【宅急便を創った、小倉昌男の遺稿】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4569806910
以下の3つのタイプのうち、宅急便の祖、小倉昌男さんが理想とした社員像はどれでしょうか?
1.ムード派
2.知性派
3.行動派
答えは、3の「行動派」。その理由は、「新しい扉を開くエネルギーがあるから」だそうです。
正確に言うと、小倉さんは、「知性的行動派」が好きだったようですが、やはりビジネスマンにとって行動力は大事ということなのでしょう。
小倉さんは、生前、三越・岡田社長(当時)のやり方に反発して取引を解消したり、運輸省を相手に訴訟を起こしたり、とにかく行動派だったことで知られていますが、じつはその裏には冷静な計算と確固たる信念がありました。
本日ご紹介する『小倉昌男の人生と経営』は、そんな小倉さんの人となりや経営哲学が学べる、貴重な遺稿です。
ヤマト運輸の社内報に「止まり木」と題して連載された巻頭言や、メディアを通して報道された発言などをもとに、そのエッセンスをまとめたもので、著者の思想がよく伝わる内容となっています。
氏が書いた本のなかでは、やはり『小倉昌男 経営学』が名著だと思うのですが、本書を読むことで、小倉氏の人がらがより鮮明になった気がします。
※参考:『小倉昌男 経営学』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4822241564
<常に相手の身になって物事を考える>
<「お天道様に顔向けできる」仕事をしなければならない>
<他社への苦情であっても、よそ事だと思ったりせず、謙虚に受け止める>
正義感が強く、お客様のことを第一に考え、信念のためには困難を厭わなかった骨太な経営者。
本書には、そんな氏の部下たちへのメッセージが綴られています。
遺稿ということで、内容は玉石混交ですが、それでも、氏の教えを受けられる貴重なチャンス。
ぜひチェックしてみてください。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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二十歳から六十歳まで四十年間働くとして、日数にすると、わずか一万四六〇〇日にすぎない。特に社会人になると、一年くらいはあっという間に過ぎてしまうようになる。その「あっという間」をたった四〇回繰り返すだけで、もう引退の時期を迎えてしまうのだ
いったいどうすれば悔いのない人生を送れるのだろうか。いちばん大事なのは、「常に相手の身になって物事を考える」ことだろう。人生は人との関係によって築かれるものだからだ
単に正しいだけでは、了見が狭くなってしまうこともあるだろう。正しい心に加えて、思いやりの心も大切にしたい
仕事をしているときも、お客様をはじめ、周りのすべての人たちに対して、後ろにも目があるように気を配りたいものだ
会社のご都合によって倫理観をなくしてはいけない。誰もが「お天道様に顔向けできる」仕事をしなければならないのだ
会社やお店の方針はもちろん、何らかの形でお客様と交わした約束は、どんな困難な状況が訪れようとも全力をあげてやり遂げなければならない
相手に伝わるように話すためには、まず、自分で説明する内容をしっかりと理解しておかなければならない。そのうえで、「ここを理解してほしい」というポイントを、自分なりに強調して説明することが必要だ
同業である限り、同じような問題が自分の会社にも起きる可能性がある。たとえ他社への苦情であっても、よそ事だと思ったりせず、謙虚に受け止めることが大切だ
いい仕事をするためには、「ほれる」ことが大事だと思う
お客様に喜んでいただくためには、やはり「お客様の論理」を優先して考える必要がある。たとえばヤマト運輸では、離島へ配達する場合でも、割増料金をいただかないことにした
売り方も工夫する必要がある。たとえばスイカをまるごと売るよりも、カットして小分けにしたほうが消費者は買いやすい
広げて駄目ならしぼってみる(中略)何でも運ぶのではなく、小さな荷物、小規模な運送にしぼり込む。この逆転の発想が、宅急便の誕生につながったのである
◆会社が大きくなっていく条件
1.メンバー全員が汗水を流しながら、精一杯努力すること
2.人材をうまく活用していくこと
3.優れた経営戦略を打ち立てること
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『小倉昌男の人生と経営』小倉昌男・著 PHP研究所
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4569806910
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◆目次◆
第1章 正しい心、思いやりの心を持つ
第2章 会社との一体感を持ち、仕事に取り組む
第3章 サービスが先、利益は後
第4章 常に改善し続ける
第5章 「ぜひいてもらいたい人材」を目指す
第6章 理想のリーダーになる
第7章 志高く経営を行う
第8章 強い組織のあり方
第9章 福祉を理解し、障がい者を応援する
第10章 社会の仕組みを知る
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