【これぞ外資コンサル流、スライド作成術】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4492557202
本日の一冊は、電通、BCG、A.T.カーニー等を経てヘイ・グループで活躍する著者が、外資系コンサルタントのスライド作成術を紹介した一冊。
長年、新卒学生や中途採用者のトレーニングを担当し、「わかりやすいスライド」の作成方法を教えてきた著者だけに、そのレッスンは、極めて実践的です。
まずは、冒頭で書かれている、「良いメッセージ」の3条件を紹介しましょう。
◆「良いメッセージ」の3条件
条件1.1スライド1メッセージとなっている
条件2.明快な主張がある(=ポジションを取っている)
条件3.短い(=ポイントが明確である)
いずれもシンプルな条件ですが、それをスライドやプレゼンで実現するのは簡単ではありません。
本書にも書かれているように、スライドを作る際に大切なのは、<全てのスライドがメッセージとストーリーをサポートするように>作ることなのです。
本書では、そんなわかりやすいスライドを作るためのグラフの選択、複数要素を比べるためのグラフの合成方法、大事なことにフォーカスするための技術、知っておくと便利な人間の認知に関する傾向(プレグナンツの法則)など、プレゼンターのためのスライド作成術が、過不足なく書かれています。
◆グラフ選択のノウハウ
<実数値と構成比を組み合わせて使う際には、面積図>
<合成の対象となる2つのデータの指標が異なる場合は「棒×
折れ線」が最適な合成>
◆プレグナンツの法則
<近接の要因>
近くにあるものは同じグループとして認識してしまう
<閉合の要因>
互いに閉じあっているものは1つのグループとして認識されやすい※ )( )( )( )( )( )(という図形に出合った場合、人は「)(」ではなく「( )」の連続と認識する傾向がある
以前、紹介した池上彰さんの『わかりやすく<伝える>技術』にも、似たようなノウハウが書かれていましたが、やはりわかりやすさには、明確なロジックがあるのです。
※参考:『わかりやすく<伝える>技術』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4062880032
社内や業界で一目置かれるプレゼンターになるために、ぜひチェックしておきたい一冊です。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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面倒で忘れやすいからこそ早めに出所を書く
◆「良いメッセージ」の3条件
条件1.1スライド1メッセージとなっている
条件2.明快な主張がある(=ポジションを取っている)
条件3.短い(=ポイントが明確である)
パッケージ作成のあるべきプロセス
・まずメッセージを書きだし、それらがすんなりと頭に入るストーリーにまとめる。
・文章をいじりようがない、となった段階で一つ一つのメッセージをスライドに落としていく
・全てのスライドがメッセージとストーリーをサポートするように作成される
折れ線グラフは大変使い勝手のよいグラフフォーマットですが、通常は時間軸での変化を記述するのに用いるフォーマット
合成とは、本来2つのグラフになるデータを、1つのグラフにまとめることです。2つのデータを一度に提示することで、初めて示唆や意味合いが明確になってくる場合、合成は大変有効な手段になります
合成の対象となる2つのデータの指標が異なる場合は「棒×折れ線」が最適な合成
何かを足すより、むしろ何かを引くことで、フォーカスを当てたい事象を浮かび上がらせる
縦軸と横軸の構造を決める際に大事なのは「自然な感覚に倣う」ことです。自然な感覚とは、楽譜で言えば「高い音は上に、低い音は下に書く」ということであり、「これから来る音は右に、過ぎ去っていく音は左に書く」ということです
矢印の利用において重要なことは「矢印の起点と着点を明確にすること」
矢印を利用する際に気をつけないといけないもう1つのポイントが、「矢印はその延長線上にあるものすべてに作用を及ぼす」というルールです
◆近接の要因
近くにあるものは同じグループとして認識してしまう
◆閉合の要因
互いに閉じあっているものは1つのグループとして認識されやすい
重要な情報を右上の「強い休閑領域」には配置しない
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『外資系コンサルのスライド作成術』山口周・著 東洋経済新報社
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4492557202
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◆目次◆
PART1 スライド作成の基本
PART2 グラフの作り方~数値を視覚化する~
PART3 チャートの作り方~概念や関係構造を視覚化する~
PART4 シンプルなスライドに磨き上げる
PART5 練習問題
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