【情報爆発時代に、上手に取捨選択する方法】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4534050046
ビジネス書の発行点数は、毎年およそ5000冊。土井はこのうち約1000冊を読んでいますが、それでも全体のわずか20%です。
本日ご紹介する『「ものさし」のつくり方』によると、1年間に日本国内で流通している情報量をDVDに換算すると、およそ1058.5億枚分(平成21年度・情報通信政策研究所調べ)にのぼるそうです。
いまやインターネット上には、ありとあらゆる情報が載っていますが、われわれはこのうちすべてに目を通すわけにはいきません。
この「情報爆発時代」に、良いインプット/アウトプットをしようと思えば、自分のなかに「基準」や「ものさし」を持つことが必要不可欠なのです。
博報堂生活総合研究所主席研究員の吉川昌孝さんによる新刊、『「ものさし」のつくり方』は、まさにそんな「情報爆発時代」の知的生産ノウハウを論じた一冊。
1.自分の業界外で情報を仕入れる
2.生活者・社会全般に関する情報を仕入れる
3.自分が「気になる」情報を仕入れる
といった「情報を仕入れる3つの条件」にはじまり、優れたアイデアに求められる「発想力」と「定着力」、「新しい兆しの種」の見つけ方など、知的生産のヒントがたくさん載っています。
<何か気になったモノやコトがあったら、そのルーツをひも解いてみる。そのモノが生まれた、コトが起こった当時の社会情勢に着目する>など、情報を深めていくための着眼点が示されており、じつに参考になります。
代理店の人が書いたアイデア発想本としては、ベーシックな部類ですが、個人的には「定着力」(=社会的な正しさや組織的な正しさ)という部分が参考になりました。
インプット力/アウトプット力を高めるために、読んでおきたい一冊です。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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◆情報の仕入れ3つの条件
・自分の業界外で
・生活者・社会全般に関する
・自分が「気になる」情報
なぜ、このような「生活者・社会全般に関する情報」を集めるのか? それは、そこに「生活者が潜在的に思っていること」を探るヒントが隠れているからです
優れたアイデアは、「発想力」×「定着力」の両方を兼ね備えている
「定着力」。そのアイデアに社会的な正しさや組織的な正しさがあるかどうかです
「新しい兆しの種」を集めることです。もう少し具体的に言いますと、現在、常識となっていることや、すでに大流行していること、たとえば「少子高齢化」「世界のフラット化」「地球環境問題」「情報爆発」「自然エネルギーへの注目」などといった、大きなトレンドには載っていないもの
◆生活総研で「新しい兆しの種」として話題に挙がったもの
・一部の人しか入れない、閉鎖系のソーシャルメディアの勃興
・大人向けの怖い絵本への注目
・続々と出てくるカッコくだらないアーティスト
・駅ビルが新しい地元スペースを形成
・「家を買うなら農地を買うほうがマシ」という考え方への共感
・ママ名刺の流行
・美白を考える60代、70代女子の出現
・偶然の出会いを具現化する横丁や界隈の増加
何か気になったモノやコトがあったら、そのルーツをひも解いてみる。そのモノが生まれた、コトが起こった当時の社会情勢に着目する
0次情報は、自分がその場に身を置いて初めて感じること。内発的に湧き出てくる気持ちや感情、印象です
文章にする際、やってはいけないことがあるとしたら、「便利そうな言葉で片づけてしまうこと」
相手が求めているものは、「いい言葉」ではなく、「市場やビジネスが見える、課題を解決してくれるロジカルでよい提案」です。つまり、「ちゃんと市場が生まれる感じがするか」「人が動く感じがするか」「どれだけ深く読んでいるか」というアウトプットです
◆考え方を左右する3要因
「世代効果」「時代効果」「年齢効果」
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『「ものさし」のつくり方』吉川昌孝・著 日本実業出版社
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4534050046
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◆目次◆
第1章 「情報爆発」が引き起こす3つの現代病
第2章 情報をアイデアに加工する技術「INSIGHTOUT」
第3章 ステップ1 「気になる」情報だけをインプットする
第4章 ステップ2 いいアイデアは「なんで?」から生まれる
第5章 ステップ3 プレゼンテーションを「プレゼント」する
付録 INSIGHTOUT special session
ドキュメント「Life After 3.11」ができるまで
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