【好評のMBAシリーズに単語帳が登場!】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4822249301
本日ご紹介する一冊は、大好評を博した『ビジネスマンの基礎知識としてのMBA入門』に続く、早稲田大学ビジネススクール人気教授による一冊。
※参考:『ビジネスマンの基礎知識としてのMBA入門』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/482224900X
ビジネスを学ぶ上で、またデキるビジネスマンと会話する上で、基礎となるコンセプトや単語は非常に重要ですが、本書はその要諦をじつにうまくまとめ上げた一冊。
しかも、単なる単語集ではなく、その語の本質的意味や語源、さらには実ビジネスでどう意味を持つのかを、1単語見開き2ページで詳しく説明しています。
たとえば、Finance(ファイナンス)という語であれば、語源がラテン語のFinire(終わること)であり、支払いの終わりを表すといったことが載っています。
著者の言葉を借りれば、「ファイナンスという言葉は、終わりで始まっている」のであり、そこから考えれば、ファイナンスという活動の本質がわかるということです。
さらにビジネス的な意味として、こんな説明がなされています。
<企業が利益を出して活動を継続するためには、煎じ詰めていうと、「集めてきたお金のコスト」と「それを使って得たリターン」を比較して後者が前者を上回っていることが必要です>
ほかにも、カーネマンとトバルスキーの「プロスペクト理論」などが紹介されていたり、英語でfinanceを使った専門単語が紹介されていたり(campaign finance bill:選挙資金法など)、Finance(ファイナンス)という単語ひとつから、ちょっとした知の旅を楽しめるようになっています。
MBAの分厚いテキストが旅行本番だとするなら、本書はさながら『地球の歩き方』シリーズのような内容と言っていいでしょう。
人は『地球の歩き方』だけでは満足しないかもしれませんが、それがなければ、旅が困難になるのは確実。
学ぶ前の前提知識を手に入れる手段として、ぜひチェックしておきたい一冊です。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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【Concept】
「共に」をあらわす接頭語con-に「捉える」をあらわす語根capereが組み合わさって、いくつかのアイディアを心で一緒につかむことをあらわすconceptという意味が生まれた。ラテン語で「抽象・下書き」をあらわすconceptumは、もともと心に念じたもののこと。コンセプトが先にあって、それを伝えるためにこのタームができた。コンセプトは「言葉」と共にある
iPodの「ミュージックライブラリを持ち歩く」、ウォシュレットの「おしりだって洗ってほしい」──コンセプトは明快。だから心に刺さるのです
【Development】
語根のvel-は「包む」「くるむ」「覆う」を意味するラテン語の動詞velareがルーツ。「元に戻す」という意味のdesをあらわす接頭辞のde-と組み合わさって「包みを広げて解く」意味となる。包みを開けて、もともとある良いものを引き出すのが含意。「発見」を表すdiscoverがcoverを取る意味であることとも似る。逆に「中に包む」はenvelop。その名詞は「封筒」のenvelope
【Finance】
ラテン語finireは「終わること」。finisは「終わり」や「境界」をあらわすと共に、支払いの終わり(セトルメント)もあらわす。そこから、フランスでは「借金を終わりにする」という意味となり、その意味が英語に持ち込まれた。イギリスでは産業革命が起こった頃から「お金のマネジメント」という意味で使われるようになった
企業が利益を出して活動を継続するためには、煎じ詰めていうと、「集めてきたお金のコスト」と「それを使って得たリターン」を比較して後者が前者を上回っていることが必要です
NOTE
campaign finance bill:選挙資金法
refinance mortgage:住宅ローンを借り換えする
【Function】
分業して作業が単純化すれば、どんどんコストが安くなるのです。それでは、なぜ究極まで細かく分けて分担しないのでしょうか。それは細かく分かれすぎると、調整コストが高くなり、また単純すぎる仕事ではモチベーションを保てないからです
【Yield】
ファイナンスの世界においては、イールドは「利回り」。「イールド・カーブ」はその代表的なもので、日本語では「利回り曲線」と呼ばれます
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『MBA単語帳』杉浦正和・著 日経BP社
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◆目次◆
※多すぎるので省略します。
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