2012年10月19日

『MAKERS─21世紀の産業革命が始まる』クリス・アンダーソン・著 Vol.3013

【クリス・アンダーソン新作!】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4140815760

処女作『ロングテール』、ベストセラー『フリー』に続き、「WIRED(ワイアード)」US編集長のクリス・アンダーソンが、またやってくれました。

今回のテーマは、デジタルが変える製造業の未来ということで、これからの先進国のモノ作りについて論じています。

『フリー』はマーケティングの話でしたが、この『MAKERS』は、産業の話であり、キャリアの話です。

それだけに、『フリー』以上に多くの人を巻き込むムーブメントになることは、間違いないでしょう。

あらゆる人材、生産手段がネットでつながり、スクリーン上の図形をオブジェクトとして出力できる「3Dプリンタ」が登場した現在、資本や生産設備の制約を越えて、ついに個人がメーカーになる時代がやってきました。

本書ではこの、世界規模で進行する「メイカーズムーブメント」の全貌を、実際に自らも「メイカーズ」となって300万ドルの売上を叩き出した著者が、まとめています。

個人のモノ作りを支援する、メイカーボットのシングオマティック[Thing-O-Matic]、3Dデザイン共有サイトのシンギバーズ[Thingiverse]、オリジナルデザインの車のみを扱い、巨大な中央工場ではなく、顧客が住む場所に近い工場で注文に応じて作るローカルモーターズなど、さまざまな企業事例を紹介しながら、このムーブメントの全貌を明らかにしています。

ウェブで調べたところ、この「3Dプリンタ」は、既に相当安価になっているらしく、今後モノ作りに革命を起こすことは間違いなさそうです。

「(3D印刷は)二〇一五年から二〇二五年のあいだに世界を変えるテクノロジーになるかもしれない」
(フォーブス誌の発行人、リッチ・カールガード)

沈みゆく大企業にしがみつくより、いっそ自らが「メイカー」となって、グローバル市場相手に戦う。

そんな新たな時代のキャリアも見えてきそうな一冊です。

ぜひチェックしてみてください。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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「メイカームーブメント」が生み出す最大の力は、小規模でもグローバルになれる能力だ。職人肌でありながら革新的。ハイテクながら低コスト。小さく生んで、大きく育てる。そしてなんといっても、世界が望む製品、古い大量生産モデルに添わないためにこれまで世に出なかった、優れた製品を作ることができるようになる

いまなら3Dプリンタがある。それがメイカーボットのシングオマティック[Thing-O-Matic]だ。おかげで、今回の結末はいつもとは違った。まずは、3Dデザイン共有サイトのシンギバーズ[Thingiverse]を訪れた。すると、そこはザ・シムズと同じ世界だった。フランスのルネッサンス風から、『スター・トレック』に出てくるような近未来風のものまで、ありとあらゆる家具が揃っていて、ダウンロードし放題だった。僕たちは、すごく繊細なビクトリア様式の椅子とソファを取り込み、クリックひとつでそれをドールハウスにぴったりと収まるサイズに縮小し、「作成」ボタンをクリックした。二〇分後には、それが手の中にあった。無料で、お手軽で、リアルな世界よりもはるかによりどりみどりで、アマゾンでさえこれにはかなわない。これからはもう、ドールハウスの家具を買うことはないだろう。自分がおもちゃ会社の立場だったらと思うと、ぞっとする

自分で作ったイケア家具を買う場合は、そうでない場合より六七パーセントも高い値段をつけることがわかった。レゴのセットでも、紙の折り紙でも結果は同じだった。どんな場合でも、自分が骨を折ったものにはより高い金額を支払う。これが、「メイカーズ・プレミアム」と呼ばれるものだ

デジタルなファイルをだれでも「編集(リミックス)」できることが、コミュニティを動かす原動力になる

未来の可能性は明らかだ。僕らは現実をコピーできる。少なくともハリウッド映画の小道具くらいには、現実に近いものができる

コミュニティが存在するのは、僕らの製品が使いにくいからだ

ローカルモーターズの車は、巨大な中央工場ではなく、顧客が住む場所に近い工場で、注文に応じて作られる(中略)ローカルモーターズはオリジナルのデザインしか作らない。名車を真似るのではなく、理想の車をゼロから生み出すのだ。コミュニティは製品を開発し、また顧客にもなる

オープンイノベーションのコミュニティが、隠れた供給(その分野でいまだ雇われていない人材)と隠れた需要(通常の手法で作るとコストがかかりすぎる製品)を結びつけている。しかも、コミュニティの中で素晴らしいデザイナーだと認められれば、自動車会社に就職できる可能性もある

「いちばん優秀な奴らはたいていよそにいる」
(ビル・ジョイの法則)

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『MAKERS─21世紀の産業革命が始まる』クリス・アンダーソン・著 NHK出版

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4140815760
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◆目次◆

第一部 革命
第1章 発明革命
第2章 新産業革命
第3章 未来の歴史
第4章 ぼくらはみんなデザイナー
第5章 モノのロングテール
第二部 未来
第6章 変革のツール
第7章 オープンハードウェア
第8章 巨大産業を作り替える
第9章 オープンオーガニゼーション
第10章 メイカーズの資金調達
第11章 メイカービジネス
第12章 クラウド・ファクトリー
第13章 DIYバイオロジー
エピローグ 製造業の未来
付録 二一世紀の工房

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