【「いいひと」が正解な理由とは?】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4838724063
本日の一冊は、社員が毎月社長にお金を払う画期的な実験組織FREEexを立ち上げ、「評価経済社会」はじめ、数々のユニークなコンセプトを打ち出してきた著者が、超情報化社会で生きるための戦略「いいひと」戦略を論じた一冊。
著者によると、自分を差別化するために「イヤな人戦略」を取るのは、ネット時代には有効ではない。
また、ビジネスは「ダメな業界」であり、「お金は非効率」であるとも言っています。
現在は、情報リテラシーがあれば、コンテンツはタダで手に入る時代であり、ネット上で評価の高い個人は、その評価により、欲しいものを手に入れられる。
反対に、あらゆる情報がネット上に出てしまう時代に、悪い評判を得てしまうと、間違いなく不利になる。
本書では、そんな時代に、われわれがどうすれば「いいひと」になれるのか、対人関係に悩まされずに済むのか、貨幣経済から部分的にでも脱却できるのか、そのヒントをまとめています。
興味深かったのは、著者が「3つのリスト」としてまとめた、貨幣経済から脱却する方法。
◆貨幣経済社会から脱出するための「3つのリスト」
1.ウィッシュリスト
2.できますリスト
3.あげますリスト
土井もメルマガやTwitter、Facebookを通じて同様のことを実験しているので、これは面白い試みだと思いました。
欲しいものやできること、あげてもいいものを公言することで、部分的な物々交換が成立する。
また、1カ月に3万円しか稼げないビジネスを10個持つ「月3万円ビジネス」の考え方も、参考になりました。
問題は、すべての人が同様の戦略をとった場合ですが、おそらくすべての人が「いいひと」になったら、相対的に「嫌な人」は、他の人が見向きもしないバリュー株になると思うのです。
バイヤーとしては、そういう案件こそ、買いたいと思うのですが、こればかりは、実際にそういう社会が実現するまでは、わかりません。
SNSがどういう社会を作るのか、そのなかでわれわれはどう生き抜けばいいのか、ひとつのヒントとなる本だと思います。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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いっけん損に見える言動が、実は長期的には利得になる
他人の悪口を言うときは一番広い場所で言う。自分の弱点も積極的に話す。これが結局、最大の防御になる
いいひとは、「投資した方が儲かるから」といった経済合理性では動いてくれません。「投資してあの人を助けてあげたい」という自分の気持ちで動きます
評価経済社会とは、お金よりも評価が価値をもつ社会のことです。いいことをした人は評価が高まり、逆に悪いことをした人の評価はどんどん下がっていきます
今、ネット社会では、評価経済が1位で、貨幣経済は2位です。私たちはそういう社会に生きています
お金は「終わコン」になってしまった
日本の景気が良くなったとしても、二度と広告なんかに使うことはないでしょう。お金で評価を買うことの効率の悪さに、みんな気づいてしまったから
有能な人100人と、普通の人1000人では、後者の方が有利なんですよ。有能な人ばかり集めると、かえって効率が悪くなります。彼らは一人一人がスゴい人だから、権力争いばかりして、あまり仕事をしません
◆Google、Facebookの役員クラスが語った「求める人材」
=good natured person
おてつだいネットワークスのシステムには、今までのサービスとは大きく違うところがあります。応募してきた人がこれまでの職場でどのような働きぶりだったのか、アルバイターとしての履歴と評価が格付け表示されるのです
大事なのは「いいひと」に見えるフレーム──「状況」や「機会」や「局面」をなるべく増やし、「イヤな人」に見えるフレームを減らすことです
◆貨幣経済社会から脱出するための「3つのリスト」
1.ウィッシュリスト
2.できますリスト
3.あげますリスト
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『「いいひと」戦略』岡田斗司夫・著 マガジンハウス
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4838724063
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◆目次◆
第0章 ネット世代から「いいひと」が生まれている
第1章 評価経済社会の到来
第2章 自己啓発の格付け
第3章 評価戦略
第4章 「いいひと」戦略への反論
第5章 いいひと戦略
第6章 評価経済社会で生きる
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