【佐藤可士和の仕事哲学】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4883352722
本日の一冊は、ユニクロや楽天グループ、セブン-イレブンなど、名立たる大企業をクライアントに持ち、最近では売れ行き絶好調のホンダ「NBOX」でも注目されたクリエイティブディレクターの佐藤可士和さんが、その仕事哲学を語った一冊。
もともと「ブレーン」誌上で連載していたもので、「学生のうちにしておいた方がいいこと」や、「やりたいことを仕事にするには?」「いい仕事を続けていくために大切なことは?」など、若手の疑問に答える形で、仕事へのアドバイスがつづられています。
<たとえクライアントがそこまで求めていなくても、よりよいクリエイティブを求める>
<目的に対して機能的か、そのものの本質をつかんでいるかどうか>
など、氏の仕事に対するこだわりやスタイルがわかる内容で、これからビジネスの世界に打って出る若者には、ぜひ読んでおいていただきたい教訓が詰まっています。
また、気鋭のアートディレクター/クリエイティブディレクター、佐藤可士和がどうやってできたのか、幼少期のエピソードも紹介されており、興味深く読むことができました。
同級生からのリクエストで当時人気だった「デビルマン」や「天才バカボン」の絵を描き、教室に行列をつくったこと、親が用意した洋服の配色が気に食わないと泣いて怒ったこと、ランドセルをわざとアスファルトに擦りつけて味のあるものにしたことなど、やはり人間の興味や才能の芽生えは、幼少期にあるのだと確信させられます。
天職探しのヒントが欲しい方にも、役立つ一冊だと思います。
ぜひチェックしてみてください。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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たとえクライアントがそこまで求めていなくても、よりよいクリエイティブを求めるのは、自分の職業に対するこだわりや、誇りだと思います
「価値の転換ができているかどうか」は常に、仕事の重要なものさしのひとつです
スタイリッシュだけど売れないパッケージと、ベタだけど売れているパッケージ、どちらがより良いデザインか。若い頃の僕だったら、前者を選んでいたかもしれない。でも、そうではないのです。つまり良いデザインというのは、表面的な造形の美しさではなく、目的に対して機能的か、そのものの本質をつかんでいるかどうかの方が重要だと僕は考えています
自分の軸というのは、高速で回転するコマのようなものです。コマは回転していなければ止まってしまいますよね。それと同じで、自分の脳をいつも高速で回転させていなければ、軸がブレて倒れてしまいます。かといって、コマを釘で打ちつけて固定すればいいということじゃない。クライアントに求められる場所に自由に移動できなければならない
優れたコンセプトこそが人を動かします。多くの人が感覚的に理解できる仕組みやコンセプトをデザインすることが、規模の大きいプロジェクトでは特に重要
自分の作風にはこだわらない
徹底的にそぎ落とし本質に迫る
一番の情報源は仕事
未来は、いつも人の頭の中にあります
◆ホンダ「NBOX」のネーミングの由来
ホンダが初めてつくった乗用車が、「N360」という名前の軽自動車だったんです。その「N」を継承しました。これが、社内的にかなり盛り上がりました。販売店のスタッフもその由来をわかっているから、お客さんに説明して薦めてくれるんです。「ホンダが初めてつくった軽自動車の名前を冠している、F1のエンジニアが手がけたスモールカーなんですよ」って
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『佐藤可士和さん、仕事って楽しいですか?』佐藤可士和・著 宣伝会議
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◆目次◆
第1章 世の中をどんなふうに見ていますか?
第2章 やりたいことを仕事にするには?
第3章 こんなとき、どう考えますか?
第4章 いい仕事を続けていくために大切なことは?
第5章 佐藤可士和インタビュー
社会をキャンバスに、デザインという絵の具で表現する
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