)。そのうちモバイル、PC、タブレット、そしてテレビで3時間58分(238分)。この4スクリーンに依存しない新聞、ラジオ、そして雑誌はわずか26分だという
「スマートテレビ」とは、Webブラウザが標準装備され、高い処理能力を持つCPUが搭載され、スマートフォンで体験するソーシャルゲームや膨大なアプリを利用できる次世代テレビ
ツイッターやフェイスブックなどのソーシャルメディアで、コメントをつけられたリンクが何日・何時間クリックされるか調査した人がいる。人気のないリンクは2時間で関心が失われる。人気のあるリンクは11時間以上続くが、17時間経つとクリック
はほぼ終了するという
これまではテレビがファーストスクリーンで、モバイルやタブレットをセカンドスクリーンとして活用するアプリが主流だった。しかしテレビの「ながら視聴」中心の利用実態からすると、本当はこれまでもモバイルやタブレットがファーストスクリーンだったというのである。例えばテレビを見ながらツイッターをするのではなく、ツイッターをするのが目的でツイートする話題を探してテレビを見ているという
フリーがもたらすという「チープ革命」はまやかしだと私は思う。IT業界のビジネスモデルは有料課金か、広告による無料サービスの二つしかない。戦略としていずれを選択するかだけである
時代が変われば出版も変わる。人を感動させる道筋は多様でいい。文化は多様性が生命なのだ
ギャング4は自動車をはじめデジタル化された全ての“モノ”を情報機器化し、自らの陣営に組み込もうという桁外れの野心を持つようになった。その欲求の肥大化はとどまるところを知らない。アップルはiOS、グーグルはアンドロイドとクロームOSを武器に、スマートイノベーションの可能性を4スクリーンから全産業へと拡張しようとしているのだ
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『グーグル、アップルに負けない著作権法』角川歴彦・著 KADOKAWA
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/404080001X
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◆目次◆
第1章 コンテンツのクラウド型流通と情報端末が変える著作権
第2章 スマートテレビと著作権
第3章 エコシステムと著作権
第4章 著作権の現状と将来を語る
対談1 21世紀の技術に即した著作権法を
中山信弘(明治大学特任教授・東京大学名誉教授・弁護士)
対談2 コンテンツはソーシャル化する
川上量生(株式会社ドワンゴ代表取締役会長)
対談3 電子書籍流通センター構想
長尾真(元・国立国会図書館長)
対談4 文化の伝道者に与えるべき権利とは
村瀬拓男(弁護士)
対談5 著作権をいくら強くしても、著作者は儲からない
伊藤穣一(MITメディアラボ所長)
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