2012年7月30日

『ビッグデータの衝撃』城田真琴・著 Vol.2931

【ビジネスの勝敗を左右する「ビッグデータ」とは?】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4492580964

学生時代、初めて読んだマーケティング書は、ドン・ペパーズの『ONE to ONEマーケティング』でした。

※参考:『ONE to ONEマーケティング』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/447850119X

当時は、顧客のデータを収集・分析し、個々人のニーズに合ったサービスが提供できる世の中が来る、ぐらいの認識しかなかったのですが、その後、アマゾンでOne to Oneマーケティングの最先端に触れ、これは人間の購買行動を解析し、社会問題の解決にまで応用できる技術だ、という思いを強くしました。

本日ご紹介する一冊は、One to One企業が重視する、「ビッグデータ」の最先端と、国内外の先端企業がそれをどう活用しているか、その実態を明らかにした一冊です。

スマートメーターの導入によりエネルギーの消費パターンを分析している英国最大手のガス・電力事業会社セントリカ、全世界で1億人分以上の購買履歴を蓄積し、クーポンを開発・運営するカタリナマーケティング、KOMTRAXで顧客の所有する建機の管理をするコマツ、ログの処理に高速なハドゥープを使い成果を上げているリクルート、ユーザーの行動データを蓄積・分析しているグリー、2600万人の会員の購買履歴を販促に活用しているマクドナルドなど、さまざまな事例が登場します。

保険契約者の運転習性に応じて、保険料をディスカウントするプログレッシブ保険の“Pay as You Drive”プログラム、電話をかけてきた顧客とコールセンターのオペレーターの親和性を割り出し、売上190%増、解約防止率117%増、オペレーターの離職率25%減を実現した米国の特殊保険会社アシュラント・ソリューションズなどは、特に興味深く、ビッグデータを使えば、ビジネスはここまで進化するのか、と正直驚きました。

本書では、ビッグデータの活用例として、以下の内容が紹介されています。

1.商品やサービスのレコメンデーション
2.行動ターゲティング広告
3.(位置情報を利用した)マーケティング
4.不正検出
5.顧客離反分析
6.故障予測
7.異常の検出
8.サービスの改善
9.渋滞予測
10.電力の需要予測
11.風邪の流行を予測
12.株式市場の予測
13.燃料コストの最適化

これから先、ビッグデータによってビジネスや社会がどう変わっていくのか、未来予想図を示された印象です。

クールな装丁とは裏腹に、じつに刺激的な内容です。ぜひチェックしてみてください。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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◆ソーシャルゲームのビジネスモデルを考える上で知っておくべき3つの指標
1.離脱率(チャーン)
2.バイラル係数
3.会員1人あたりの売上

カタリナマーケティングでは、ポイントカードなどによって顧客を識別し、POSシステムとの連動により、顧客の過去2年分の購買履歴データを蓄積している。顧客がレジで精算する際に、その買い物パターン(購入商品・購入点数・来店頻度・購入額等)をほかの数千万人のパターンと比較して、もっとも関心を引きそうなクーポンの内容を即座に計算し、その内容が反映されたクーポンをレジで打ち出す

『ホットペッパー』の「飲食ぐるメール」というメールマガジンでは、従来、ウェブのアクセスログの処理に時間がかかり、1週間分のログしか処理することができず、一部の会員(8万人)にしかレコメンドメールの送付ができていなかった。しかし、ログの処理にハドゥープを使い高速化を図ったことで、1年半分のログを処理できるようになり、約20万人にレコメンドメールの送付ができるようになった

グリーでは、「GREE Analytics」というデータマイニングツールを独自に開発している(中略)営業担当者であっても、このツールを使えば、「iPhone経由で、○月○日に会員登録したユーザーが、『釣り★スタ』で累計○○分プレイして、○○円使った」といったデータを即座に取り出せる

2011年12月18日時点で「トクするケータイサイト」の会員数は2600万人を突破した。日本人の5人に1人がマクドナルドのモバイルサイトの会員ということになる

◆プログレッシブ保険“Pay as You Drive”の保険料決定のステップ
1.契約者は保険会社から提供される専用のデバイスをマイカーに取り付ける
2.デバイスは運転頻度、速度、走行距離、運転時間帯(たとえば、深夜0時から4時の間に運転するとリスクが高いと見なされる)、急ブレーキの回数などのデータを収集し、無線によって保険会社に送信する
3.保険会社はデバイスが取り付けられてから最初の1カ月分のデータを分析し、暫定のディスカウント料率を決定。最終的な料率は契約から6カ月後に決定され、最大で30%オフになる

大量のデータから何かしらの「パターンを発見する」こと

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『ビッグデータの衝撃』城田真琴・著 東洋経済新報社

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4492580964
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◆目次◆

第1章 ビッグデータとは何か
第2章 ビッグデータを支える技術
第3章 ビッグデータを武器にする企業 欧米企業編
第4章 ビッグデータを武器にする企業 国内企業編
第5章 ビッグデータの活用パターン
第6章 ビッグデータ時代のプライバシー
第7章 オープンデータ時代の幕開けとデータマーケットプレイスの勃興
第8章 ビッグデータ時代への備え

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