2012年9月3日

『東京は郊外から消えていく!』三浦展・著 Vol.2967

【空き家率40%時代の住まい方とは?】
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本日の一冊は、名著『第四の消費』で、これからの消費社会の行方を示した三浦展さんが、東京圏の街の近未来を示した一冊。

※参考:『第四の消費』
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最近は、将来不安から、不動産投資をする方も増えていますが、人口が減る状況で、一歩間違えば、空室が続出する可能性があります。

やがて人口一億人を切ると言われている日本で、不動産は「買い」なのか、買うとしたらどこに買えばいいのか、これから家を借りる人は、どこにどう住みたがっているのか。ビジネスのヒントになる情報が満載の一冊です。

著者によると、共働きの夫婦が郊外を嫌うことや(子育ての都合と世帯年収の増加による)、東京圏の若者が結婚・出産をしなくなるなどの理由で、今後、郊外はますます廃れていくとのこと。

ブランド的に強いのは、渋谷、表参道などのおしゃれエリアに買い物に行けて、かつ丸の内、大手町などへのアクセスがいい東急田園都市線沿線。

あくまで著者らのリサーチによるものですが、これによると、東急田園都市線沿線は、「おしゃれ」で「都心3区」に次いで2位、「高級」でも、「都心3区」「城南4区」「副都心など4区」に次いで4位、「きれい」ではつくばエクスプレス沿線に次いで2位と、かなりの高イメージ。

また、意外ではありますが、最近の駅周辺の開発を受けてか、南武線が「活気がある」で3位となっています。

ほかにも、さまざまなリサーチから、これまでは注目されてこなかった街が注目されています。

「住みたい街」では注目されないながらも、「住んでよかった街」では上位に入る中野(3位)、阿佐ヶ谷(10位)、JRを使って東京方面も新宿・渋谷方面も行ける赤羽などがそれにあたりますが、今後の投資、住まい方を考える上で参考になる情報です。

ちょっと残念だったのは、本書のリサーチ内容に、感覚的なものが多すぎること。

もちろん、どこに住みたいか、などの情報は感覚的にならざるを得ないのでしょうが、前回の『第四の消費』が名著だっただけに、惜しまれます。

不動産の売買を考える方は、あくまで、参考程度にして、あとはご自分の目で確認をするといいでしょう。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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マイホームに資産価値がなくなる、いわば「クズ」になる時代が来ている

今は、女性も働くことが多い。女性も都心に通勤するとなると、世帯年収が上がるから、もっと都心近くに家が買える。子どもがいれば、ますます勤め先に近いほうが便利だ。駅からも10分以内の物件が好まれる

東京圏全体(東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県)の人口はまだ減少していないばかりか、東京都の人口は2012年もまだ増え続けている(1996年は1178万6893人、2012年は1322万7914人。6月1日の数字)

今後は、もはや地方から東京圏に大量に人口が流入することはない。地方にはもう若い人口が減ってしまったし、地方にも商業、文化、施設などが充実したので、東京に行きたいと思われなくなったからである。他方、東京圏に住んでいる若者は、結婚をする者が減ったし、子どもを産む人も減った。結果、マイホームを買うために郊外にわざわざ引っ越す必要のある人が減ってしまった

2040年には1億728万人のうち36%の3868万人が、65歳以上の高齢者で占められるようになる

団塊ジュニアが60代前半となる2035年では、東京圏の総人口約3298万人のうち32%の約1061万人が、65歳以上となる

住みたい街9位の中野は、住んでよかった街では3位である。住みたい街では30位にも入らなかった阿佐ヶ谷は、住んでよかった街では10位である

女性は、若い世代ほど「副都心など4区」「下町3区」が多く、男性と同様、年をとるほど「湘南」が多い。男女とも、若い世代で下町志向があるのが特徴的である

60代の女性で「湘南」に行きたいのは36.1%だが、20代では19%であり、2倍近い差がある

郊外のブロックに住む女性で、10年後も「東京の郊外の住宅地」に住みたいという人は20%台しかなく、「地方都市の中心部」のほうに住みたい人も多い

「おしゃれ」は「都心3区」に次いで「東急田園都市線沿線」が2位になった

東京の都心はつまらなくなった

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『東京は郊外から消えていく!』三浦展・著 光文社

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◆目次◆

第1章 あなたの街がゴーストタウンになる!
第2章 発展する街・衰退する街はどこか?
第3章 団塊ジュニア以降の世代はどこに住むのか?
第4章 団塊世代は親子二世帯同居をするか?
第5章 どういう郊外が生き延びるか?
第6章 郊外をゴールドタウンにする方法

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